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立ち上がると腰が痛いのはなぜ?筋肉や関節の負担による原因と受診の目安

2026.04.23

「椅子から立ち上がる時に、腰がズキンと痛む」 「朝起きて立ち上がろうとすると、腰が固まっている感じがする」 こうした症状に悩まされている方は、決して少なくありません。立ち上がる動作は日常生活で何度も繰り返す動きですが、実はこの動作には腰への大きな負担がかかっています。痛みを我慢し続けていると、症状が悪化し、日常生活に支障をきたすこともあります。 この記事では、立ち上がる時に腰が痛む原因を医学的な観点から詳しく解説します。筋肉や関節にどのような負担がかかるのか、どのような病気が隠れている可能性があるのか、そして病院を受診すべきタイミングについてもお伝えします。

立ち上がる動作で腰にかかる負担のメカニズム

立ち上がる動作は、一見シンプルに見えますが、実は腰に大きな負荷がかかる複雑な動きです。 座った状態から立ち上がる際、腰椎(腰の骨)には体重の数倍もの圧力がかかります。特に前かがみの姿勢から立ち上がる時、腰椎の椎間板には非常に強い圧縮力が加わるのです。 立ち上がる動作では、腰を支える筋肉群が一斉に働きます。脊柱起立筋、腸腰筋、腹筋などのコアマッスルが協調して動くことで、体を安定させながら立ち上がることができます。しかし、これらの筋肉が疲労していたり、弱っていたりすると、腰への負担が増大し、痛みが生じやすくなります。 また、椎間板は座っている時に最も圧力がかかり、立ち上がる瞬間にはさらに負荷が増します。椎間板は衝撃を吸収するクッションの役割を果たしていますが、加齢や負担の蓄積により、その機能が低下することがあります。 腰痛は日本人の多くが悩まされる症状であり、加齢とともに発症頻度が増加します。60歳以上の人の半分以上に腰痛が起こるとされています。

筋肉の疲労と硬さ

長時間同じ姿勢を続けると、腰を支える筋肉が硬くなります。 デスクワークで長時間座り続けた後、立ち上がる時に腰が痛むのは、筋肉が硬直し、血流が悪くなっているためです。筋肉が硬くなると、柔軟性が失われ、立ち上がる動作で急激に筋肉が引き伸ばされることで痛みが生じます。 特に腸腰筋は、座っている時に縮んだ状態が続き、立ち上がる時に急激に伸ばされるため、痛みの原因となりやすい筋肉です。また、脊柱起立筋の疲労も、立ち上がる時の腰痛の大きな要因となります。

椎間板の問題

椎間板は、椎骨と椎骨の間にあるクッションの役割を果たす組織です。 椎間板は線維軟骨でできた丈夫な外層と、髄核という軟らかいゼリー状の中身から構成されています。加齢や繰り返しの負担により、椎間板の外層に小さな損傷が生じると、立ち上がる時に痛みを感じることがあります。 椎間板ヘルニアでは、髄核が外に飛び出し、神経を圧迫することがあります。この場合、立ち上がる時に腰から脚へと広がる放散痛が生じることがあります。脚の側面や後ろだけに痛みが生じるのが一般的で、足まで広がることもあれば、膝までで止まることもあります。

椎間関節の炎症

椎間関節は、椎骨同士をつなぐ関節です。 それぞれの椎骨には、椎間板の後ろに2つの関節があり、この関節は椎間関節と呼ばれます。1つの椎体の関節面がその下の椎体の関節面の上に乗り、関節を形成しています。 加齢や負担の蓄積により、椎間関節に炎症や変形が生じると、立ち上がる時に局所的な痛みを感じることがあります。この痛みは、腰の特定の領域だけに起こり、うずくような痛みが途切れなく続く場合もあれば、ときに鋭い痛みが間欠的に起こる場合もあります。

姿勢の乱れと骨盤の歪み

日常的な姿勢の癖が、腰痛の原因となることがあります。 猫背や反り腰などの不良姿勢は、腰椎のカーブを変化させ、特定の部位に過度な負担をかけます。また、骨盤の傾きや歪みも、立ち上がる時の腰への負荷を増大させる要因となります。 片側に体重をかける癖や、脚を組む習慣なども、骨盤の歪みを引き起こし、腰痛の原因となる可能性があります。

運動不足と筋力低下

運動不足は、腰痛の大きなリスク要因です。 腰を支えるコアマッスル(腹筋、背筋、殿部の筋肉など)が弱くなると、腰椎への負担が増大します。特に腹筋は、腹腔内の臓器を支えることで脊椎を安定させる重要な役割を果たしています。 筋力が低下すると、立ち上がる動作で腰椎や椎間板に過度な負荷がかかり、痛みが生じやすくなります。

こんな症状があれば要注意!受診を検討すべきサイン

立ち上がる時の腰痛の多くは、筋肉の疲労や一時的な炎症によるものですが、中には重大な病気が隠れている場合もあります。

すぐに受診すべき症状

以下の症状がある場合は、早めに整形外科を受診してください。
  • 立ち上がる時だけでなく、安静にしていても強い痛みが続く
  • 脚にしびれや筋力低下がある
  • 尿や便のコントロールが難しくなった
  • 発熱や体重減少を伴う腰痛
  • 転倒や事故の後に生じた腰痛
  • 夜間に痛みが強くなる
これらの症状は、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、感染症、腫瘍などの重大な病気の可能性を示唆します。特に尿失禁や便失禁がみられる場合は、神経の重度の圧迫が疑われるため、緊急の対応が必要です。

早めの受診が望ましい症状

以下のような症状がある場合も、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
  • 2週間以上、立ち上がる時の腰痛が続いている
  • 痛みが徐々に悪化している
  • 日常生活に支障が出ている
  • 市販の鎮痛薬を飲んでも痛みが改善しない
  • 過去にぎっくり腰を繰り返している
慢性的な腰痛は、筋肉のこわばり、姿勢のクセ、動かし方、さらにはストレスや運動不足も影響します。早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、生活の質を維持することができます。

神保町整形外科での腰痛治療の特徴

神保町整形外科では、立ち上がる時の腰痛に対して、包括的なアプローチで治療を行っています。

痛みの原因を丁寧に評価

まず、痛みの原因を正確に把握することが重要です。 レントゲンや超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。椎間板の状態、椎間関節の変形、筋肉の硬さなどを詳しく調べることで、一人ひとりに最適な治療方針を立てることができます。

症状に合わせた最適な治療

神保町整形外科では、以下のような治療を症状に応じて組み合わせます。
  • 飲み薬・・・炎症を抑え、痛みを和らげる
  • 湿布・・・局所的な炎症を抑える
  • ブロック注射・・・強い痛みに対して、神経の周囲に薬を注入し、痛みを軽減する
  • 物理療法・・・電気・温熱・超音波などで筋肉の緊張を緩和し、血流を改善する
  • 理学療法士による運動療法・・・筋力づくりや柔軟性の向上を図り、再発を防ぐ
無理のない治療を行い、患者さんの生活スタイルに合わせた治療計画を立てることを大切にしています。

生活動作・姿勢改善までサポート

痛みを繰り返さないためには、日常生活の見直しが不可欠です。 姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直し、腰への負担を減らす方法をアドバイスします。立ち上がる時の動作の工夫、椅子の高さの調整、デスクワーク時の姿勢など、具体的な改善策を提案します。 「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直すことで、根本的な改善を目指します。

立ち上がる時の腰痛を予防するための日常生活の工夫

正しい立ち上がり方を身につける

立ち上がる時の動作を少し工夫するだけで、腰への負担を大きく減らすことができます。 正しい立ち上がり方のポイント
  • 椅子に深く座り、足を床にしっかりつける
  • 上半身を少し前に傾け、重心を前に移動させる
  • 脚の力を使って立ち上がる(腰だけで立ち上がらない)
  • 急に立ち上がらず、ゆっくりとした動作を心がける
  • 必要に応じて、椅子の肘掛けや机に手をついて補助する
特に朝起きた時は、筋肉が硬くなっているため、ベッドの端に座って少し体を動かしてから立ち上がるようにしましょう。

座る姿勢を見直す

長時間座る姿勢は、腰への負担を増大させます。 椅子に座る時は、背もたれに腰をしっかりつけ、骨盤を立てた姿勢を保つことが大切です。足は床にしっかりつけ、膝と股関節が90度程度になる高さに調整しましょう。 デスクワーク中は、30分〜1時間ごとに立ち上がって軽く体を動かすことをお勧めします。これにより、筋肉の硬直を防ぎ、血流を改善することができます。

適度な運動で筋力を維持する

腰を支える筋肉を鍛えることは、腰痛予防に非常に効果的です。 お勧めの運動
  • ウォーキング・・・全身の筋肉をバランスよく使い、腰への負担が少ない
  • ストレッチ・・・腸腰筋、ハムストリングス、背筋などを柔軟に保つ
  • 体幹トレーニング・・・プランクなどで腹筋・背筋を強化する
  • 水中運動・・・浮力により腰への負担を減らしながら筋力をつける
ただし、痛みが強い時は無理に運動せず、まず医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。

体重管理とストレス対策

体重の増加は、腰への負担を増大させます。 適正体重を維持することで、立ち上がる時の腰への負荷を軽減できます。また、ストレスは筋肉の緊張を高め、腰痛を悪化させる要因となるため、十分な睡眠、リラックスできる時間の確保、趣味の時間などを大切にしましょう。

まとめ

立ち上がる時の腰痛は、筋肉の疲労、椎間板の問題、椎間関節の炎症、姿勢の乱れ、運動不足など、さまざまな原因によって引き起こされます。 多くの場合、適切な治療と生活習慣の改善により症状を軽減できますが、脚のしびれや筋力低下、尿や便のコントロール困難などの症状がある場合は、早急に医療機関を受診する必要があります。 神保町整形外科では、痛みの原因を丁寧に評価し、一人ひとりに最適な治療を提供しています。飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法、理学療法士による運動療法など、症状に応じた治療を組み合わせ、無理のない改善を目指します。 また、生活動作や姿勢の改善までサポートし、痛みを繰り返さない体づくりをお手伝いします。 立ち上がる時の腰痛でお悩みの方は、一人で我慢せず、お気軽にご相談ください。 痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを、全力でサポートいたします。

立ち上がる時の腰痛が気になる方へ

痛むタイミング、しびれの有無、仕事や家事でつらい動作を整理しておくと、診察時に状態を伝えやすくなります。

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著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛  

経歴

  • 平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局
  • 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事

資格

  • 医学博士
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 再生医療認定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本脊椎脊髄病学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本再生医療学会
 

投稿者:神保町整形外科

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