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体外衝撃波治療はどんな症状に使う?効果が期待されるケースと検討の目安

2026.04.24

慢性的な痛みに悩まされている方にとって、体外衝撃波治療は新しい選択肢として注目を集めています。 手術や注射といった侵襲的な治療の前段階として、また保存療法で改善が見られなかった症状に対して、効果が期待される治療法です。 本記事では、体外衝撃波治療がどのような症状に適応されるのか、どんなケースで検討すべきかについて詳しく解説します。

体外衝撃波治療とは?基本的な仕組みと特徴

体外衝撃波治療は、体外から圧力波を照射する治療法です。 圧力波の物理的刺激が組織に働きかけることで、生体反応を引き出す可能性があるとされています。欧米を中心に普及が進んでおり、慢性的な痛みの緩和や組織の修復を促すことが期待されている治療法として、整形外科領域での応用が広がってきています。

もともと腎臓結石を破砕する治療に利用されてきた信頼度の高い技術が、整形外科分野にも応用されるようになりました。

非侵襲的な治療法としてのメリット

皮膚を切開せず、体外から照射する非侵襲的な治療法であることが大きな特徴です。 注射や手術といった選択肢の前段階として注目されることがあります。治療中に軽度の痛みや不快感を生じる方もいらっしゃいますが、注射や外科的治療に比べると比較的軽度であるとされています。 短時間で治療が完了し、身体への負担が少ないため、日常生活への影響を最小限に抑えられる可能性があります。

治療効果の現れ方には個人差がある

治療直後から変化を感じる方もいれば、数週間から数か月かけて徐々に改善が見られるケースもあります。 ただし、すべての方に効果が見られるわけではなく、効果の現れ方には個人差があることを理解しておく必要があります。

体外衝撃波治療が効果を期待できる主な症状

体外衝撃波治療は、さまざまな運動器疾患に対して適応が検討されます。 国際整形外科体外衝撃波学会(ISMST)で適応疾患として認められており、半数以上の方に効果があるとされています。以下、代表的な症状について詳しく見ていきましょう。

上肢の慢性疼痛疾患

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)は、体外衝撃波治療の代表的な適応症状です。 肘の外側や内側に痛みが生じるこれらの疾患は、繰り返しの動作によって腱に負担がかかることで発症します。保存療法で改善が見られない場合、体外衝撃波治療が選択肢となることがあります。 肩周囲では、石灰沈着性腱板炎肩インピンジメント症候群腱板炎などが対象となります。肩の痛みで日常生活に支障をきたしている方にとって、検討する価値のある治療法と言えるでしょう。

下肢のスポーツ障害と慢性疼痛

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)は、ジャンプ動作を繰り返すスポーツ選手に多く見られる症状です。 膝のお皿の下に痛みが生じ、競技復帰が困難になることもあります。体外衝撃波治療は、このような慢性的な腱の痛みに対して効果が期待される治療法として注目されています。

成長期のお子さんに見られるオスグッド・シュラッター病も対象となることがあります。脛骨粗面に痛みが生じるこの疾患は、成長期特有の骨端症の一つです。弱い照射では骨端線にほとんど影響を及ぼさないため、骨端症に対しても有効とされています。 脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)は、ランニングなどの繰り返し動作によってすねの内側に痛みが生じる症状です。スポーツ活動を継続しながら治療を進めたい方にとって、体外衝撃波治療は有用な選択肢となる可能性があります。

足部の難治性疼痛疾患

足底腱膜炎は、体外衝撃波治療の適応として最もよく知られている疾患の一つです。 日本国内では、難治性足底腱膜炎に対してのみ保険適応が認められています。医療機関にて診断後、保存加療を行い6か月以上経過したものが対象となります。朝起きた時の一歩目や、長時間立っていた後に足の裏に痛みが生じる方は、この疾患の可能性があります。 アキレス腱炎アキレス腱付着部炎も、体外衝撃波治療の対象となる症状です。かかとの後ろ側に痛みが生じ、歩行や運動時に支障をきたすことがあります。

その他の適応症状

大転子疼痛症候群は、股関節の外側に痛みが生じる疾患です。 横向きで寝る際に痛みを感じたり、階段の昇降時に不快感を覚えたりする方が多く見られます。また、筋コンディショニング目的での使用も検討されることがあります。 骨の修復機能異常に対しても効果が期待されています。疲労骨折骨折の遷延治癒(骨折後治療を行っているが一定期間が経過しても治らない状態)、早期の離断性骨軟骨炎偽関節などが対象となります。集束型体外衝撃波は、その高いエネルギー出力で骨細胞を刺激し、骨折部の骨癒合を促進する効果があるとされています。

体外衝撃波治療を検討すべきタイミング

では、どのようなタイミングで体外衝撃波治療を検討すべきなのでしょうか?

保存療法で改善が見られない場合

内服薬、湿布、インソールなどの保存療法を6か月以上行っても痛みが改善しない方は、体外衝撃波治療の検討対象となります。 慢性的な痛みが続くことで、日常生活やスポーツ活動に支障をきたしている場合、新たな治療選択肢として考える価値があるでしょう。

手術を勧められたが今すぐできない・したくない場合

手術を勧められたものの、仕事の都合や個人的な事情で今すぐ手術を受けることが難しい方もいらっしゃいます。 また、できれば手術を避けたいと考える方も少なくありません。そのような場合、体外衝撃波治療は手術の前段階として検討できる選択肢となります。

早期復帰を目指すアスリートの場合

スポーツ選手にとって、競技復帰までの期間は非常に重要です。 欧米ではスポーツ選手を中心に低侵襲で安全かつ有効な治療として利用されるようになりました。早期の骨折治癒を促進したい場合や、シーズンオフに軽微な損傷の再生を促したい場合などに、体外衝撃波治療が選択されることがあります。

体外衝撃波治療の効果メカニズム

体外衝撃波治療がどのように痛みを軽減するのか、そのメカニズムについて理解しておくことは重要です。

短期的な除痛効果

体外衝撃波治療には、即時的な除痛効果があるとされています。 痛みの原因となる自由神経終末を破壊・減少させることで、その場で痛みが和らぐ可能性があります。痛みを感知する神経末端の働きを弱くすることで、痛みの伝達が抑制されると考えられています。 また、痛みに関わる神経内の伝達物質を減少させ、神経中枢への痛みの伝導を抑制する効果も報告されています。

長期的な組織修復効果

体外衝撃波治療の長期的な効果として、組織修復作用が挙げられます。 患部の血流改善効果および血管新生を促進する成長因子の産生が起こり、組織修復が促進されると考えられています。新しい血管を作ったり、コラーゲンを生み出すことを促す効果によって、腱が骨に付着している部分の血管の新生と組織の修復を誘導する効果があるとされています。 2〜3回の体外衝撃波治療を繰り返すことで、これらの効果が確認されています。

治療の流れと実際の施術内容

体外衝撃波治療がどのように行われるのか、具体的な流れを見ていきましょう。

診察と適応判断

まず外来を受診していただき、診察・検査を行います。 体外衝撃波治療の適応があると診断した場合、次回処置の予約をお取りいただきます。治療の適応や効果は症状や体質により異なるため、医師の判断のもと行われます。

治療当日の流れ

治療時間は約15分程度です。 患者さんは座位または診察台に横たわる姿勢で治療を受けるため、体への負担はほとんどありません。圧痛点や超音波検査で患部を特定してから治療を行います。

低レベルの照射から開始し、反応を見ながら徐々に出力を上げていきます。目的とするショット数に達したら終了です。治療中は痛みを伴いますが、患者さんが我慢できる範囲内の出力で治療を行います。

治療回数と間隔

一定期間(1〜2週間)をおいて、通常複数回の照射を行うことが多いです。 3回の照射で1クールを基本としていますが、十分な治療効果が得られれば2回以下の照射で終了することも可能です。治療効果判定を行い、必要に応じて次回の予約を取ります。

安全性と副作用について

治療を検討する際、安全性は非常に重要な要素です。

重篤な副作用は非常に少ない

欧米をはじめとした導入実績の中では、重篤な副作用の報告は非常に少ないとされています。 基本的には安全かつ低侵襲が特徴の治療法です。治療した直後から除痛効果を実感できる場合が多く、副作用の事例がほとんどありません。

一時的に生じる可能性のある症状

一時的に以下のような症状がみられることがあります。
  • 鈍痛、筋肉痛
  • 腫れや赤み
  • 軽度の皮下出血
  • 治療中や治療後の痛み
  • 発赤
  • 湿疹
  • 感覚異常などの神経障害
これらは通常、時間とともに軽快する一過性の反応であることが多いとされています。基本的にはどれも数時間から数日で治まりますが、気になるようでしたらご相談ください。

神保町整形外科での体外衝撃波治療

当院では、スイスEMS社製のSwiss DolorClast SYSTEM RADIALを使用しております。 医療機関向けに設計された装置で、世界的にも使用実績のある拡散型圧力波治療装置の一つです。拡散型体外衝撃波は、患部が浅いもしくは広範囲の場合に適しており、慢性腰痛など筋・筋膜疼痛症候群やタイトネス(筋肉の柔軟性不良)の改善、筋膜リリース効果、関節拘縮などに有効とされています。

料金体系について

当院では保険診療ではなく全例自費診療となります。
  • 初回お試し:1,500円
  • 通常:3,000円
一般的な拡散型体外衝撃波治療が約15,000円程度であることを考えると、比較的リーズナブルな料金設定となっています。集束型体外衝撃波治療(難治性足底筋膜炎のみ保険適応)の場合は3割負担で15,000円程度です。

通いやすい立地環境

神保町駅から徒歩2分の立地にあり、お仕事帰りのビジネスマンの方も無理なく通院していただけます。 治療やリハビリの選択肢を豊富に取り揃え、幅広い病気・外傷に対応できるオールマイティな診療が当院の強みです。診療のゴールは、ただ病気や機能を改善するだけでなく、Quality of life(QOL:人生の質)を向上させることにあります。

まとめ:慢性的な痛みでお悩みの方へ

体外衝撃波治療は、慢性的な運動器疾患に対する新しい治療選択肢として注目されています。 足底腱膜炎、テニス肘、ジャンパー膝、アキレス腱炎など、さまざまな症状に対して効果が期待されており、保存療法で改善が見られなかった方や、手術を避けたい方にとって検討する価値のある治療法です。 非侵襲的で身体への負担が少なく、短時間で治療が完了するという特徴があります。ただし、効果の現れ方には個人差があり、すべての方に効果が見られるわけではないことを理解しておく必要があります。 慢性的な痛みで悩まれている方、痛みの治療で悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。 詳しい治療内容や料金については、神保町整形外科 体外衝撃波治療のページをご覧ください。

慢性的な痛みでお悩みの方へ

体外衝撃波治療の適応は、痛みの部位や期間、これまでの治療歴によって変わります。初診時は症状の経過を整理しておくと相談しやすくなります。

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次の一歩

体外衝撃波治療を検討する際は、痛みの原因を確認することが大切です。まずは適応を相談してみましょう。

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著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛  

経歴

  • 平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局
  • 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事

資格

  • 医学博士
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 再生医療認定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本脊椎脊髄病学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本再生医療学会
   

投稿者:神保町整形外科

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