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五十肩のリハビリはいつから始める?症状の時期別にみる回復の流れと注意点

2026.03.13

「肩が上がらない」「夜中に痛みで目が覚める」・・・そんな五十肩の症状に悩まされていませんか? 五十肩は適切な時期に適切なリハビリを行うことで、回復を早めることができます。 しかし、誤った時期に無理な運動をすると、かえって症状を悪化させてしまうこともあるのです。神保町整形外科では、患者様一人ひとりの症状の時期を見極め、最適なリハビリテーションを提供しています。 この記事では、五十肩の回復過程を急性期・拘縮期・回復期の3つの段階に分け、それぞれの時期に適したリハビリ方法と注意点を詳しく解説します。

四十肩の症状チェック|当てはまったら知っておきたいサインとは

四十肩は肩の痛みや可動域の制限などの症状が現れることがあります。初期症状に気づかず放置すると日常生活に影響が出る場合もあります。本記事では、四十肩の代表的な症状やチェックポイント、早めに知っておきたいサインについてわかりやすく解説します。

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五十肩とは?基本的な病態を理解する

五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患です。 40歳から65歳に好発し、特に50歳頃に多く見られることから「五十肩」という通称で知られています。全人口の2~5%の方が一度は経験すると推定されており、決して珍しい病気ではありません。 肩関節を包む関節包という膜状の組織に炎症が起き、その後癒着が発生することで、肩の痛みと可動域制限が生じます。 五十肩の特徴は、段階的に症状が変化していくことです。 初期には強い痛みが中心ですが、時間の経過とともに痛みは軽減し、代わりに肩の動きが制限されるようになります。自然治癒することも多いですが、適切な診断と治療を受けることで、回復期間を短縮し、より良い結果を得ることができます。 糖尿病をお持ちの方は特に注意が必要です。糖尿病がある方では発症率が10~20%と、糖尿病がない方の4~10倍も高くなることが知られています。また、甲状腺機能低下症や脂質異常症などの疾患も五十肩の発症に関与することがあります。

五十肩の3つの時期と症状の変化

五十肩は時間の経過とともに症状が変化します。 この変化を理解し、適切なリハビリを行う上で非常に重要です。急性期(炎症期)、拘縮期(亜急性期)、回復期(慢性期)の3つの段階に分類されます。

急性期(炎症期):強い痛みが特徴の時期

発症初期の2週間から3ヶ月間は、急性期と呼ばれる時期です。 この時期の最大の特徴は、強い痛みです。最初は動かした時だけ痛む程度ですが、次第にじっとしていても痛むようになり、悪化すると夜間の自発痛で仰向けに眠れなくなることもあります。 痛みは肩の前面から上腕部の外側にかけて現れることが多く、ピーク時には不意の動きや外力による意図しない動きで、耐え難い痛みが数分間持続することもあります。 頭の後ろに手を回す動作や腰に手を回す動作で特に痛みが出やすく、服の着替えや洗髪などの日常動作にも支障をきたします。

拘縮期(亜急性期):肩の硬さが目立つ時期

急性期発症から1ヶ月から半年程度経過すると、拘縮期に移行します。 炎症症状が軽減され始め、自発痛や夜間時痛が減少してきます。悶絶するような疼痛は改善されますが、急な動きに対しては強い痛みが残りやすく、痛みもうずく感じで持続します。ただし、ゆっくりとした動きであれば疼痛が出にくい傾向にあります。 この時期の主な症状は、肩関節の可動域制限です。 痛くて挙がらないというよりは、うまく力が入らない、動かすのが怖くて挙がらないという状態になります。痛む場所も変化し、肩の前面よりは上腕の外側に痛みを感じるようになってきます。 突発的な痛みを回避するための防御的な過緊張がもたらす反応で、炎症の時期が長いほどその緊張は高くなり、その後の肩関節の硬さにもつながっていきます。

回復期(慢性期):徐々に改善する時期

回復期に入ると、肩の痛みは急激に低下します。 痛みが誘発されてもその時だけで、痛みが残ってしまうことは少なくなります。痛みの感覚も「伸ばされる痛み」が主体となり、不快な痛みというよりは、むしろ気持ちいい程度の痛みに感じることが多いです。 炎症反応により活動できなかった筋群も活躍できるため、いわゆる筋肉痛を起こすことから、痛みの上昇と改善を繰り返しながら、全体として痛みの改善に向かいます。 急性期、亜急性期が短く、慢性痛に移行しない場合は、可動域が1週おきに改善が見られ、日常生活動作の制限もこれに伴い解消されてきます。急性期、亜急性期の痛みの管理が上手くいかず、慢性痛に移行してしまった場合には、関節が硬くなり可動域の改善に時間を要するようになります。

時期別のリハビリテーション方法

五十肩のリハビリは、症状の時期に応じて適切な方法を選択することが重要です。 誤った時期に無理な運動をすると、炎症を悪化させたり、回復を遅らせたりする可能性があります。神保町整形外科では、医師及び理学療法士が患者様の状態を確認し、時期に応じて必要なリハビリを行っています。

急性期のリハビリ:安静と痛みの管理が最優先

急性期は炎症が強い時期です。 この時期のリハビリは、動きを改善していくというよりは、痛みを軽減していくことが目的となります。積極的な関節可動域訓練などは行わず、患部の安静を優先し、痛みを誘発する動作を抑制します。 愛護的なマッサージや自主訓練指導を中心に行い、肩や腕のポジショニングも指導します。 夜間痛がある場合は、腕のポジショニングで痛みを軽減できます。仰向け寝の場合は、肩から肘にかけて丸めたタオルや枕を敷き、身体の横に腕を置きましょう。肘を軽く曲げた状態でお腹の上に手を置く姿勢が推奨されます。横向き寝の場合は、お腹の上に腕を置き、肩も肘も軽く曲がるような姿勢をとりましょう。 バスタオルなどで肩関節を覆い保温することでも、痛みは緩和されます。 肩関節を動かされると痛みを強く感じる場合は、肩関節以外の首や腰、下肢の方からリハビリを行い、痛みの緩和を図ります。不良姿勢を修正する目的で肩関節以外のリハビリを行い、その結果として肩関節の痛みの緩和を図るのです。

拘縮期のリハビリ:可動域改善と筋力回復

拘縮期に入ると、痛みが軽減してきます。 この時期のリハビリは、肩関節周囲のマッサージ、関節可動域訓練、筋力訓練、腱板機能訓練を行います。関節可動域訓練では、積極的に可動域拡大を図り、筋力訓練、腱板機能訓練では、左右の肩甲骨の位置関係のバランスを整えることが目的です。 長い間関節が動かされないために、筋肉自体の収縮と弛緩の機能は低下し硬化しています。 筋肉自体の力が発揮できなくなっているため、筋力向上を図るよりも、筋肉を活性化させ、筋出力の改善を図ることが重要です。担当療法士の指導のもと、痛みの状況に応じてストレッチや体操を行い、動きの改善を図ります。 テーブル拭き運動(ワイピング運動、サンディング運動)などの自主訓練も効果的です。

回復期のリハビリ:積極的な運動で完全回復を目指す

回復期は、積極的に肩を動かす時期です。 ストレッチや筋力訓練、腱板機能訓練を中心に行います。痛みや筋機能の状態に配慮しながら、運動量や負荷量を増大させ、関節可動域の拡大を目指します。 この時期になると、高度な自主訓練も可能になります。 リハビリ時の運動だけでなく、日常生活上での自主トレーニングを行うことが回復を早めるため、自宅で出来る運動指導も積極的に行っていきます。カフエクササイズやスカプラエクササイズなど、肩周りの筋肉を以前の状態まで回復させていきます。 棒を使った体操やタオルを使った体操など、自宅でできるリハビリテーションを継続することで、より一層機能改善の効果をあげることができます。

自宅でできる五十肩のリハビリと注意点

早期回復のためには、自主訓練も重要です。 神保町整形外科では、患者様の状態に応じた自宅でできる運動を指導しています。ただし、治癒過程には個人差があるため、無理しない範囲で、あせらず根気よく行うことが大切です。

拘縮期・回復期におすすめの自主訓練

拘縮期及び回復期の方を対象とした自主訓練をご紹介します。 棒を使った体操は、両手で棒を持ち、痛くない範囲でゆっくりと腕を上げ下げする運動です。健側の手で患側の手を補助しながら行うことで、無理なく可動域を広げることができます。 タオルを使った体操は、タオルの両端を持ち、背中側で上下に動かす運動です。 肩の内旋・外旋の動きを改善するのに効果的です。痛みが強い場合は無理をせず、できる範囲で行いましょう。 振り子運動(コッドマン体操)は、テーブルなどに手をついて前かがみになり、患側の腕を脱力させて前後左右に振る運動です。重力を利用して肩関節周囲の筋肉をリラックスさせ、可動域を広げる効果があります。

リハビリを行う際の重要な注意点

痛みの強い炎症期の方は、積極的な運動は控えてください。 無理に動かすことで炎症が蔓延し、痛みが引かない場合や、痛みが強く動かせない場合などがあります。不動などにより拘縮が出現し始めるため、適切な時期まで待つことが重要です。 リハビリの頻度については、患者様の肩の状態によって異なりますが、週2回を目安としてお伝えしています。 リハビリ以外の日でも、担当療法士より指導された自主練習に励んで頂けると早期回復の一助となります。ただし、やりすぎは禁物です。痛みが増す場合は、運動量を減らすか、一時的に中止して医師に相談しましょう。 2、3ヶ月間経っても急性期のような症状が持続する時は、肩関節を取り囲む筋群自体に損傷が疑われ、精密な検査が必要になってくるケースもあります。肩が痛い原因の多くは五十肩ですが、腱板断裂という病気の可能性もあるため、注意が必要です。

神保町整形外科での五十肩治療とリハビリ

神保町整形外科では、五十肩の治療に力を入れています。 痛みの原因を丁寧に評価し、レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。五十肩だけでなく、腱板断裂などの他の疾患との鑑別も重要です。

症状に合わせた最適な治療の組み合わせ

当院では、症状に応じて最適な治療を組み合わせています。 飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法など、症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。筋肉の緊張緩和・姿勢改善・痛みを抑える治療を組み合わせた対応により、根本からの改善を目指しています。 理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい「動ける肩」を作っていきます。 肩だけでなく首・背中・肩甲骨まわりの筋肉の硬さも関わっているため、全体を見ながら治療を行います。生活動作・姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直すサポートも行い、痛みを繰り返さないよう支援します。

他院での手術後の痛みにも対応

他院での手術後の痛みや不安にも対応しています。 手術後の痛みが続く場合や、リハビリがうまく進まない場合など、お気軽にご相談ください。負担の少ない動作や筋力づくりなど、「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直し、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。

五十肩に関するよくある質問

五十肩について、患者様からよく寄せられる質問にお答えします。

五十肩は繰り返す可能性はありますか?

繰り返すことは、ほとんどありません。 一度リハビリテーションなどの治療を行い改善した人は、再発しても初期に気がつき、自己訓練を始めるので進行しないのではないかと考えられています。ただし、適切な治療を受けずに放置した場合は、症状が長引く可能性があります。

五十肩は左右両方なりやすいですか?

両側例も稀にありますが、ほとんどは片側例です。 利き腕よりも非利き腕に起こることがやや多いというデータがあります。ただし、片方が治った後に反対側が発症することはあります。

五十肩の治療をせずに放置した場合、どうなりますか?

自然治癒することもありますが、時間がかかります。 適切な治療を受けない場合、痛みの時期が長引き、可動域の制限をきたすと、日常生活の制限から解放されるまでに、急性増悪から2ヶ月間~1年間程度と回復の個人差が大きくなります。早期に適切な治療を受けることで、回復期間を短縮できます。

リハビリは週に何回必要ですか?

患者様の肩の状態によって必要なリハビリの頻度は異なります。 当院では週2回を目安としてお伝えしております。担当療法士より指導された自主練習に励んで頂けると早期回復の一助となります。

まとめ:五十肩のリハビリは時期に応じた適切な対応が重要

五十肩のリハビリは、症状の時期に応じた適切な対応が重要です。 急性期は安静と痛みの管理を最優先し、拘縮期は可動域改善と筋力回復を図り、回復期は積極的な運動で完全回復を目指します。誤った時期に無理な運動をすると、かえって症状を悪化させてしまうため、専門家の指導のもとで行うことが大切です。 神保町整形外科では、レントゲン・超音波検査を必要に応じて実施し、痛みの原因を丁寧に評価します。 飲み薬・湿布・ブロック注射・物理療法・理学療法士による運動療法を組み合わせた治療により、根本からの改善を目指しています。生活動作・姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直すサポートも行い、痛みを繰り返さないよう支援します。 「朝起きると肩が重い」「肩こりがひどくて仕事に集中できない」「肩が上がらなくて困っている」・・・こんな症状でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。 神保町整形外科は、痛みをやわらげるだけでなく、また動ける日常を取り戻すお手伝いをします。 小さな不調でもお気軽にお越しください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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