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むちうちの治し方とは?症状に応じた治療方法をわかりやすく整理

2026.02.16

むちうちとは?交通事故で起こる頚部損傷の基本知識

むちうちは、交通事故などで首に強い衝撃が加わることで起こる頚部の損傷です。 正式には「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」などと診断されます。追突事故の際に、頭部が鞭のようにしなることから「むちうち」と呼ばれるようになりました。 人間の頭部は約5キロもの重さがあり、それが急激に前後に揺さぶられると首には大きな負担がかかります。事故直後は痛みを自覚していなくても、数時間から数日後に症状が現れることも少なくありません。 首の周囲には重要な神経が通っているため、単なる筋肉の損傷だけでなく、神経を傷つけている可能性もあります。そのため、首の痛みだけでなく、手足のしびれやめまいといった症状が出ることもあるのです。

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むちうちの主な症状・・・首の痛みだけではありません

むちうちの症状は多岐にわたります。 最も一般的なのは首や肩の痛み、こりですが、それ以外にも様々な症状が現れることがあります。頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、手足のしびれや違和感、関節の動かしにくさなどです。 これらの症状は、損傷の程度や部位によって異なります。 画像検査では異常が見つからない場合でも、本人にしか分からない自覚症状が続くケースも多いのです。特に自律神経に影響が出ると、バレーリュー症状と呼ばれる頭痛・吐き気・めまい・耳鳴りなどが生じることがあります。 症状の出方には個人差があり、軽微な事故でも重い症状が出る場合もあれば、大きな事故でも軽い症状で済む場合もあります。だからこそ、事故後は痛みがなくても必ず医療機関を受診することが重要なのです。

むちうちの分類・・・5つのタイプを理解する

むちうちは損傷の部位や症状によって、主に5つのタイプに分類されます。

頚椎捻挫型(最も多いタイプ)

首の筋肉や靭帯が損傷したタイプで、むちうち全体の約70〜80%を占めます。 首や肩の痛み、こり、首の可動域制限などが主な症状です。比較的軽症で、適切な治療を行えば数週間から数ヶ月で改善することが多いタイプです。

神経根症状型

頚椎から出る神経の根元が圧迫されるタイプです。 首の痛みに加えて、腕や手のしびれ、痛み、筋力低下などが現れます。咳やくしゃみで症状が悪化することもあります。画像検査で神経の圧迫が確認できる場合もあります。

バレーリュー症状型(自律神経症状型)

首を通る自律神経が損傷されるタイプです。 頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、視力障害、倦怠感など、多彩な自律神経症状が現れます。画像検査では異常が見つかりにくく、診断が難しいケースもあります。

脊髄症状型

脊髄本体が損傷される重症タイプです。 下肢のしびれや麻痺、歩行障害、膀胱・直腸障害などの重篤な症状が現れることがあります。早急な専門的治療が必要です。

脳脊髄液減少症

事故の衝撃で脳脊髄液が漏れ出すタイプです。 起立時の頭痛が特徴的で、横になると症状が軽減します。近年注目されている病態で、専門的な検査と治療が必要です。

症状別の治し方・・・タイプに応じた適切な治療法

むちうちの治療は、症状のタイプや重症度に応じて選択されます。

頚椎捻挫型の治し方

急性期(受傷直後から数日間)は安静が基本です。 首への負担を減らすため、頚椎カラーを使用することもあります。ただし、長期間の固定は筋力低下を招くため、痛みが落ち着いたら徐々に首を動かすことが大切です。 消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法を併用します。痛みが強い場合は、神経ブロック注射を行うこともあります。症状が軽減してきたら、理学療法として温熱療法や電気治療、頚部の牽引療法などを開始します。 リハビリテーションでは、首の可動域を回復させる運動療法や、筋力を強化するトレーニングを段階的に進めていきます。日常生活では、正しい姿勢を保つこと、長時間同じ姿勢を続けないこと、首に負担をかけない動作を心がけることが重要です。

神経根症状型の治し方

神経の圧迫を軽減することが治療の中心です。 保存的治療として、頚椎牽引療法や神経ブロック注射が効果的です。消炎鎮痛剤に加えて、神経障害性疼痛に効果のある薬剤を使用することもあります。 症状が改善しない場合や、筋力低下が進行する場合は、手術療法を検討することもあります。MRI検査で神経の圧迫部位を特定し、圧迫を解除する手術を行います。

バレーリュー症状型(自律神経症状型)の治し方

自律神経の調整を目的とした治療を行います。 星状神経節ブロックという特殊な神経ブロック注射が効果的な場合があります。これは首の交感神経をブロックすることで、自律神経のバランスを整える治療法です。 薬物療法では、自律神経調整薬や抗不安薬、睡眠導入剤などを症状に応じて使用します。理学療法として、温熱療法や低周波治療なども併用します。 生活習慣の改善も重要です。規則正しい生活リズム、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理などが症状の改善に役立ちます。

重症例の治し方

脊髄症状型や脳脊髄液減少症などの重症例では、専門的な治療が必要です。 脊髄症状型では、脊髄の圧迫を解除する手術が必要になることがあります。脳脊髄液減少症では、ブラッドパッチという特殊な治療法を行います。これは自分の血液を使って髄液の漏れを止める治療です。

治療期間の目安・・・症状に応じた回復までの時間

むちうちの治療期間は、症状の程度によって大きく異なります。 軽度の頚椎捻挫型であれば、2〜3週間程度で日常生活に支障がない程度まで回復することが多いです。ただし、完全に症状がなくなるまでには1〜3ヶ月程度かかることもあります。 神経根症状型やバレーリュー症状型では、治療期間が長くなる傾向があります。3ヶ月から6ヶ月程度の治療が必要になることも珍しくありません。重症例では、さらに長期の治療が必要になる場合もあります。 治療期間中は、定期的な通院が重要です。症状の変化を医師に伝え、治療内容を適宜見直していくことで、より効果的な回復が期待できます。 仕事への復帰時期も症状によって異なります。デスクワーク中心の職種であれば比較的早期に復帰できますが、肉体労働や運転業務では、症状が完全に治まってからの復帰が推奨されます。

早期回復のための重要ポイント

むちうちを早く治すためには、いくつかの重要なポイントがあります。

事故直後の対応が重要です

事故後は症状がなくても、必ず整形外科を受診してください。 むちうちの症状は時間が経ってから現れることが多いため、事故当日に痛みがなくても油断は禁物です。早期に受診することで、適切な診断と治療を受けられ、症状の悪化を防ぐことができます。 受診時には、レントゲンだけでなくMRI検査も受けることをお勧めします。レントゲンでは骨の異常しか分かりませんが、MRIでは筋肉や靭帯、神経の損傷も確認できます。

継続的な通院を心がけましょう

症状が軽くても、医師の指示に従って定期的に通院することが大切です。 通院を自己判断で中断すると、症状が慢性化したり、後遺症が残ったりするリスクが高まります。また、事故との因果関係が認められにくくなる可能性もあります。 通院の際は、症状の変化を詳しく医師に伝えてください。痛みの程度、しびれの範囲、日常生活への影響などを具体的に説明することで、より適切な治療を受けられます。

日常生活での注意点

治療中は、首に負担をかけない生活を心がけることが重要です。 長時間のスマートフォン使用やパソコン作業は、首に大きな負担をかけます。うつむく角度が30度になると首への負担は通常の3倍、45度では4倍になるといわれています。作業時は適度に休憩を取り、首のストレッチを行いましょう。 睡眠時の姿勢も大切です。高すぎる枕や低すぎる枕は首に負担をかけるため、自分に合った高さの枕を選びましょう。横向きで寝る場合は、首と背骨が一直線になる高さが理想的です。 重い荷物を持つ、激しい運動をするなど、首に負担がかかる動作は控えてください。症状が改善してきたら、医師の許可を得て徐々に活動範囲を広げていきます。

神保町整形外科での交通事故診療

充実した設備
当院では、交通事故によるむちうちに対して、医学的根拠に基づいた正確な診断と継続的なフォローを重視した診療を行っています。 交通事故の外傷は、受傷直後に症状が出にくく、時間が経ってから痛みやしびれが現れるケースが多いのが特徴です。そのため当院では、事故後早期からの整形外科受診の重要性をお伝えしています。

丁寧な診察と総合的な評価

患者さまからの症状の訴えを丁寧に伺い、受傷状況・経過・現在の状態を総合的に評価します。 交通事故の症状は、画像検査だけでは説明が難しいケースも多いため、診察所見と経過観察を重視した判断を行っています。「いつ・どこが・どのようにつらいか」を丁寧に聞き取ったうえで診察することで、患者さまに「ちゃんと分かってもらえた」と感じていただけるよう心がけています。

早期受診と継続治療の重要性

事故から時間が経過してからの受診では、いくつかのリスクがあります。 事故との因果関係が医学的に判断しづらくなる、症状が慢性化・長期化する、二次障害や後遺症につながる、といった問題が生じる可能性があります。当院では、事故直後に症状が軽微、あるいは自覚症状がない場合でも受診を推奨し、早期から状態を把握することで適切な治療・経過管理につなげています。

労災保険にも対応

当院は労災保険指定医療機関として、業務中・通勤中のケガにも対応しています。 業務中の転倒・打撲・捻挫・骨折、通勤中の事故による首・腰の痛み、ぎっくり腰や関節の外傷など、労災保険の対象となるケースについても制度に沿った診療を実施しています。正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣社員の方も対象となります。

まとめ・・・適切な治療で早期回復を目指しましょう

むちうちは、症状のタイプによって適切な治療法が異なります。 頚椎捻挫型、神経根症状型、バレーリュー症状型など、それぞれの症状に応じた治療を選択することが重要です。早期受診、継続的な通院、日常生活での注意が、早期回復への鍵となります。 事故後しばらくしてから首が痛くなった、肩や背中のこりが強くなった、頭痛やめまいが続いているといった症状がある場合は、早めの受診が重要です。 当院では、交通事故に伴う多様な症状に対応できる整形外科として、痛みやしびれの原因を丁寧に評価し、症状の変化を見逃さない経過観察を行い、必要に応じた治療内容の見直しを実施することで、患者さま一人ひとりの回復過程に合わせた診療を心がけています。 交通事故後の不調でお悩みの方は、ぜひ神保町整形外科にご相談ください。事故前の生活にできるだけ近づけることを目標とした診療を提供いたします。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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