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首の付け根が痛い原因とは?よくある疾患の特徴と受診を考えるサイン

2026.03.16

「朝起きたら首の付け根が重くて動かしにくい」「デスクワークが続くと首から肩にかけて痛みが広がる」・・・こうした症状に悩まされていませんか? 首の付け根の痛みは、多くの方が経験する症状です。 単なる筋肉の疲れと思いがちですが、実は姿勢の乱れや神経の圧迫、さらには頚椎の変性など、さまざまな原因が隠れています。 本記事では、首の付け根に限定して痛みの原因を詳しく解説します。前後左右の比較ではなく、付け根特有の筋緊張や頚椎症などに焦点を当て、痛みの特徴や受診を考える目安を具体的に整理します。

首の付け根が痛む主な原因

首の付け根が痛む原因は、大きく分けて4つのカテゴリーに分類されます。 それぞれの原因によって症状の現れ方や対処法が異なるため、まずは自分の痛みがどのタイプに当てはまるかを見極めることが大切です。

姿勢の悪さによる筋肉への負担

首の付け根が痛む原因として最も多いのが、**姿勢の悪さ**です。 猫背になると骨盤が後方に傾き、バランスを取ろうと頭の位置が前方へスライドします。頭の位置が前方へスライドすると周辺の筋肉に負担がかかり、首の違和感やこわばりを生じやすくなります。 デスクワークをする姿勢が悪い方に首の違和感やこわばりが多く見られるのも、長時間の座位で姿勢が悪くなる傾向にあるためです。首の筋緊張はやがて血管を圧迫して痛み物質が生成されます。 最初は筋肉痛のような痛みを感じる程度ですが、血行不良が続くと痛みが慢性化する傾向にあります。

骨格のゆがみ(ストレートネック)

**ストレートネック**も首の付け根が痛む大きな原因です。 パソコンやスマホの見過ぎにより、本来緩やかなカーブを描いている頚椎のアーチ構造が損なわれると、首の筋肉へと大きな負担がかかります。 筋緊張により頚椎がまっすぐに見えているだけであれば、筋緊張の緩和によりストレートネックを改善できる可能性があります。しかし、長期間に渡ってストレートネックの状態が続くと、骨自体が変形して元に戻すことが困難となるため注意が必要です。 頭の重さは約4〜6kgあり、うつむいた姿勢を長時間続けるとこのカーブが失われ、首がまっすぐになってしまいます。結果、頭の重さが一点に集中し、首や肩の筋肉が常に緊張して血行も悪くなります。

加齢による椎間板の変性

**加齢**も首の付け根が痛む原因の一つです。 椎骨(首の骨)と椎骨の間でクッションの働きをする椎間板は、加齢によって水分が減少しやすくなることが分かっています。椎間板の水分が減少すると首の骨にかかる衝撃をうまく緩和できなくなり、結果的に痛みが生じやすくなります。 40代以降に発症するケースが多いですが、スマートフォンの普及で頚椎への負担が増したことで、20代で発症する方が増えています。

病気による痛み

何らかの病気が原因で首の骨や組織に異常をきたすと、急激な痛みが首に生じる可能性があります。 特に神経が圧迫される疾患では、首の付け根だけでなく肩甲骨まわり、腕、指先にまで痛みやしびれが広がるのが特徴です。「ボタンがかけにくい」「箸が使いにくい」といった細かい動作の障害も注意サインです。

首の付け根の痛みを伴う代表的な疾患

首の付け根の痛みには、さまざまな疾患が関係しています。

首こり・肩こり(頚性神経筋症候群)

首の痛みを伴う症状としてよく知られているのが**首こり・肩こり**です。 首すじや首の付け根から肩・背中にかけての張りやこり、痛みなどの不快感が主な症状ですが、場合によっては頭痛や吐き気を引き起こす可能性があります。 首から肩、背中にかけて筋肉がつながっているため、肩の緊張が首の痛みにもつながるのです。筋肉の緊張が起こる主な理由は、同じ姿勢や運動不足による血流悪化と、精神的ストレスによる自律神経の乱れです。 特にストレスや睡眠不足、不規則な生活は緊張を強める要因です。

寝違え(急性疼痛性頸部拘縮)

**寝違え**も首の痛みを伴う症状の一つで、起床時に首から肩にかけての痛みを生じる点が特徴です。 通常は右だけ、もしくは左だけに症状が見られ、顔を動かしたときに痛みを生じるケースもあれば、何もしなくてもズキズキと痛むケースもあります。 医学的には急性疼痛性頸部拘縮と呼ばれており、多くは睡眠不足や寝るときの姿勢など日常の生活習慣が原因となって起こります。寝違えた場合は無理に首を動かそうとせず、氷などで冷やしながら安静にすることが大事です。

頚椎症性神経根症

**頚椎症性神経根症**は、頚椎の椎間板や椎骨が変形し、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の突起などが形成されることで、神経の通り道が狭くなり、神経根が圧迫されて起こります。 中年以降に多く見られ、首の痛みとともに、肩から腕、指先にかけてのしびれや痛みが生じます。特定の方向に首を傾けたり、反らしたりすることで症状が悪化することがあります。 筋力低下を伴うこともあります。治療は、薬物療法、装具療法、リハビリテーションなどが行われ、症状が改善しない場合、患者さんが希望される場合は手術が検討されます。

頚椎椎間板ヘルニア

**頚椎椎間板ヘルニア**は、頚椎の骨と骨の間にある椎間板という軟らかい組織が変性、一部が飛び出して神経を圧迫する疾患です。 首の痛みだけでなく、肩から腕、指先にかけての痛みやしびれ、脱力感などを伴うことがあります。咳やくしゃみ、首を動かすことで症状が悪化することも特徴です。 飛び出したヘルニアの部位や大きさによって、しびれる場所や症状の程度は異なります。日常生活に支障をきたす場合は、装具療法や神経ブロック注射、手術などの治療が必要となることがあります。

頚椎症性脊髄症

**頚椎症性脊髄症**は、頚椎の変形や椎間板の突出などにより、脊髄そのものが圧迫される疾患です。 神経根症よりも重篤な症状を引き起こす可能性があり、手足のしびれだけでなく、歩行障害、尿・便の障害などが現れることがあります。ボタンかけ、箸使いが不器用になるなどが見られることもあります。 進行すると日常生活に大きな支障をきたすため、的確な診断と適切な治療、リハビリテーションが重要となります。

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受診を考えるべき危険なサイン

首の付け根の痛みの多くは筋肉の緊張や疲労が原因ですが、中には重篤な病気が隠れている場合もあります。 以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診してください。

腕や手のしびれ・筋力低下

首の付け根の痛みに加えて、**腕や手にしびれや力の入りにくさ**がある場合は、首の神経が圧迫されている可能性があります。 「ボタンがかけにくい」「箸が使いにくい」といった細かい動作の障害も注意サインです。神経圧迫が進行すると、日常生活に大きな支障をきたすため、早期の診断と治療が重要です。

歩行障害や排尿・排便障害

**歩行障害や排尿・排便障害**が現れた場合は、脊髄が圧迫されている可能性があります。 頚椎症性脊髄症や後縦靭帯骨化症などの疾患では、こうした症状が見られることがあります。進行すると日常生活に大きな支障をきたすため、速やかに整形外科を受診することが必要です。

痛みが1週間以上続く場合

首の痛みが**1週間以上続く**場合は、単なる筋肉疲労ではなく、何らかの疾患が関係している可能性があります。 特に痛みが徐々に強くなる、範囲が広がるといった場合は注意が必要です。手足の麻痺や力が入らない場合など、通常の生活が困難な場合は、整形外科専門医にご相談ください。

発熱や頭痛を伴う場合

首の痛みに**発熱や頭痛**を伴う場合は、感染症や炎症性疾患の可能性があります。 特に高熱や激しい頭痛がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。また、首のリンパ節が腫れている場合も、感染症や他の疾患が隠れている可能性があるため注意が必要です。

自宅でできる首の付け根の痛み対策

首の付け根の痛みが軽度で、日常生活に大きな支障がない場合は、自宅でのセルフケアが有効です。 ここでは、症状別の応急処置や予防法を紹介します。

温める・冷やすの使い分け

**慢性的な肩や首のこり、張り**などについては、血行を改善するために温めるのが良いとされています。 蒸しタオルなどを使って、患部を温めてください。お風呂で身体全体を温めるのも有効です。一方で、打撲、捻挫、寝違えといった急性の痛みについては、炎症を抑えるために冷やします。 冷やしタオル、氷嚢などを使うと良いでしょう。

正しい姿勢とストレッチ

**正しい姿勢**は、首や肩まわりの血行を促進してくれます。 特に、スマートフォンを使う時にはできるだけ顔の高さに掲げて使うなどし、首や背中が丸まらないようにしましょう。慢性の肩こり、首のこりなどについては、ストレッチをして柔軟性を取り戻し、少しずつ痛みを改善することが可能です。 首や肩の筋肉を伸ばすストレッチを毎日、継続しましょう。予防にも有効です。ただし、痛みが強い場合には、ストレッチが逆効果になるおそれがあります。

枕の選び方と睡眠姿勢

**枕の高さ**も首の付け根の痛みに影響します。 枕が高すぎる、または低すぎて首が安定しない場合、首の付け根に負担がかかります。自分の体格や寝姿勢に合った枕を選ぶことで、首の負担を軽減できます。 また、寝るときの姿勢も重要です。横向きで寝る場合は、首と背骨が一直線になるように枕の高さを調整しましょう。

市販の湿布・鎮痛薬の活用

薬局やドラッグストアで売られている痛み止め、炎症を鎮める塗り薬、貼り薬も対症療法として有効です。 ただし、根本的な解決にはならないこともあるため、痛みが続く場合、たびたび痛みが出る場合には医療機関を受診するようにしましょう。

神保町整形外科で行う首の付け根の痛み治療

神保町整形外科では、首の付け根の痛みに対して、原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を提供しています。

痛みの原因を丁寧に評価

**レントゲン・超音波検査**を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 首の付け根の痛みは、肩関節由来の痛みの時もあり、整形外科専門医以外では判断が難しい場所の一つです。当院では、痛みの原因をしっかり調べ、一人ひとりの生活に合わせて「無理なく改善できる治療」をご提案しています。

症状に合わせた最適な治療

**飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法**を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 痛みを抑える治療に加えて、負担の少ない動作や筋力づくりなど、「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直していきます。必要な場合は、理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい「動ける身体」をつくっていきます。 エントランス

生活動作・姿勢改善までサポート

痛みを繰り返さないよう、**姿勢・座り方・生活の癖**を一緒に見直します。 「なぜ痛くなるのか」をわかりやすく説明し、再発を防ぐためのコツもお伝えします。神保町整形外科は、痛みをやわらげるだけでなく、「また動ける日常」を取り戻すお手伝いをします。

まとめ

首の付け根の痛みは、姿勢の悪さや筋肉の緊張、加齢による椎間板の変性、さらには頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなど、さまざまな原因が考えられます。 多くの場合は筋肉疲労が原因ですが、腕や手のしびれ、歩行障害、排尿・排便障害などが見られる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。 自宅でのセルフケアとしては、温める・冷やすの使い分け、正しい姿勢とストレッチ、枕の選び方、市販の湿布・鎮痛薬の活用などが有効です。 神保町整形外科では、痛みの原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を提供しています。痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直し、「また動ける日常」を取り戻すお手伝いをします。 首の付け根の痛みでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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