ブログ

腰を曲げると痛いのはなぜ?前かがみで起こる腰痛の原因とは

2026.01.26

前かがみで腰が痛む…その理由を知っていますか?

朝の洗顔時、靴下を履くとき、床にあるものを取るとき・・・ 前かがみになると腰に痛みを感じる方は少なくありません。 デスクワークや長時間の運転、重いものを持つ作業など、日常的に腰に負担がかかる動作は多く存在します。 実は前かがみの姿勢は、立っている時と比べて腰への負担が大きく増加するため、腰痛を引き起こしやすいのです。 この痛みの背景には、筋肉の疲労や椎間板への負担、神経の圧迫など、さまざまな原因が隠れています。 適切な対処をしないと、日常生活に支障をきたすだけでなく、症状が悪化して慢性的な腰痛に悩まされる可能性もあります。 この記事では、前かがみで腰が痛くなる原因とメカニズム、そして効果的な対処法について、整形外科の専門的な視点から詳しく解説します。

前かがみで腰が痛くなるメカニズム

前かがみになると、なぜ腰に痛みが生じるのでしょうか? その理由は、腰椎と腰椎の間にある「椎間板」への負担増加と、腰の筋肉・筋膜が過剰に伸ばされることにあります。

椎間板への負担が増加する理由

椎間板は背骨と背骨の間にあるクッションのような役割を果たしています。 立っている時と座っている時を比較すると、座っている方が椎間板に1.4倍もの負担がかかることが知られています。 さらに、前傾姿勢で荷物を持つと2倍以上の負担が椎間板にかかるため、デスクワークの方や運送業など荷物をよく前傾姿勢で持つ方は椎間板に負担がかかり、腰痛になりやすいのです。 前かがみになると、椎間板が後方に押し出されるような力が加わり、椎間板内部の圧力が高まります。 この状態が繰り返されると、椎間板の一部が突出して神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こすことがあります。

筋肉・筋膜への負担

前かがみの姿勢では、腰の筋肉や筋膜が常に伸ばされた状態になります。 特に背骨が丸まった状態で生活していると、背中の筋肉が常に伸ばされているため負担がかかり続けます。 柔らかいソファーや床に座ると背中が丸まりやすいため、注意が必要です。 筋肉が緊張し続けると血液循環が悪くなり、筋肉がさらに緊張するという悪循環に陥ります。 この状態が続くと、筋肉や筋膜に炎症が起こり、痛みを引き起こすのです。

前かがみで腰が痛む主な原因疾患

前かがみで腰が痛む場合、いくつかの代表的な疾患が考えられます。 それぞれの疾患には特徴的な症状があり、適切な診断と治療が必要です。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、椎間板の一部が後方に飛び出し、神経を圧迫することで起こる病気です。 加齢やスポーツ、仕事などで腰部に負担がかかると、椎間板の一部が突出し、神経を圧迫するため、お尻や足にしびれや痛みが生じます。 前かがみになると、飛び出した椎間板が神経を圧迫しやすくなるため、症状が悪化することが特徴です。 重いものを持ち上げたり、くしゃみなどで急に動いたりすることがきっかけで、強い痛みが生じる場合も多くあります。 お尻から太ももの後ろやふくらはぎにかけて、痛みやしびれがある坐骨神経痛を伴う場合もあります。

筋・筋膜性腰痛

筋・筋膜性腰痛は、腰の筋肉や筋膜が緊張したり、炎症を起こしたりすることで生じる病気です。 デスクワークや運転など、同じ姿勢を長時間続けることで、筋肉が硬くなり、血行が悪くなることが主な原因です。 前かがみになると、腰の筋肉が伸ばされ、緊張が高まるため、痛みが強くなることがあります。 冷えや疲労、ストレスなども筋・筋膜性腰痛を悪化させる要因となるため、日常生活でも注意が必要です。

仙腸関節障害

仙腸関節障害は、骨盤にある仙腸関節の炎症や機能障害が原因で腰痛が起こる病気です。 出産後の女性やスポーツ選手に多く見られます。 前かがみになると仙腸関節に負担がかかり、痛みが強くなることがあります。 長時間立っていたり、歩いたり、階段を上り下りしたりするときにも痛みが出ることがあります。

前かがみ腰痛が起こりやすい日常動作

前かがみで腰痛が出る方は、日常生活の中で特定の動作で痛みを訴えることが多くあります。

洗顔などで前かがみになる時

朝の洗顔時は、多くの方が前かがみの姿勢を取ります。 洗面台の高さが低い場合、より深く前かがみになる必要があり、腰への負担が増加します。 この動作を毎日繰り返すことで、腰痛が慢性化することもあります。

長時間座っている時

デスクワークなどで長時間座っていると、椎間板への負担が持続的にかかります。 特に背もたれにもたれず前かがみの姿勢で作業を続けると、腰への負担はさらに増加します。 座っている時は立っている時の1.4倍の負担が椎間板にかかるため、定期的な姿勢の変更が重要です。

床に置いてあるものを取る時

床にあるものを取る動作は、日常生活で頻繁に行われます。 膝を曲げずに腰だけを曲げて取ろうとすると、腰への負担が非常に大きくなります。 重いものを持ち上げる場合は、さらに負担が増加し、ぎっくり腰の原因にもなります。

くしゃみや咳をした時

くしゃみや咳をする瞬間、腹圧が急激に上昇します。 この時、前かがみの姿勢だと椎間板への圧力がさらに高まり、強い痛みが生じることがあります。 特に椎間板ヘルニアがある方は、くしゃみや咳で症状が悪化することが多くあります。

台所で家事をしている時

料理や洗い物など、台所での作業は前かがみの姿勢が続きやすい環境です。 調理台の高さが合っていない場合、より深く前かがみになる必要があり、腰への負担が増加します。 長時間の立ち仕事と前かがみ姿勢の組み合わせは、腰痛を引き起こしやすい条件となります。

前かがみ腰痛の診断と検査

腰痛の原因を正確に診断するためには、適切な検査が必要です。 神保町整形外科では、患者さまの症状に応じて必要な検査を行い、痛みの原因を丁寧に評価しています。

問診と身体診察

まず、いつから痛みが始まったのか、どのような動作で痛みが出るのか、痛みの場所や性質などを詳しくお伺いします。 身体診察では、下肢の筋力低下の有無、知覚障害の有無、腱反射の確認などを行います。 姿勢の確認や柔軟性の確認、筋力低下の確認なども丁寧に行っていきます。

レントゲン検査

レントゲン検査では、腰椎の側弯やすべり症などの形態的な異常がないか、骨折の有無、椎間板の狭小化の有無を評価します。 必要に応じて立位全脊椎撮影を追加し、身体の動きによる腰椎の不安定性の有無も評価します。

超音波検査

超音波検査は、筋肉や腱、靭帯などの軟部組織の状態を評価するのに有効です。 炎症の有無や筋肉の損傷などを確認することができます。 神保町整形外科では、必要に応じて超音波検査を実施し、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握しています。 イトーUST‐770(超音波治療器)

神保町整形外科での治療アプローチ

前かがみで起こる腰痛に対して、神保町整形外科では症状に合わせた最適な治療を組み合わせて行っています。

痛みを抑える治療

急性期の強い痛みに対しては、まず痛みを軽減することが重要です。 飲み薬や湿布などの外用薬を使用し、炎症を抑えます。 症状が強い場合は、ブロック注射により直接的に痛みを和らげることも可能です。 神経障害性疼痛に対する鎮痛薬や、神経周囲の血流障害を改善するための血管拡張剤なども、症状に応じて使用します。

物理療法

電気治療、温熱療法、超音波治療などの物理療法を症状に応じて組み合わせます。 これらの治療は、筋肉の緊張を緩和し、血液循環を改善する効果があります。 痛みの軽減だけでなく、組織の修復を促進する効果も期待できます。

理学療法士による運動療法

神保町整形外科では、理学療法士が一人ひとりの状態に合わせて、オーダーメイドのリハビリプログラムを作成します。 同じ腰痛でも、痛くなっている原因は一人ひとり異なるため、担当理学療法士が丁寧に評価を行います。 例えば、背骨が丸くなっている方の場合、なぜ背骨が丸くなっているのか(柔軟性が低下しているのか、背筋が弱くなっているのかなど)の原因を探し、ストレッチや筋力トレーニングを行っていきます。 前屈で痛くなる方は、お尻や太もも後ろの筋肉が硬かったり、骨盤が丸まったりしている方が多いため、これらの改善に焦点を当てた運動療法を行います。

姿勢改善と生活指導

エントランス
痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 負担の少ない動作や筋力づくりなど、「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に考え、根本からの改善を目指します。 デスクワークの方には適切な椅子の高さや座り方、パソコンの位置などをアドバイスします。 日常生活で気をつけることなどもお伝えし、再発予防をサポートします。

自宅でできる前かがみ腰痛の対処法

日常生活の中で、腰への負担を減らす工夫をすることが大切です。

正しい姿勢を意識する

座る時は、背もたれに背中をつけ、骨盤を立てるように意識します。 長時間同じ姿勢を続けないよう、30分に一度は立ち上がって軽く体を動かすことをおすすめします。 柔らかいソファーや床に座ると背中が丸まりやすいため、椅子に座る方が腰への負担は少なくなります。

床のものを取る時の工夫

床にあるものを取る時は、腰だけを曲げるのではなく、膝を曲げてしゃがむようにします。 重いものを持ち上げる時は、できるだけ体に近づけて持ち、膝の力を使って立ち上がります。 前傾姿勢で荷物を持つと2倍以上の負担が椎間板にかかるため、正しい持ち方を意識することが重要です。

ストレッチで柔軟性を保つ

お尻や太ももの後ろの筋肉が硬くなっていると、腰痛を引き起こす可能性が高くなります。 これらの筋肉を柔らかく保つためのストレッチを日常的に行うことが効果的です。 ただし、痛みが強い時に無理にストレッチを行うと症状が悪化することがあるため、痛みの程度に応じて調整することが大切です。

適度な運動習慣

運動不足や加齢により筋力が低下すると、筋疲労が起こりやすくなり、腰への負荷が大きく加わります。 ウォーキングや水中運動など、腰に負担の少ない運動を継続的に行うことで、筋力を維持することができます。 慢性腰痛には運動が大事だと言われており、適切な運動習慣が腰痛予防につながります。

こんな症状があればすぐに受診を

腰痛の中には、早急な医療機関の受診が必要な場合があります。 以下のような症状がある場合は、すぐに整形外科を受診してください。

足のしびれや筋力低下がある

足にしびれが出たり、力が入りづらくなったりする場合は、神経の圧迫が進行している可能性があります。 腰椎椎間板ヘルニアなどの疾患が考えられ、早期の治療が必要です。 しびれや痛み、脱力感があり歩行が困難な時は、すぐに受診しましょう。

排尿・排便に異常がある

お手洗いの頻度が急激に増えたり、減ったりしている場合や、肛門周囲の感覚異常がある場合は、緊急を要することがあります。 馬尾型の脊柱管狭窄症では、膀胱直腸障害と言われる排尿障害や排便障害を認めることがあります。 これらの症状がある場合は、早期の受診が非常に重要です。

安静にしても痛みが続く

何もしてなくても痛い、安静にしても症状が落ち着かない場合は、内臓疾患の可能性も考えられます。 筋肉の張りが原因で起こる腰痛であれば、1~2週間程度で痛みが落ち着いてきます。 しかし、時間が経過しても痛みが良くならない、または、どんどん悪化している場合は、筋肉の痛みではない可能性があります。

まとめ:前かがみ腰痛は適切な対処で改善できます

前かがみで腰が痛くなる原因は、椎間板への負担増加や筋肉・筋膜の緊張など、さまざまな要因が関係しています。 腰椎椎間板ヘルニア、筋・筋膜性腰痛、仙腸関節障害など、原因となる疾患も複数あり、それぞれに適した治療が必要です。 神保町整形外科では、痛みの原因を丁寧に評価し、レントゲン・超音波検査を必要に応じて実施しています。 飲み薬・湿布・ブロック注射・物理療法・理学療法士による運動療法を組み合わせた治療で、症状の改善を目指します。 腰痛はマッサージだけではなかなか改善しません。 特に、慢性腰痛には運動が大事だと言われており、「なぜ腰痛になったのか」その原因を突き止めてリハビリをすることが重要です。 原因が改善しないと、慢性的な腰痛に悩まされ、生活の質が低下してしまいます。 首・肩・腰の痛みは、毎日の生活を大きく変えてしまう症状です。 「たいしたことない」と我慢せず、早めにご相談ください。 神保町整形外科は、痛みをやわらげるだけでなく、「また動ける日常」を取り戻すお手伝いをします。 小さな不調でもお気軽にお越しください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

CONTACT

お問い合わせ

神保町駅から徒歩2分の整形外科です。
お仕事帰りのビジネスマンの方も
無理なく通院していただけます。

03-5577-7997