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骨粗しょう症で骨折しやすい部位とは?日常生活で注意すべき6つのポイント

2026.05.26

「最近、背中が少し丸くなってきた気がする」 そんな小さな変化を、年齢のせいと片付けていませんか? 骨粗しょう症は、自覚症状がほとんどないまま静かに進行する病気です。気づいたときには骨がかなり弱くなっており、ちょっとした転倒や日常の動作で骨折してしまうことも少なくありません。日本には約1,000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。 この記事では、骨粗しょう症で特に骨折しやすい部位と、日常生活で今日から実践できる6つの予防ポイントを詳しく解説します。整形外科医として多くの患者さんと向き合ってきた経験から、具体的かつ実践的な情報をお伝えします。

骨粗しょう症が気になる方へ

千代田区神田神保町で骨密度低下や骨折予防について確認したい方は、神保町整形外科へご相談ください。

「転びやすくなった」「背中が丸くなってきた」と感じる方にも向いています。

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骨粗しょう症とは?骨が折れやすくなるメカニズム

骨は「生きている組織」です。 常に古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」を繰り返しながら、健康な状態を保っています。骨粗しょう症とは、このバランスが崩れて骨吸収が骨形成を上回り、骨の量(骨密度)が減少して骨がスカスカになる病気です。 骨がスカスカになると、骨の強度が著しく低下します。若い頃なら問題ない程度の衝撃でも、骨折してしまうリスクが高まります。 特に注意が必要なのは、50代以降の女性です。閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、骨吸収が加速します。閉経後10年で骨量が急激に減ることが知られており、早期発見・早期対策が非常に重要です。

骨粗しょう症になりやすい方の特徴

  • 閉経後の女性
  • やせ型の方(BMIが低い方)
  • 運動不足の方
  • カルシウムやタンパク質が不足しがちな方
  • 喫煙・飲酒の習慣がある方
  • 偏食・極端なダイエットをしている方
  • ご両親に大腿骨骨折の既往がある方
上記に1つでも当てはまる方は、早めの骨密度検査をおすすめします。

骨粗しょう症で特に骨折しやすい4つの部位

骨折が起きやすい場所は、ある程度決まっています。 骨粗しょう症による骨折は「脆弱性骨折」と呼ばれ、軽微な外力で起こるのが特徴です。代表的な骨折部位を4つご紹介します。それぞれの特徴と危険性を正確に理解することが、予防の第一歩になります。

①脊椎(背骨)の圧迫骨折

最も多い骨折部位です。 体の重みに背骨が耐えられなくなり、椎体がつぶれるように骨折します。特徴的なのは、痛みを感じないまま骨折していることがあるという点です。気づかないうちに複数の椎体が骨折し、背中が丸くなったり、身長が縮んだりして初めて発覚するケースも少なくありません。 圧迫骨折が進行すると、内臓が圧迫されて消化不良・便秘・胸焼けなどの症状が出ることもあります。また、背骨のバランスが崩れることで呼吸器や心臓の機能にも影響が及ぶ可能性があります。

②大腿骨近位部(太ももの付け根)の骨折

寝たきりに直結する、最も深刻な骨折です。 大腿骨は人体の中で最も大きな骨ですが、骨粗しょう症が進行すると、滑ったり躓いたりする程度の軽い外力でも骨折してしまいます。大腿骨近位部骨折は入院や安静を強いられ、運動機能や内臓機能が低下して寝たきりにつながりやすい骨折です。さらに、寝たきりから認知症が進行する可能性もあり、死亡リスクも高くなることが知られています。 また、脊椎の圧迫骨折や大腿骨頸部骨折は、1年以内に再骨折しやすいことが分かっています。一度骨折すると、次の骨折リスクがさらに高まるという連鎖が起きるため、初回骨折後の治療と予防が特に重要です。

③橈骨遠位端(手首)の骨折

転倒時に手をついた際に起こりやすい骨折です。 「コレス骨折」とも呼ばれ、転倒した瞬間に反射的に手をつくことで、手首に強い力がかかって骨折します。比較的若い年齢層でも起こりやすく、骨粗しょう症の最初のサインとなることがあります。日常生活への影響は大腿骨骨折ほど大きくないことが多いですが、手首の変形や痛みが残ることもあります。

④上腕骨近位部(腕の付け根)の骨折

肩の骨折も見落とされがちな部位です。 転倒時に肩から落ちたり、腕に強い力がかかったりした際に骨折します。手術が必要になるケースもあり、肩の動きに長期的な影響が出ることがあります。

日常生活で注意すべき6つのポイント〜今日から実践できる予防策〜

骨折は、防げます。 骨粗しょう症があっても、日常生活の中で適切な対策を取ることで骨折リスクを大幅に下げることができます。以下の6つのポイントを意識してみてください。

ポイント① 転倒を防ぐ環境づくり

骨折の多くは「転倒」がきっかけです。 自宅の中でも転倒リスクは潜んでいます。特に浴室・トイレ・階段・玄関の段差は要注意です。以下の環境整備を検討してみてください。
  • 浴室や廊下に手すりを設置する
  • 段差をなくす、またはスロープを設ける
  • 滑り止めマットを敷く(特に浴室・玄関)
  • 夜間の足元を照らす照明を確保する
  • 室内でも滑りにくい靴・スリッパを使用する
  • 床に物を置かず、つまずきの原因を取り除く
「自分はまだ大丈夫」と思っていても、骨粗しょう症が進行していると、ほんのわずかな外力で骨折することがあります。早めの環境整備が大切です。

ポイント② カルシウムを中心とした栄養管理

骨の材料は食事から摂ります。 骨を丈夫にするためには、カルシウム・タンパク質・ビタミンD・ビタミンKをバランスよく摂取することが基本です。それぞれの代表的な食品を意識して取り入れてみてください。
  • カルシウム:牛乳・乳製品・小魚・小松菜・チンゲンサイ・豆腐
  • タンパク質:肉・魚・卵・大豆製品
  • ビタミンD:鮭・うなぎ・さんま・しいたけ・きくらげ
  • ビタミンK:納豆・ほうれん草・小松菜・ブロッコリー・キャベツ
極端なダイエットや偏食は、骨密度を著しく低下させる原因になります。「食べない」ことが骨を弱くしているかもしれません。

ポイント③ 適度な運動で骨と筋肉を鍛える

骨は「使わないと弱くなる」組織です。 重力の負荷を受けない状態が続くと骨量が急激に減少することが知られています。反対に、適度な運動は骨に刺激を与えて骨形成を促し、骨を強くする効果があります。また、筋肉がつくことで転倒しにくい体づくりにもつながります。 おすすめの運動はウォーキングです。無理なく続けられ、骨への適度な負荷と筋力維持の両方が期待できます。週2〜3回、少しきついと感じる程度の強度で行うのが理想的です。日光を浴びながら歩くことで、ビタミンDの生成も促されます。

ポイント④ 喫煙・過度な飲酒を控える

生活習慣が骨の健康に直結します。 喫煙は骨密度を低下させる重要なリスク因子です。また、アルコールの過剰摂取もカルシウムの吸収を妨げ、骨形成を阻害することが知られています。禁煙し、飲酒は控えめにすることが骨の健康を守るうえで大切です。

ポイント⑤ 日光浴でビタミンDを補う

太陽の光は骨の味方です。 皮膚が日光(紫外線)を受けることで、体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける重要な栄養素です。一般的に、夏は木陰で30分程度、冬は1時間程度の外出で必要なビタミンDが生成されるといわれています。日常的に外出する習慣をつけることが大切です。

ポイント⑥ 定期的な骨密度検査を受ける

知らないうちに進む病気だからこそ、検査が命綱です。 骨粗しょう症は初期には自覚症状がほとんどありません。50歳を過ぎたら、または閉経後は、定期的な骨密度検査を受けることを強くおすすめします。当院ではDXA法(全身型骨密度測定装置)による腰椎・大腿骨の骨密度測定を実施しており、4か月に1回の検査を推奨しています。   「痛みがないから大丈夫」ではなく、「痛みがないうちに検査する」ことが、骨の健康を守る最大の習慣です。

将来の骨折予防を考えたい方へ

加齢や生活習慣による骨密度低下について、検査や対策をご案内しています。

「痛みはないけれど検査を受けるべきか迷っている」という方にも向いています。

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骨粗しょう症の症状の進み方と対応のタイミング

早期発見が、その後の人生を大きく変えます。 骨粗しょう症は進行度によって症状が異なり、対応すべき内容も変わってきます。ご自身がどの段階にあるかを把握することが、適切な治療・予防につながります。

初期(自覚症状なし)

この段階では、ほとんど症状がありません。 しかし、骨密度は静かに低下し続けています。50歳以降または閉経後の方は、症状がなくても骨密度検査を受けることが必須です。早期に発見できれば、食事と運動の見直しだけで改善が期待できます。

軽度(初期サインが現れる段階)

「背中が少し丸くなった気がする」「身長が縮んだ」「たまに腰や背中が痛む」といった変化が現れます。これらは骨粗しょう症の重要なサインです。半年に1回の骨密度検査で進行をチェックしながら、食事・運動・必要に応じた薬物療法で早期改善を目指します。

重度(骨密度70%未満)

明らかな猫背、大幅な身長低下、強い背中・腰の痛み、転倒で骨折といった状態です。骨密度が70%未満になると、薬物療法とリハビリテーションが必要になります。この段階でも適切な治療を続けることで、骨折リスクを下げることは可能です。

神保町整形外科で行う骨粗しょう症の検査と治療

正確な検査なくして、適切な治療はありません。 当院では、患者さんの骨の状態を多角的に評価するため、複数の検査を組み合わせて実施しています。

DXA法による骨密度測定

DXA法(2重エネルギーX線吸収法)は、腰椎・大腿骨の骨密度を正確に測定する標準的な検査です。全身型の検査機を使用し、骨の強さを詳しくチェックします。当院では4か月に1回の検査を推奨しています。

骨代謝マーカー(血液検査)

骨代謝マーカーとは、血液検査で「骨を壊すスピード」と「骨を作るスピード」のバランスを評価する指標です。異常値は骨折リスクの指標となり、治療効果の確認にも活用します。

X線検査

胸椎・腰椎の骨折・変形の有無を確認します。すでに気づかないうちに骨折が起きていないかを確認するうえで重要な検査です。

治療の3本柱

骨粗しょう症の治療は、①食事療法・②運動療法・③薬物療法の3つを組み合わせることが基本です。 薬物療法では、症状や骨密度の状態に応じて以下の薬剤を選択・組み合わせます。
  • 活性型ビタミンD3製剤(カルシウムの吸収を助ける)
  • SERM(骨吸収を抑制する)
  • ビスフォスフォネート(骨を壊すスピードを抑える)
  • 抗RANKL抗体(骨吸収を強力に抑制する)
  • 副甲状腺ホルモン製剤(骨を作る力を高める)
  • 抗スクレロスチン抗体(骨形成を促進し骨吸収を抑制する)
「骨を壊すスピードを抑え、作る力を高める」という方向性で、患者さんの状態に合わせた最適な治療を提案します。

治療後のアフターフォロー

骨粗しょう症は、一度良くなっても継続した管理が必要な病気です。当院では以下の基準で経過観察を行います。
  • 骨密度80%未満の場合 → 半年ごとに検査を実施
  • 骨密度80%以上に改善した場合 → 年1回の経過観察に移行
治療歴を継続して管理することで、将来の骨折リスクを着実に減らすことができます。

こんな変化があれば早めにご相談ください

「年のせいかな」と思っていたその変化、骨からのサインかもしれません。 以下のいずれかに当てはまる方は、早めの検査をおすすめします。
  • 背中が丸くなってきた気がする
  • 身長が以前より低くなった
  • 転んだだけで骨折した
  • 腰・背中が時々痛む
  • 運動量が減った
  • 閉経した
  • やせ型である
  • 偏食・極端なダイエットをしている
  • 喫煙・飲酒の習慣がある
骨粗しょう症は「痛みが出てからでは遅い病気」です。痛みが出る前の「いま」こそが、最も大切なタイミングです。

まとめ〜骨の健康を守ることは、将来の自分を守ること〜

骨粗しょう症で特に骨折しやすい部位は、脊椎・大腿骨近位部・手首・上腕骨近位部の4か所です。 これらの骨折は、寝たきりや生活の制限につながるリスクがあります。特に大腿骨近位部の骨折は、認知症や死亡リスクとも関連しており、予防の重要性は非常に高いといえます。 日常生活で実践できる6つのポイントは以下のとおりです。
  • 転倒を防ぐ環境づくり
  • カルシウムを中心とした栄養管理
  • 適度な運動で骨と筋肉を鍛える
  • 喫煙・過度な飲酒を控える
  • 日光浴でビタミンDを補う
  • 定期的な骨密度検査を受ける
骨の健康を守ることは、将来の寝たきりを防ぎ、健康寿命を延ばす大切な習慣です。当院は、患者さんの骨粗しょう症リスクに一生寄り添う整形外科として、検査・治療・予防のすべてを継続してサポートします。 気になる症状がある方、健診で骨密度が低いと指摘された方は、どうぞお気軽にご相談ください。 【神保町整形外科 骨粗しょう症の検査・治療について】 神保町整形外科では、DXA法による骨密度測定・骨代謝マーカー検査・X線検査を組み合わせた精密な骨粗しょう症診療を行っています。「背中が丸くなってきた」「身長が縮んだ気がする」など、小さな変化を感じている方は、ぜひ一度ご受診ください。早期発見・早期治療が、将来の骨折予防と健康寿命の延伸につながります。

骨折予防を意識したい方へ

骨密度検査や生活習慣の見直しを通して、将来的な骨折リスクへの対策をご提案しています。

ご家族に骨粗しょう症の方がいる場合の相談先を探している方にも向いています。

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著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛  

経歴

  • 平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局
  • 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事

資格

  • 医学博士
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 再生医療認定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本脊椎脊髄病学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本再生医療学会
   

投稿者:神保町整形外科

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