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膝の裏が痛くて正座できない…考えられる原因と受診を考える目安

2026.02.15

膝の裏の痛みで正座ができないとき…まずは原因を知ることから

「膝の裏が痛くて正座ができない」「しゃがむと引っかかる感じがする」……そんな症状に悩まされていませんか? 膝の裏の痛みは、日常生活のさまざまな場面で不便を感じさせる症状です。 階段の上り下り、立ち上がり、正座など、何気なく行っていた動作が困難になると、不安を感じる方も多いでしょう。 実は、膝の裏の痛みには複数の原因が考えられます。筋肉・神経・関節の炎症や硬さ、姿勢の乱れ、運動不足、ストレスなど、さまざまな要因が組み合わさって起こる「治療が必要な症状」なのです。 この記事では、膝の裏が痛くて正座ができない方へ、考えられる原因を詳しく解説します。命に関わる病気の可能性や、すぐに受診すべき症状の見極め方、自宅でできる対処法まで網羅的にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
 

歩くと膝が痛い…考えられる原因と病院へ行くべきサインを解説

歩行時の膝の痛みには、関節や軟骨のトラブルなどさまざまな原因が考えられます。 受診の目安や注意したい症状について解説します。

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膝の裏が痛む主な原因…変形性膝関節症からベーカー嚢腫まで

膝の裏が痛む原因は、骨や軟骨、靭帯、筋肉などに異常が発生していることが多いです。 ここでは、代表的な原因をいくつかご紹介します。

ベーカー嚢腫…膝裏にできる水ぶくれ

膝の裏がぽっこり腫れている場合、「ベーカー嚢腫」と呼ばれるコブが原因として考えられます。 膝関節は関節包という袋状の組織で包まれていて、その中は関節液という液体で満たされています。何らかの理由で膝関節に炎症が起こると、過剰に作られた関節液が膝の裏にある滑液包という袋に溜まって腫れる症状です。 皮膚から触るとゴムボールのような触感で、小さな場合は押さえても痛みはありません。しかし、大きくなると膝が曲げにくくなり、曲げると膝の痛みが強くなって正座ができない、階段の昇り降りがつらいなどの症状が出てきます。 原因は、変形性膝関節症がほとんどであり、膝の前ではなく裏に水が溜まる状態と考えるとわかりやすいでしょう。

変形性膝関節症…軟骨のすり減りによる痛み

変形性膝関節症は、加齢や肥満、激しい運動、遺伝などが原因で、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減ることで起こります。 軟骨がすり減ると骨同士が直接ぶつかり合うようになり、炎症や痛みが発生します。特に、階段の上り下りや立ち上がりなどの動作で痛みを感じやすく、進行すると膝の曲げ伸ばしが困難になる場合もあります。 立ち上がりや動き始めに膝の裏、特に内側に痛みを生じるのが特徴です。

半月板損傷…クッションの損傷

半月板は大腿骨と脛骨の間にあるC型の軟骨で、膝関節にかかる衝撃を吸収するクッションの役割をしています。 スポーツや転倒、加齢などによって、この半月板が損傷することがあります。損傷の程度は部分的な断裂から完全断裂まで様々で、症状も損傷の程度や部位によって異なります。 半月板が損傷すると、膝の痛みや腫れ、引っ掛かり、クリック音、ロッキング(膝が一定の角度で動かなくなる)などの症状が現れます。階段の昇り降りや立ち上がりにブチっと音がしたり、バッキとした音とともに膝の裏に痛みが走ることもあります。

筋肉や腱の炎症…過度な運動による負担

膝裏にある筋肉(大腿二頭筋やハムストリング)や腱(鵞足や膝窩筋腱)が炎症を起こすことがあります。 これは筋トレや激しいダンス、ダッシュを繰り返すなど過度な運動や急激な動きが原因となります。いわゆる筋膜炎や腱鞘炎の状態ですね。 特に膝窩筋という小さな筋肉が硬くなると、歩行時に引っかかるような痛みが出ると言われています。長時間の座り姿勢や運動不足が続くと、筋肉がこわばりやすくなる傾向があります。

神経の圧迫…坐骨神経や腓骨神経の影響

膝の裏にある神経が圧迫されることで痛みが生じます。 坐骨神経や腓骨神経が原因で、長時間の正座や床の上で脚を伸ばしたまま座ると生じます。腰椎椎間板ヘルニアが原因で膝裏が痛むこともあります。

しゃがむと痛い?伸ばすと痛い?…動作別に見る原因と対処法

膝の裏の痛みは、どの動きで痛むかによって疑いやすい原因が変わります。 ここでは、「しゃがむと膝の裏側が痛い」「膝裏を伸ばすと痛い」の2パターンについて、原因のあたりと対処の方向性を整理します。

しゃがむと膝の裏側が痛い場合

しゃがむ動作は膝を深く曲げるため、膝裏にある筋肉や腱、周囲の組織が圧迫されたり引き伸ばされたりして、痛みが出やすくなります。 特に、正座や屈伸などで膝裏の「筋」が痛むタイプは、膝裏周辺の筋肉(ふくらはぎにつながる腓腹筋など)の負担が関係しているケースがあります。 また、痛みというより「張る感じ」「突っ張る感じ」が強い場合は、膝の曲げ伸ばしで裏側の組織に負担がかかっている可能性もあります。 まずは次のセルフケアから試してください。
  • 深くしゃがむ動き(屈伸・正座)を一旦減らす…痛みが出る動作を続けると炎症が長引きやすくなります。
  • 痛みが強い日は冷やす…腫れや熱感があるときは、10〜15分を目安にタオル越しに冷やし、様子を見ます。
  • ストレッチは「痛くない範囲」で…無理に伸ばすと悪化することがあるため、引っ張られる痛みが出る場合は中止してください。
  • 再開は段階的に…痛みが落ち着いたら、膝に負担の少ない範囲で動きを戻します。
「しゃがむとズキッと鋭く痛む」「引っかかる感じがある」「腫れが目立つ」といった場合は、無理に動かし続けず、早めに受診して原因を確認するのが安心です。

膝裏を伸ばすと痛い場合

膝を伸ばしたとき(特に伸び切るとき)に膝裏が痛む場合は、膝裏の組織が引っ張られて痛みが出ていることがあります。 代表例が反張膝で、膝を伸ばし切る癖があると、膝裏が必要以上に伸ばされ、痛みにつながることがあります。 また、姿勢や筋力バランス(重心がかかと寄り、ふくらはぎが硬い、太もも裏の筋力が弱いなど)が背景にあると、膝を伸ばす動作で負担が集中しやすくなります。 まずは次の対処を目安にしてください。
  • 膝を「伸ばし切らない」意識を持つ…立っているときに膝をロックしないだけでも負担が変わります。
  • 長時間の立ちっぱなし・反り姿勢を減らす…膝裏が常に引っ張られる状態を避けます。
  • ストレッチは軽めに…ふくらはぎや太もも裏の張りが強い場合は、痛みの出ない範囲で軽く行います。
  • 痛みが強いときは無理に伸ばさない…伸ばすほど痛い日は、まず負荷を下げることを優先します。
伸ばすと痛いだけでなく、膝裏に腫れやコブがある、熱感がある、痛みが増していく場合は、別の原因が隠れていることもあるため、自己判断で引っ張らず受診を検討してください。

命に関わる病気の可能性…深部静脈血栓症には要注意

膝の裏の痛みの多くは、筋肉や関節の問題ですが、まれに命に関わる病気が隠れていることもあります。 その代表が「深部静脈血栓症」です。

深部静脈血栓症(エコノミー症候群)とは

深部静脈血栓症は、膝裏やふくらはぎに血栓(血の塊)ができることで痛みが出るケースです。 長時間同じ姿勢でいることで血流が滞り、血栓ができやすくなります。飛行機のエコノミークラスで長時間座っていることで発症することから「エコノミー症候群」とも呼ばれています。 強い痛みや腫れ、熱感を伴う場合は、早めの医療相談がすすめられています。

すぐに受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、すぐに整形外科を受診してください。
  • 膝裏に強い痛みや腫れがある
  • 膝裏に熱感がある
  • 歩くのがつらいほどの痛みがある
  • 痛みが1週間以上続いている
  • 膝裏にコブやしこりがある
  • 膝が一定の角度で動かなくなる(ロッキング現象)
これらの症状は、放置すると悪化する可能性があるため、早めの対処が重要です。

自宅でできる対処法…冷却・安静・ストレッチのポイント

軽度の膝の裏の痛みであれば、自宅でのセルフケアで改善することもあります。 ここでは、今すぐできる対処法をご紹介します。

安静…痛みがある場合は膝に負担をかけない

痛みがある場合は、膝に負担をかけないように安静にしましょう。 深くしゃがむ動き(屈伸・正座)や、長時間の立ちっぱなしは避けてください。痛みが出る動作を続けると炎症が長引きやすくなります。

冷却…炎症を和らげるために氷で冷やす

炎症を和らげるために、氷をビニール袋に入れて氷嚢として使用することが有効です。 氷嚢をサランラップで膝に10分間巻くと除痛効果が得られます。腫れや熱感があるときは、10〜15分を目安にタオル越しに冷やし、様子を見ます。

ストレッチ…痛くない範囲で軽く行う

筋力トレーニングやストレッチを通じて膝の柔軟性と安定性を向上させることができます。 ただし、無理に伸ばすと悪化することがあるため、引っ張られる痛みが出る場合は中止してください。ふくらはぎや太もも裏の張りが強い場合は、痛みの出ない範囲で軽く行います。

再開は段階的に…痛みが落ち着いたら動きを戻す

痛みが落ち着いたら、膝に負担の少ない範囲で動きを戻します。

神保町整形外科での治療…痛みの原因を丁寧に評価

症状が重い場合や原因が明らかでない場合は、整形外科専門医による診察と検査が必要です。 神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供していますが、膝の痛みについても同様に、痛みの原因を丁寧に評価し、一人ひとりの生活に合わせた治療をご提案しています。

痛みの原因をしっかり調べます

レントゲンや超音波検査などを使って、痛みの背景にある「本当の理由」を確認します。 必要に応じて、レントゲンや超音波検査も行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。

その人に合わせた治療を組み合わせ

飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 「無理なく続けられる治療」を大切にしています。

再発しにくい身体づくりまでサポート

痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 「なぜ痛くなるのか」をわかりやすく説明し、再発を防ぐためのコツもお伝えします。負担の少ない動作や筋力づくりなど、「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直していきます。

手術後の痛みにも対応

他院での手術後の痛みや不安もお気軽にご相談ください。 神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、「また動ける日常を取り戻すこと」を全力でサポートいたします。

まとめ…膝の裏の痛みは早めの対処が重要です

膝の裏が痛くて正座ができない症状には、ベーカー嚢腫、変形性膝関節症、半月板損傷、筋肉や腱の炎症、神経の圧迫など、さまざまな原因が考えられます。 軽度の痛みであれば、安静・冷却・ストレッチなどのセルフケアで改善することもありますが、痛みが1週間以上続く場合や、腫れ・熱感を伴う場合は、整形外科での画像検査が推奨されています。 特に、深部静脈血栓症のように命に関わる病気が隠れている可能性もあるため、強い痛みや腫れ、熱感がある場合は、すぐに受診してください。 膝の裏の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を「年齢のせい」とあきらめず、どうかご相談ください。 神保町整形外科では、痛みの原因をしっかり調べ、その方の生活に合わせた治療で、つらい症状を根本から改善するお手伝いをしています。小さな不調でもお気軽にお越しください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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