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四十肩が治らないのはなぜ?長引く原因と受診を考えるサインや回復までの流れ

2026.04.22

「四十肩になってから半年以上経つのに、まだ痛い」 「肩が上がらない状態がずっと続いている」 こんな悩みを抱えていませんか? 四十肩は「放っておけばそのうち治る」と言われることが多いですが、実際には回復までに長い時間がかかったり、適切な対処をしないと症状が長引いてしまうケースも少なくありません。本記事では、四十肩が治らない・長引く状態に焦点を当て、回復過程や改善が遅れる理由、受診を考えるべきタイミングについて詳しく解説します。 神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を行っており、四十肩の症状が長引いている方に対しても、痛みの原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を提供しています。

四十肩とは?正式な病名と基本的な理解

「四十肩」という呼び名は、実は医学的な正式病名ではありません。 40歳代から50歳代に多発する肩の痛みと腕が上がらない、手が後ろに回せないといった運動制限を主な症状とする状態を指す俗称です。50歳代で発症すれば「五十肩」と呼ばれますが、最近は発症年齢が40歳代に下がったため「四十肩」という言葉が多く使われるようになりました。 医学的には「肩関節周囲炎」という疾患群に分類されます。肩関節の周囲に炎症が起こる状態を広く指す病名であり、具体的には腱板というインナーマッスルのスジに炎症が起こる腱板炎、力こぶの筋肉である上腕二頭筋の一部のスジに炎症が起こる上腕二頭筋長頭腱炎、腱板疎部という肩の前方の膜や靭帯からなる部分に炎症が起こる腱板疎部炎などが含まれます。 さらに狭い意味での典型的な四十肩としては「癒着性肩関節包炎」という病名があります。これは関節包という肩関節を包む膜に炎症が起こり、最終的には癒着してぶ厚くなってしまう状態です。この癒着性肩関節包炎が、肩の強い痛みの後に可動域が狭くなる、つまり肩が挙がらないとか回らない状態に至る典型的なケースとなります。 四十肩は一般人口の2~5%がかかるといわれ、女性(特に非利き手側)にやや多い傾向があります。両肩同時に発症するケースはほとんどみられませんが、片方発症した後に逆も発症するというケースは6~34%あるとされています。また、糖尿病の患者様の10~30%が発症するというデータもあります。

四十肩の原因は未だ解明されていない

四十肩の原因は明らかにされていません。 外傷や特別な病気がないのに発症するのが特徴です。ただ最近は、小さな外傷や血流障害をきっかけに、老化を基盤とした関節包の軽度な炎症が原因となって発症する、といった考え方もあります。加齢による肩関節周りの骨や軟骨、靭帯、腱などの老化、運動不足による肩関節の硬化、長時間のデスクワークなどで肩関節をあまり動かさずに同じ姿勢を続けることなどが発症リスクを高めると考えられています。

四十肩の典型的な経過と三つの病期

四十肩は三つの病期「疼痛期」「拘縮期」「回復期」をたどるのが一般的な経過です。 原則的には良くなる病気ですが、各期間が半年間継続し、発症してから治るまでに平均1年半かかることが多いとされています。全体として1~3年が四十肩の病期として考えられています。

疼痛期(とうつうき)・・・痛みが最も強い時期

疼痛期の痛みは、腕を上げた時だけでなく、内側、外側とすべての方向に動かした際にみられます。痛みは次第に強くなり夜間痛もしばしばみられます。痛みから睡眠障害に至ってしまうこともあります。 この時期は肩を動かすと激しい痛みが起こるため、日常生活に大きな支障が出ます。シャツを着る、髪を結う、帯を結ぶなどの動作がしづらくなります。とくに関節内や滑液包に石灰が沈着している場合、激しい痛みが起こります。

拘縮期(こうしゅくき)・・・肩の動きが制限される時期

拘縮とは、関節が縮んで肩の動きが悪くなった状態を言います。 痛みや夜間痛などは落ち着きますが、肩を動かした時の動作の最後の部分での痛みはこの時期に多く見られます。また、肩の動きが制限され、とくに手が後ろに回らなくなることが多くなります。腕をねじったり上げ下げすると肩に痛みが起こり、思うように動かせなくなります。

回復期・・・少しずつ改善していく時期

少しずつ可動域が改善されていきます。 ただし、中には痛みや拘縮が後遺症として残ってしまうケースもみられるため、整形外科を受診し、しっかり治療する必要があります。四十肩の多くは、おおむね半年から1年、個人差はあるものの自然に治っていきます。ただし、「放っておけば必ず治る」と解釈してはいけません。確かに自然に痛みはとれますが、長い間放置しておくと治ったあとで運動障害が残る可能性があるので、適切な治療が必要です。

四十肩が治らない・長引く原因とは

四十肩は原則的には良くなる病気ですが、なぜ治らない・長引くケースがあるのでしょうか?

適切な治療を受けていない

「放っておけばそのうち治る」と考えて、整形外科を受診せずに放置してしまうケースが多く見られます。軽症で、ほどなく自然治癒する人もいる一方で、重症の場合は痛みや肩を動かしにくい状態が数年にわたって続くこともあるので、病院での治療やセルフケアなど、適切な対処を行うことが大切です。 整形外科では、肩関節のどの部分にどんな炎症が起こっているかを検査・診断し、痛みには消炎鎮痛剤などを処方します。早く回復するために、肩関節の可動域を少しずつ広げる運動療法の指導なども行います。医師に相談し、治療を受けることは、完治に向けての近道です。

病期に応じた治療ができていない

四十肩の症状は病期によって異なるため、それに応じた治療(薬物療法とリハビリ)が必要となります。 疼痛期には痛みに対し消炎鎮痛剤などの薬物療法を行い、睡眠障害がみられる場合は関節内ステロイド注射を1~2週間の間隔で数回実施します。痛みがなくなるまで肩を温める温熱療法も有効です。 拘縮期には、拘縮が軽度の場合は自宅での寝た状態での挙上運動・内外旋運動を行い、拘縮や痛みが強い場合は通院リハビリで理学療法士による可動域訓練を実施します。この時期に適切なリハビリを行わないと、肩の動きが制限されたまま固まってしまう可能性があります。

過去に肩関節を酷使した経験がある

長い期間、野球などのスポーツや仕事によって肩関節(腱など)を酷使し、過去に関節を傷めたことのある人は、いったん四十肩にかかると治りにくい傾向があります。

糖尿病や脂質異常症などの病気がある

糖尿病や脂質異常症、甲状腺の疾患など、四十肩のリスクを高める病気もあります。 糖尿病は、血糖値がコントロールできないことで血行が悪化し、腱組織が変性して四十肩の発症につながります。糖尿病患者の10~20%は四十肩になるという調査データもあり注意が必要な病気の1つです。脂質異常症は、過剰になったコレステロールが腱組織に沈着し、炎症を起こすことがあります。また、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症などの疾患では腱組織が変性しやすく、痛みが発生します。

四十肩以外の疾患が隠れている可能性

四十肩と症状が似ている病気や不調もあります。 心疾患など大きな病気の場合もあるので、痛みが激しかったり、長引いたりしているなら整形外科を受診するようにしましょう。肩腱板断裂、腱板炎、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰性腱炎、リウマチ、心筋梗塞、狭心症、肺がんなどの可能性も考えられます。

受診を考えるべきサインと目安

四十肩の場合、自己判断で肩を動かしたりもんだりすると症状が悪化してしまう恐れがあります。 次のような症状があれば整形外科の受診をおすすめします。

肩を動かしたり寝返りをうったりすると痛みを感じる

日常的な動作で痛みが続く場合は、早めの受診が必要です。 夜間痛も四十肩の特徴であり、夜、寝返りをうつと痛みで目覚める、痛いほうの肩を下にして眠れない、朝起きると肩に痛みがあるといった症状がある場合は注意が必要です。

肩の痛みが2週間~1カ月と長く続く

痛みが長期間続く場合は、四十肩以外の疾患が隠れている可能性もあります。 肩腱板断裂の場合、発症するのは50~60代が中心で、負荷のかかる利き手側の肩に多いのが特徴です。四十肩の疑いがある人のうち多くが該当します。石灰性腱炎の場合は、肩が動かせなくなるほど痛みが激しいのが特徴です。

肩が動かせる範囲が明らかに狭くなっている

腕が上がらない、手が後ろに回らないといった運動制限が顕著な場合は、拘縮が進行している可能性があります。 適切なリハビリを行わないと、肩の動きが制限されたまま固まってしまう可能性があるため、早めの受診が重要です。

日常生活に支障が出ている

着替えや高い場所にある物を取る、髪を洗うなどの日常的な動作に支障が出たり、就寝中に痛みで目が覚めてしまったりと生活の質を低下させている場合は、受診を検討しましょう。

神保町整形外科での四十肩治療の流れ

神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供しています。 四十肩の症状が長引いている方に対しても、痛みの原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を行います。

痛みの原因を丁寧に評価

レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 肩関節のどの部分にどんな炎症が起こっているかを検査・診断し、四十肩以外の疾患が隠れていないかも確認します。画像診断や運動機能検査などを行いながら、しっかり鑑別診断をつけることが重要です。

症状に合わせた最適な治療

飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 四十肩の治療は、痛みと可動域制限を和らげることを目的とした保存療法が中心となります。症状が病期によって異なるため、それに応じた治療(薬物療法とリハビリ)が必要となります。

生活動作・姿勢改善までサポート

痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 肩だけでなく首・背中・肩甲骨まわりの筋肉の硬さも関わっているため、全体を見ながら治療を行います。必要な場合は理学療法士による運動療法やストレッチで再発しにくい「動ける肩」を作っていきます。

手術が必要となるケースも

ほとんどは保存療法で症状を緩和できますが、保存療法を行っても痛みや拘縮が軽減せず、手術が必要となるケースが希にあります。 当院では「鏡視下関節包切離術」という内視鏡を使用した手術を行っており、創が小さく術後の回復が早いなどのメリットがあります。

四十肩の回復を早めるために自分でできること

整形外科での治療と並行して、自宅でのセルフケアも重要です。

適切な運動療法を継続する

拘縮期には、拘縮が軽度の場合は自宅での寝た状態での挙上運動・内外旋運動が有効です。 ただし、疼痛期に無理に動かすと症状が悪化する恐れがあるため、医師や理学療法士の指導のもとで行うことが大切です。肩関節の可動域を少しずつ広げる運動療法を継続することで、早く回復することができます。

肩を温める

疼痛期には痛みがなくなるまで肩を温める温熱療法が有効です。 血行を良くすることで、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。ただし、急性期で炎症が強い場合は冷やすことが推奨される場合もあるため、医師に確認しましょう。

姿勢や生活習慣を見直す

デスクワーク中心の人は発症しやすいとされており、長時間のデスクワークが日常化している人に発症例が多いのもこのためです。 運動などで体を動かす機会が少なく、さらに、肩関節をあまり動かさずに同じ姿勢を続けることが多いと四十肩のリスクが高まります。定期的に肩を動かす、姿勢を変える、ストレッチを行うなど、日常生活での工夫が予防につながります。

まとめ・・・四十肩が治らない時は早めの受診を

四十肩は「放っておけばそのうち治る」と言われることが多いですが、適切な治療を受けないと症状が長引いたり、後遺症が残ったりする可能性があります。 疼痛期、拘縮期、回復期という三つの病期をたどり、平均1年半かかることが多いとされていますが、個人差があり、中には数年かかる人もいます。痛みが2週間~1カ月と長く続く、肩が動かせる範囲が明らかに狭くなっている、日常生活に支障が出ているといった症状がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供しており、痛みの原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を行います。レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。生活動作・姿勢改善までサポートし、痛みを繰り返さないよう一緒に見直していきます。 首・肩・腰の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を年齢のせいとあきらめず、どうかご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。

肩の痛みが長引いている方へ

夜間痛、腕が上がらない、着替えがつらいなどの症状は、期間や動作をメモしておくと診察で伝えやすくなります。

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次の一歩

四十肩は時期により対応が変わります。痛みを我慢しすぎず、動かしにくさが続く場合は相談しましょう。

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著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛  

経歴

  • 平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局
  • 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事

資格

  • 医学博士
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 再生医療認定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本脊椎脊髄病学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本再生医療学会
 

投稿者:神保町整形外科

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