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むちうちの治し方とは?症状に応じた治療方法をわかりやすく整理

2026.02.16

むちうちとは?交通事故で起こる頚部損傷の基本知識

むちうちは、交通事故などで首に強い衝撃が加わることで起こる頚部の損傷です。 正式には「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」などと診断されます。追突事故の際に、頭部が鞭のようにしなることから「むちうち」と呼ばれるようになりました。 人間の頭部は約5キロもの重さがあり、それが急激に前後に揺さぶられると首には大きな負担がかかります。事故直後は痛みを自覚していなくても、数時間から数日後に症状が現れることも少なくありません。 首の周囲には重要な神経が通っているため、単なる筋肉の損傷だけでなく、神経を傷つけている可能性もあります。そのため、首の痛みだけでなく、手足のしびれやめまいといった症状が出ることもあるのです。

保険終了後もリハビリできる?意外と知られていない“自費リハビリ”の仕組み

保険適用が終了した後のリハビリはどうなるのでしょうか。 自費リハビリの仕組みや選択肢についてわかりやすく解説します。

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むちうちの主な症状・・・首の痛みだけではありません

むちうちの症状は多岐にわたります。 最も一般的なのは首や肩の痛み、こりですが、それ以外にも様々な症状が現れることがあります。頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、手足のしびれや違和感、関節の動かしにくさなどです。 これらの症状は、損傷の程度や部位によって異なります。 画像検査では異常が見つからない場合でも、本人にしか分からない自覚症状が続くケースも多いのです。特に自律神経に影響が出ると、バレーリュー症状と呼ばれる頭痛・吐き気・めまい・耳鳴りなどが生じることがあります。 症状の出方には個人差があり、軽微な事故でも重い症状が出る場合もあれば、大きな事故でも軽い症状で済む場合もあります。だからこそ、事故後は痛みがなくても必ず医療機関を受診することが重要なのです。

むちうちの分類・・・5つのタイプを理解する

むちうちは損傷の部位や症状によって、主に5つのタイプに分類されます。

頚椎捻挫型(最も多いタイプ)

首の筋肉や靭帯が損傷したタイプで、むちうち全体の約70〜80%を占めます。 首や肩の痛み、こり、首の可動域制限などが主な症状です。比較的軽症で、適切な治療を行えば数週間から数ヶ月で改善することが多いタイプです。

神経根症状型

頚椎から出る神経の根元が圧迫されるタイプです。 首の痛みに加えて、腕や手のしびれ、痛み、筋力低下などが現れます。咳やくしゃみで症状が悪化することもあります。画像検査で神経の圧迫が確認できる場合もあります。

バレーリュー症状型(自律神経症状型)

首を通る自律神経が損傷されるタイプです。 頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、視力障害、倦怠感など、多彩な自律神経症状が現れます。画像検査では異常が見つかりにくく、診断が難しいケースもあります。

脊髄症状型

脊髄本体が損傷される重症タイプです。 下肢のしびれや麻痺、歩行障害、膀胱・直腸障害などの重篤な症状が現れることがあります。早急な専門的治療が必要です。

脳脊髄液減少症

事故の衝撃で脳脊髄液が漏れ出すタイプです。 起立時の頭痛が特徴的で、横になると症状が軽減します。近年注目されている病態で、専門的な検査と治療が必要です。

症状別の治し方・・・タイプに応じた適切な治療法

むちうちの治療は、症状のタイプや重症度に応じて選択されます。

頚椎捻挫型の治し方

急性期(受傷直後から数日間)は安静が基本です。 首への負担を減らすため、頚椎カラーを使用することもあります。ただし、長期間の固定は筋力低下を招くため、痛みが落ち着いたら徐々に首を動かすことが大切です。 消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法を併用します。痛みが強い場合は、神経ブロック注射を行うこともあります。症状が軽減してきたら、理学療法として温熱療法や電気治療、頚部の牽引療法などを開始します。 リハビリテーションでは、首の可動域を回復させる運動療法や、筋力を強化するトレーニングを段階的に進めていきます。日常生活では、正しい姿勢を保つこと、長時間同じ姿勢を続けないこと、首に負担をかけない動作を心がけることが重要です。

神経根症状型の治し方

神経の圧迫を軽減することが治療の中心です。 保存的治療として、頚椎牽引療法や神経ブロック注射が効果的です。消炎鎮痛剤に加えて、神経障害性疼痛に効果のある薬剤を使用することもあります。 症状が改善しない場合や、筋力低下が進行する場合は、手術療法を検討することもあります。MRI検査で神経の圧迫部位を特定し、圧迫を解除する手術を行います。

バレーリュー症状型(自律神経症状型)の治し方

自律神経の調整を目的とした治療を行います。 星状神経節ブロックという特殊な神経ブロック注射が効果的な場合があります。これは首の交感神経をブロックすることで、自律神経のバランスを整える治療法です。 薬物療法では、自律神経調整薬や抗不安薬、睡眠導入剤などを症状に応じて使用します。理学療法として、温熱療法や低周波治療なども併用します。 生活習慣の改善も重要です。規則正しい生活リズム、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理などが症状の改善に役立ちます。

重症例の治し方

脊髄症状型や脳脊髄液減少症などの重症例では、専門的な治療が必要です。 脊髄症状型では、脊髄の圧迫を解除する手術が必要になることがあります。脳脊髄液減少症では、ブラッドパッチという特殊な治療法を行います。これは自分の血液を使って髄液の漏れを止める治療です。

治療期間の目安・・・症状に応じた回復までの時間

むちうちの治療期間は、症状の程度によって大きく異なります。 軽度の頚椎捻挫型であれば、2〜3週間程度で日常生活に支障がない程度まで回復することが多いです。ただし、完全に症状がなくなるまでには1〜3ヶ月程度かかることもあります。 神経根症状型やバレーリュー症状型では、治療期間が長くなる傾向があります。3ヶ月から6ヶ月程度の治療が必要になることも珍しくありません。重症例では、さらに長期の治療が必要になる場合もあります。 治療期間中は、定期的な通院が重要です。症状の変化を医師に伝え、治療内容を適宜見直していくことで、より効果的な回復が期待できます。 仕事への復帰時期も症状によって異なります。デスクワーク中心の職種であれば比較的早期に復帰できますが、肉体労働や運転業務では、症状が完全に治まってからの復帰が推奨されます。

早期回復のための重要ポイント

むちうちを早く治すためには、いくつかの重要なポイントがあります。

事故直後の対応が重要です

事故後は症状がなくても、必ず整形外科を受診してください。 むちうちの症状は時間が経ってから現れることが多いため、事故当日に痛みがなくても油断は禁物です。早期に受診することで、適切な診断と治療を受けられ、症状の悪化を防ぐことができます。 受診時には、レントゲンだけでなくMRI検査も受けることをお勧めします。レントゲンでは骨の異常しか分かりませんが、MRIでは筋肉や靭帯、神経の損傷も確認できます。

継続的な通院を心がけましょう

症状が軽くても、医師の指示に従って定期的に通院することが大切です。 通院を自己判断で中断すると、症状が慢性化したり、後遺症が残ったりするリスクが高まります。また、事故との因果関係が認められにくくなる可能性もあります。 通院の際は、症状の変化を詳しく医師に伝えてください。痛みの程度、しびれの範囲、日常生活への影響などを具体的に説明することで、より適切な治療を受けられます。

日常生活での注意点

治療中は、首に負担をかけない生活を心がけることが重要です。 長時間のスマートフォン使用やパソコン作業は、首に大きな負担をかけます。うつむく角度が30度になると首への負担は通常の3倍、45度では4倍になるといわれています。作業時は適度に休憩を取り、首のストレッチを行いましょう。 睡眠時の姿勢も大切です。高すぎる枕や低すぎる枕は首に負担をかけるため、自分に合った高さの枕を選びましょう。横向きで寝る場合は、首と背骨が一直線になる高さが理想的です。 重い荷物を持つ、激しい運動をするなど、首に負担がかかる動作は控えてください。症状が改善してきたら、医師の許可を得て徐々に活動範囲を広げていきます。

神保町整形外科での交通事故診療

充実した設備
当院では、交通事故によるむちうちに対して、医学的根拠に基づいた正確な診断と継続的なフォローを重視した診療を行っています。 交通事故の外傷は、受傷直後に症状が出にくく、時間が経ってから痛みやしびれが現れるケースが多いのが特徴です。そのため当院では、事故後早期からの整形外科受診の重要性をお伝えしています。

丁寧な診察と総合的な評価

患者さまからの症状の訴えを丁寧に伺い、受傷状況・経過・現在の状態を総合的に評価します。 交通事故の症状は、画像検査だけでは説明が難しいケースも多いため、診察所見と経過観察を重視した判断を行っています。「いつ・どこが・どのようにつらいか」を丁寧に聞き取ったうえで診察することで、患者さまに「ちゃんと分かってもらえた」と感じていただけるよう心がけています。

早期受診と継続治療の重要性

事故から時間が経過してからの受診では、いくつかのリスクがあります。 事故との因果関係が医学的に判断しづらくなる、症状が慢性化・長期化する、二次障害や後遺症につながる、といった問題が生じる可能性があります。当院では、事故直後に症状が軽微、あるいは自覚症状がない場合でも受診を推奨し、早期から状態を把握することで適切な治療・経過管理につなげています。

労災保険にも対応

当院は労災保険指定医療機関として、業務中・通勤中のケガにも対応しています。 業務中の転倒・打撲・捻挫・骨折、通勤中の事故による首・腰の痛み、ぎっくり腰や関節の外傷など、労災保険の対象となるケースについても制度に沿った診療を実施しています。正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣社員の方も対象となります。

まとめ・・・適切な治療で早期回復を目指しましょう

むちうちは、症状のタイプによって適切な治療法が異なります。 頚椎捻挫型、神経根症状型、バレーリュー症状型など、それぞれの症状に応じた治療を選択することが重要です。早期受診、継続的な通院、日常生活での注意が、早期回復への鍵となります。 事故後しばらくしてから首が痛くなった、肩や背中のこりが強くなった、頭痛やめまいが続いているといった症状がある場合は、早めの受診が重要です。 当院では、交通事故に伴う多様な症状に対応できる整形外科として、痛みやしびれの原因を丁寧に評価し、症状の変化を見逃さない経過観察を行い、必要に応じた治療内容の見直しを実施することで、患者さま一人ひとりの回復過程に合わせた診療を心がけています。 交通事故後の不調でお悩みの方は、ぜひ神保町整形外科にご相談ください。事故前の生活にできるだけ近づけることを目標とした診療を提供いたします。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

労災なのに病院に行かない人が多いのはなぜ?よくある理由と考え方

2026.02.16

業務中や通勤中にケガをしたにもかかわらず、病院を受診しない従業員の方が少なくありません。 「軽いケガだから大丈夫」「会社に迷惑をかけたくない」「手続きが面倒そう」・・・こうした理由から、受診を先延ばしにしてしまうケースが実際に多く見られます。 しかし、労災によるケガは一般的な外傷とは異なり、受傷直後に症状が出にくく、時間が経ってから痛みやしびれが現れることがあります。 この記事では、労災事故が発生しても病院に行かない従業員が多い実態と、その背景にある心理的要因や現実的な障壁について詳しく解説します。

労災事故後に病院に行かない人が多い理由とは

労災事故が発生しても、すぐに病院を受診しない従業員が一定数存在します。 これは単なる本人の判断ミスではなく、いくつかの心理的・社会的要因が複雑に絡み合った結果です。 まず、多くの方が「軽いケガだから大丈夫」と自己判断してしまう傾向があります。打撲や捻挫程度であれば、湿布を貼って様子を見ようと考える方も少なくありません。 しかし、業務中のケガは一般的な私傷病とは異なり、後から症状が悪化したり、慢性化したりするリスクがあります。

会社への配慮や評価への不安

「会社に迷惑をかけたくない」という心理も、受診を避ける大きな要因です。 特に中小企業では、人手不足の中で自分が休むことで同僚に負担がかかることを気にする従業員が多くいます。また、労災を申請することで「仕事ができない人」「注意力が足りない人」と評価されるのではないかという不安もあります。 こうした心理的プレッシャーが、本来受けるべき医療や補償を受けることを妨げているのです。

手続きの煩雑さに対する誤解

労災の申請手続きが複雑で面倒だと思い込んでいる方も少なくありません。 確かに、労災保険の申請には所定の書類提出が必要ですが、実際には医療機関や会社のサポートを受けながら進めることができます。しかし、「書類が多そう」「時間がかかりそう」というイメージが先行し、受診そのものを諦めてしまうケースがあります。 また、健康保険との違いがわからず、「とりあえず健康保険で受診すればいい」と考える方もいますが、業務災害や通勤災害では健康保険を使用できません。

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労災で病院に行かないことのリスク

労災事故後に病院を受診しないことは、本人にとって大きなリスクを伴います。 最も深刻なのは、症状の慢性化や後遺症につながる可能性です。受傷直後は軽い痛みでも、適切な治療を受けずに放置すると、関節の可動域制限や慢性的な痛みが残ることがあります。 特に首や腰のケガは、初期対応が遅れることで長期的な不調を引き起こしやすい部位です。

事故との因果関係が認められなくなる

事故から時間が経過してから受診すると、ケガと事故との因果関係を医学的に証明することが難しくなります。 労災保険の給付を受けるためには、業務起因性が認められる必要がありますが、受診が遅れると「業務外で負傷したのではないか」と疑われる可能性があります。特に、事故から数日以上経過してからの受診では、労災認定が困難になるケースもあります。 早期受診は、適切な補償を受けるためにも重要なのです。

健康保険が使えず医療費が自己負担になる

業務中のケガや通勤中の事故では、健康保険を使用することができません。 これは法律で明確に定められており、業務災害や通勤災害は労災保険の対象となるためです。もし健康保険証を使って受診した場合、後日、協会けんぽや健康保険組合から問い合わせがあり、療養費の返金を求められることがあります。 また、労災を申請せずに全額自己負担で治療を続けると、経済的な負担が大きくなります。労災保険を利用すれば、治療費は100%補償されるため、金銭的なコストを考えても労災申請が最善です。

企業が従業員に労災申請を促すべき理由

従業員が労災申請を希望しない場合でも、企業側には適切に対応する責任があります。 労働基準法では、企業が従業員に対して災害補償を行う義務が定められています。また、業務災害によって従業員が休業した場合、企業は労働基準監督署に死傷病報告書を提出しなければなりません。 休業期間が3日を超える場合は様式第23号を遅滞なく提出し、3日以下の場合は四半期ごとに様式第24号で報告する必要があります。 この報告を怠ると、労災隠しとして罰則の対象になる可能性があります。

従業員への説明とサポートが重要

企業は、従業員に対して労災を申請しないことのデメリットと、申請することのメリットをしっかりと説明する必要があります。 労災保険を利用すれば、療養費の全額補償に加えて、休業補償給付も受けられます。休業補償給付では、第4日目から平均賃金の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)が支給されるため、健康保険の傷病手当金よりも手厚い補償内容となっています。 こうした具体的な情報を提供することで、従業員の不安を軽減し、適切な受診を促すことができます。

労災申請は企業の義務である

法律上、業務災害や通勤災害が発生した場合、企業は労災申請を行わなければなりません。 従業員が希望しない場合でも、企業には安全配慮義務があり、適切な対応が求められます。労災を申請しないことは、従業員の健康を守る責任を放棄することにもつながります。 また、労災申請を拒否することで、後日トラブルに発展するリスクもあります。企業としては、従業員の健康と安全を最優先に考え、適切な手続きを進めることが重要です。

労災事故後の適切な対応と受診の重要性

労災事故が発生した場合、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。 交通事故と同様に、労災によるケガも受傷直後に症状が出にくく、時間が経ってから痛みやしびれが現れることがあります。そのため、「今は痛くないから大丈夫」と判断せず、事故後早期からの整形外科受診が推奨されます。 神保町整形外科では、労災保険指定医療機関として、業務中や通勤中のケガに対応しています。業務中の転倒・打撲・捻挫・骨折、通勤中の事故による首・腰の痛み、ぎっくり腰や関節の外傷など、労災保険の対象となるケースについても制度に沿った診療を実施しています。

早期受診が後遺症を防ぐ

事故から時間が経過してからの受診では、事故との因果関係が医学的に判断しづらくなります。 また、症状が慢性化・長期化したり、二次障害や後遺症につながったりするリスクもあります。神保町整形外科では、事故直後に症状が軽微、あるいは自覚症状がない場合でも受診を推奨し、早期から状態を把握することで適切な治療・経過管理につなげています。 交通事故診療で重視しているのは、その場しのぎの治療ではなく、事故前の生活にできるだけ近づけることです。痛みやしびれの原因を丁寧に評価し、症状の変化を見逃さない経過観察を行い、必要に応じた治療内容の見直しを実施することで、患者一人ひとりの回復過程に合わせた診療を心がけています。

労災保険の適用範囲を理解する

労災保険は、正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣社員の方も対象となります。 業務中や通勤中のケガであれば、雇用形態に関わらず労災保険が適用されます。また、労災保険を利用すれば、療養費の全額補償に加えて、休業補償給付も受けられるため、経済的な負担を軽減できます。 「自分は非正規だから労災は使えない」と誤解している方もいますが、これは間違いです。すべての労働者が労災保険の対象となることを理解しておくことが大切です。

まとめ:労災事故後は早期受診が重要

労災事故が発生しても病院に行かない従業員が多い背景には、会社への配慮、手続きへの不安、軽症だという自己判断など、さまざまな理由があります。 しかし、受診を先延ばしにすることは、症状の慢性化や後遺症のリスクを高めるだけでなく、適切な補償を受ける機会を失うことにもつながります。 企業側も、従業員が労災申請を希望しない場合でも、法律上の義務として適切に対応する必要があります。労災保険を利用すれば、従業員は手厚い補償を受けることができ、企業も安全配慮義務を果たすことができます。 労災事故後は、できるだけ早く整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。神保町整形外科では、労災保険指定医療機関として、業務中・通勤中のケガに対応し、患者一人ひとりの回復過程に合わせた診療を提供しています。 「軽いケガだから」と放置せず、早期受診を心がけることで、健康な状態での職場復帰を目指しましょう。 神保町整形外科では、交通事故や労災によるケガの診療に力を入れています。事故後の不調や痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

膝の裏が痛くて正座できない…考えられる原因と受診を考える目安

2026.02.15

膝の裏の痛みで正座ができないとき…まずは原因を知ることから

「膝の裏が痛くて正座ができない」「しゃがむと引っかかる感じがする」……そんな症状に悩まされていませんか? 膝の裏の痛みは、日常生活のさまざまな場面で不便を感じさせる症状です。 階段の上り下り、立ち上がり、正座など、何気なく行っていた動作が困難になると、不安を感じる方も多いでしょう。 実は、膝の裏の痛みには複数の原因が考えられます。筋肉・神経・関節の炎症や硬さ、姿勢の乱れ、運動不足、ストレスなど、さまざまな要因が組み合わさって起こる「治療が必要な症状」なのです。 この記事では、膝の裏が痛くて正座ができない方へ、考えられる原因を詳しく解説します。命に関わる病気の可能性や、すぐに受診すべき症状の見極め方、自宅でできる対処法まで網羅的にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
 

歩くと膝が痛い…考えられる原因と病院へ行くべきサインを解説

歩行時の膝の痛みには、関節や軟骨のトラブルなどさまざまな原因が考えられます。 受診の目安や注意したい症状について解説します。

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膝の裏が痛む主な原因…変形性膝関節症からベーカー嚢腫まで

膝の裏が痛む原因は、骨や軟骨、靭帯、筋肉などに異常が発生していることが多いです。 ここでは、代表的な原因をいくつかご紹介します。

ベーカー嚢腫…膝裏にできる水ぶくれ

膝の裏がぽっこり腫れている場合、「ベーカー嚢腫」と呼ばれるコブが原因として考えられます。 膝関節は関節包という袋状の組織で包まれていて、その中は関節液という液体で満たされています。何らかの理由で膝関節に炎症が起こると、過剰に作られた関節液が膝の裏にある滑液包という袋に溜まって腫れる症状です。 皮膚から触るとゴムボールのような触感で、小さな場合は押さえても痛みはありません。しかし、大きくなると膝が曲げにくくなり、曲げると膝の痛みが強くなって正座ができない、階段の昇り降りがつらいなどの症状が出てきます。 原因は、変形性膝関節症がほとんどであり、膝の前ではなく裏に水が溜まる状態と考えるとわかりやすいでしょう。

変形性膝関節症…軟骨のすり減りによる痛み

変形性膝関節症は、加齢や肥満、激しい運動、遺伝などが原因で、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減ることで起こります。 軟骨がすり減ると骨同士が直接ぶつかり合うようになり、炎症や痛みが発生します。特に、階段の上り下りや立ち上がりなどの動作で痛みを感じやすく、進行すると膝の曲げ伸ばしが困難になる場合もあります。 立ち上がりや動き始めに膝の裏、特に内側に痛みを生じるのが特徴です。

半月板損傷…クッションの損傷

半月板は大腿骨と脛骨の間にあるC型の軟骨で、膝関節にかかる衝撃を吸収するクッションの役割をしています。 スポーツや転倒、加齢などによって、この半月板が損傷することがあります。損傷の程度は部分的な断裂から完全断裂まで様々で、症状も損傷の程度や部位によって異なります。 半月板が損傷すると、膝の痛みや腫れ、引っ掛かり、クリック音、ロッキング(膝が一定の角度で動かなくなる)などの症状が現れます。階段の昇り降りや立ち上がりにブチっと音がしたり、バッキとした音とともに膝の裏に痛みが走ることもあります。

筋肉や腱の炎症…過度な運動による負担

膝裏にある筋肉(大腿二頭筋やハムストリング)や腱(鵞足や膝窩筋腱)が炎症を起こすことがあります。 これは筋トレや激しいダンス、ダッシュを繰り返すなど過度な運動や急激な動きが原因となります。いわゆる筋膜炎や腱鞘炎の状態ですね。 特に膝窩筋という小さな筋肉が硬くなると、歩行時に引っかかるような痛みが出ると言われています。長時間の座り姿勢や運動不足が続くと、筋肉がこわばりやすくなる傾向があります。

神経の圧迫…坐骨神経や腓骨神経の影響

膝の裏にある神経が圧迫されることで痛みが生じます。 坐骨神経や腓骨神経が原因で、長時間の正座や床の上で脚を伸ばしたまま座ると生じます。腰椎椎間板ヘルニアが原因で膝裏が痛むこともあります。

しゃがむと痛い?伸ばすと痛い?…動作別に見る原因と対処法

膝の裏の痛みは、どの動きで痛むかによって疑いやすい原因が変わります。 ここでは、「しゃがむと膝の裏側が痛い」「膝裏を伸ばすと痛い」の2パターンについて、原因のあたりと対処の方向性を整理します。

しゃがむと膝の裏側が痛い場合

しゃがむ動作は膝を深く曲げるため、膝裏にある筋肉や腱、周囲の組織が圧迫されたり引き伸ばされたりして、痛みが出やすくなります。 特に、正座や屈伸などで膝裏の「筋」が痛むタイプは、膝裏周辺の筋肉(ふくらはぎにつながる腓腹筋など)の負担が関係しているケースがあります。 また、痛みというより「張る感じ」「突っ張る感じ」が強い場合は、膝の曲げ伸ばしで裏側の組織に負担がかかっている可能性もあります。 まずは次のセルフケアから試してください。
  • 深くしゃがむ動き(屈伸・正座)を一旦減らす…痛みが出る動作を続けると炎症が長引きやすくなります。
  • 痛みが強い日は冷やす…腫れや熱感があるときは、10〜15分を目安にタオル越しに冷やし、様子を見ます。
  • ストレッチは「痛くない範囲」で…無理に伸ばすと悪化することがあるため、引っ張られる痛みが出る場合は中止してください。
  • 再開は段階的に…痛みが落ち着いたら、膝に負担の少ない範囲で動きを戻します。
「しゃがむとズキッと鋭く痛む」「引っかかる感じがある」「腫れが目立つ」といった場合は、無理に動かし続けず、早めに受診して原因を確認するのが安心です。

膝裏を伸ばすと痛い場合

膝を伸ばしたとき(特に伸び切るとき)に膝裏が痛む場合は、膝裏の組織が引っ張られて痛みが出ていることがあります。 代表例が反張膝で、膝を伸ばし切る癖があると、膝裏が必要以上に伸ばされ、痛みにつながることがあります。 また、姿勢や筋力バランス(重心がかかと寄り、ふくらはぎが硬い、太もも裏の筋力が弱いなど)が背景にあると、膝を伸ばす動作で負担が集中しやすくなります。 まずは次の対処を目安にしてください。
  • 膝を「伸ばし切らない」意識を持つ…立っているときに膝をロックしないだけでも負担が変わります。
  • 長時間の立ちっぱなし・反り姿勢を減らす…膝裏が常に引っ張られる状態を避けます。
  • ストレッチは軽めに…ふくらはぎや太もも裏の張りが強い場合は、痛みの出ない範囲で軽く行います。
  • 痛みが強いときは無理に伸ばさない…伸ばすほど痛い日は、まず負荷を下げることを優先します。
伸ばすと痛いだけでなく、膝裏に腫れやコブがある、熱感がある、痛みが増していく場合は、別の原因が隠れていることもあるため、自己判断で引っ張らず受診を検討してください。

命に関わる病気の可能性…深部静脈血栓症には要注意

膝の裏の痛みの多くは、筋肉や関節の問題ですが、まれに命に関わる病気が隠れていることもあります。 その代表が「深部静脈血栓症」です。

深部静脈血栓症(エコノミー症候群)とは

深部静脈血栓症は、膝裏やふくらはぎに血栓(血の塊)ができることで痛みが出るケースです。 長時間同じ姿勢でいることで血流が滞り、血栓ができやすくなります。飛行機のエコノミークラスで長時間座っていることで発症することから「エコノミー症候群」とも呼ばれています。 強い痛みや腫れ、熱感を伴う場合は、早めの医療相談がすすめられています。

すぐに受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、すぐに整形外科を受診してください。
  • 膝裏に強い痛みや腫れがある
  • 膝裏に熱感がある
  • 歩くのがつらいほどの痛みがある
  • 痛みが1週間以上続いている
  • 膝裏にコブやしこりがある
  • 膝が一定の角度で動かなくなる(ロッキング現象)
これらの症状は、放置すると悪化する可能性があるため、早めの対処が重要です。

自宅でできる対処法…冷却・安静・ストレッチのポイント

軽度の膝の裏の痛みであれば、自宅でのセルフケアで改善することもあります。 ここでは、今すぐできる対処法をご紹介します。

安静…痛みがある場合は膝に負担をかけない

痛みがある場合は、膝に負担をかけないように安静にしましょう。 深くしゃがむ動き(屈伸・正座)や、長時間の立ちっぱなしは避けてください。痛みが出る動作を続けると炎症が長引きやすくなります。

冷却…炎症を和らげるために氷で冷やす

炎症を和らげるために、氷をビニール袋に入れて氷嚢として使用することが有効です。 氷嚢をサランラップで膝に10分間巻くと除痛効果が得られます。腫れや熱感があるときは、10〜15分を目安にタオル越しに冷やし、様子を見ます。

ストレッチ…痛くない範囲で軽く行う

筋力トレーニングやストレッチを通じて膝の柔軟性と安定性を向上させることができます。 ただし、無理に伸ばすと悪化することがあるため、引っ張られる痛みが出る場合は中止してください。ふくらはぎや太もも裏の張りが強い場合は、痛みの出ない範囲で軽く行います。

再開は段階的に…痛みが落ち着いたら動きを戻す

痛みが落ち着いたら、膝に負担の少ない範囲で動きを戻します。

神保町整形外科での治療…痛みの原因を丁寧に評価

症状が重い場合や原因が明らかでない場合は、整形外科専門医による診察と検査が必要です。 神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供していますが、膝の痛みについても同様に、痛みの原因を丁寧に評価し、一人ひとりの生活に合わせた治療をご提案しています。

痛みの原因をしっかり調べます

レントゲンや超音波検査などを使って、痛みの背景にある「本当の理由」を確認します。 必要に応じて、レントゲンや超音波検査も行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。

その人に合わせた治療を組み合わせ

飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 「無理なく続けられる治療」を大切にしています。

再発しにくい身体づくりまでサポート

痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 「なぜ痛くなるのか」をわかりやすく説明し、再発を防ぐためのコツもお伝えします。負担の少ない動作や筋力づくりなど、「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直していきます。

手術後の痛みにも対応

他院での手術後の痛みや不安もお気軽にご相談ください。 神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、「また動ける日常を取り戻すこと」を全力でサポートいたします。

まとめ…膝の裏の痛みは早めの対処が重要です

膝の裏が痛くて正座ができない症状には、ベーカー嚢腫、変形性膝関節症、半月板損傷、筋肉や腱の炎症、神経の圧迫など、さまざまな原因が考えられます。 軽度の痛みであれば、安静・冷却・ストレッチなどのセルフケアで改善することもありますが、痛みが1週間以上続く場合や、腫れ・熱感を伴う場合は、整形外科での画像検査が推奨されています。 特に、深部静脈血栓症のように命に関わる病気が隠れている可能性もあるため、強い痛みや腫れ、熱感がある場合は、すぐに受診してください。 膝の裏の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を「年齢のせい」とあきらめず、どうかご相談ください。 神保町整形外科では、痛みの原因をしっかり調べ、その方の生活に合わせた治療で、つらい症状を根本から改善するお手伝いをしています。小さな不調でもお気軽にお越しください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

首を後ろに倒すと痛いのはなぜ?反らしたときに起こる首の痛みとは

2026.02.15

首を後ろに倒すと痛む…。 うがいをするときや上を向いたとき、首の後ろに痛みが走ることはありませんか? 首の痛みは、肩こりだけが原因ではありません。姿勢の癖や加齢による変化、さらには神経の圧迫など、さまざまな原因が考えられます。放置すると、しびれや麻痺につながる病気の可能性もあるため、早めの対処が重要です。 本記事では、首を後ろに倒すと痛む代表的な5つの原因や病院へ行くべきサイン、痛みを和らげるセルフケアを解説します。ご自身の症状と照らし合わせ、痛みの根本原因や治療法について知り、痛みの不安を解消しましょう。

首を後ろに倒すと痛いときに考えられる5つの原因

首を後ろに倒すと痛いときに考えられる代表的な原因は、以下の5つです。
  • 加齢による変化が原因の頸椎症
  • 椎間板が飛び出す頸椎椎間板ヘルニア
  • 不良姿勢が招くストレートネック(スマホ首)
  • 急な痛みは寝違え・むちうちの可能性
  • 骨や関節以外の病気が隠れているケース
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

加齢による変化が原因の頸椎症

「頸椎症(けいついしょう)」は、年齢による変化が原因で首の痛みや手のしびれが起こる状態です。 首の骨(頸椎)は、重い頭を支え続けています。年齢を重ねると、骨や周りの組織が少しずつ変化していきます。椎間板は骨と骨の間にあり、衝撃を吸収し背骨の動きを支え、体を安定させる軟骨です。経年変化で水分を失い、すり減って薄くなります。 骨のふちが、トゲのように変形する「骨棘(こつきょく)」が形成されると、神経の通り道を狭めます。 頸椎症でみられる症状は、以下のとおりです。
  • 首や肩、肩甲骨まわりの慢性的な痛みやこり
  • 首を後ろに倒すと腕から手にかけて走る鋭い痛み
  • 指先のしびれや細かい作業のしにくさ
  • うがい、上を向くなどの特定の動きの痛み
首を後ろに反らす動きは、神経の通り道を狭くするため、症状が出やすいのが特徴です。

椎間板が飛び出す頸椎椎間板ヘルニア

「頸椎椎間板ヘルニア」は、椎間板の中にある組織(髄核)が外側の膜を破って飛び出している状態です。 ヘルニアは、腰だけでなく、頸椎でも起こります。飛び出したヘルニアは、近くを通っている重要な神経を圧迫することで、首の痛みや腕や手にかけての痛みやしびれを引き起こします。 頸椎椎間板ヘルニアの主な原因は、以下のとおりです。
  • 加齢による椎間板の質の低下…椎間板の弾力性が失われ、傷つきやすくなる
  • 猫背などの悪い姿勢の継続…首へ不自然な圧力がかかり続ける
  • スポーツや事故による首への強い衝撃…コンタクトスポーツで起こりやすい
  • 重いものを持ち上げるなどの急な負荷…くしゃみだけでも発症することがある
多くの場合、安静や薬物療法により改善が期待されますが、症状が強い場合は専門的な治療が必要となります。無理をせず適切に対処することが、回復や再発予防のために重要です。

不良姿勢が招くストレートネック(スマホ首)

「ストレートネック(スマホ首)」は、頸椎の緩やかなS字カーブが失われ、骨がまっすぐ(カーブの減少)になる状態です。 頸椎のS字カーブは、重たい頭の衝撃を吸収する役割があります。うつむき姿勢でのスマートフォンの長時間使用や猫背によるパソコン作業は、首まわりの筋肉に負担がかかる原因となります。 症状は、慢性的な肩こりや頭痛、めまい、吐き気などです。首への負担が増えることで、将来的には頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアの発症リスクも高まります。 ストレートネックは、首だけではなく、背中全体の姿勢が影響している点が問題です。首の不調を改善するには、首だけでなく背骨の胸の部分(胸椎)の動きを良くすることも重要です。

急な痛みは寝違え・むちうちの可能性

朝起きたときに急に首が痛む場合は、寝違えの可能性があります。 寝違えは、不自然な姿勢で長時間寝ていたことで、首の筋肉や靭帯に負担がかかり、炎症を起こしている状態です。通常は数日から1週間程度で自然に回復しますが、痛みが強い場合は冷やすことで炎症を抑えることができます。 また、交通事故やスポーツでの衝撃により、首が急激に前後に揺さぶられることで起こる「むちうち」も、首を後ろに倒すと痛む原因の一つです。むちうちは、受傷直後よりも数時間から数日後に症状が現れることがあるため、注意が必要です。

骨や関節以外の病気が隠れているケース

首の痛みの原因は、骨や関節だけではありません。 まれに、感染症や骨へのがん転移、また頭の病気が原因で首に痛みが現れることもあります。特に、発熱や体重減少、夜間の強い痛みなどを伴う場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
 

首を回すと痛いのはなぜ?動かしたときに起こる痛みの原因を解説

首を動かしたときの痛みには、筋肉や関節のトラブルなどが関係していることがあります。 考えられる原因や対処の目安を解説します。

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首を後ろに倒すと痛いときの危険サイン

首の痛みの多くは、筋肉の疲労や姿勢の悪さが原因です。 しかし、以下のような症状を伴う場合は、重大な病気の可能性があるため、早めに整形外科を受診してください。

首の痛みと一緒にしびれを感じる

首を後ろに倒したときに、腕や手にかけてしびれが走る場合は要注意です。 これは、神経が圧迫されているサインの可能性があります。頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアなど、神経に関わる病気が疑われるため、早めの診察が必要です。

めまいや吐き気を伴う

首の痛みとともに、めまいや吐き気がある場合も注意が必要です。 これらの症状は、首の血管や神経が圧迫されている可能性を示唆しています。特に、突然の激しいめまいや吐き気がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

手足に力が入らない・感覚が鈍い

手足に力が入らない、感覚が鈍いといった症状は、脊髄が圧迫されている可能性があります。 これは、頸椎症性脊髄症や頸椎椎間板ヘルニアによる脊髄圧迫のサインかもしれません。放置すると、歩行障害や排尿障害などの重篤な症状につながることがあるため、早急に専門医の診察を受けることが重要です。 出典日本整形外科学会「首と肩のこり・痛みは重大な病気の可能性も!整形外科医が教える改善法とは?」より作成

首の痛みを和らげるセルフケア

首を後ろに倒すと痛む場合、まずは自宅でできるセルフケアを試してみましょう。 ただし、痛みが強い場合や、しびれなどの症状を伴う場合は、無理をせず医療機関を受診してください。

まずは安静にして冷やす・温める

痛みが出てからすぐの時期(急性期)には、炎症を抑えるためにアイシングを行いましょう。 氷や保冷剤をタオルで包み、痛む部分に10~15分程度当てます。痛みがある中で無理にストレッチをすることで、かえって回復が遅くなるケースもありますので注意してください。 痛みが落ち着いてきたら、筋肉を温めることで血流を促し、回復を早めることができます。温めたタオルや入浴で、首や肩をじんわりと温めましょう。

首のストレッチ方法

痛みが落ち着いてきたら、軽いストレッチを行うことがおすすめです。 首の後ろの筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチは、以下の手順で行います。
  • 椅子に座り、背筋を伸ばします
  • 両手を頭の後ろで組みます
  • ゆっくりと頭を前に倒し、首の後ろを伸ばします
  • 15~30秒キープし、ゆっくりと元に戻します
  • これを3~5回繰り返します
ストレッチは反動をつけずに、ゆっくり行うことが大切です。ストレッチ中は、呼吸を止めないようにしてください。

日常でできる姿勢改善と生活習慣の見直し

首に負担がかかる生活習慣を改めることが、痛みの予防と改善につながります。 以下のポイントを意識して生活してみてください。
  • 姿勢を正す…頭が背骨の真上に来るように意識する
  • 同じ姿勢を続けない…15~30分に1回休憩を取る
  • 血流を促すため、適度に運動する
  • 首や肩を冷やしすぎない…夏場はエアコンの当たりすぎに注意
  • シャワーではなくお湯に浸かる…体が温まると血行が良くなる
デスクワークの際は、モニター画面に集中することで頭が前に出て、肩が前に回り、首と背中の上部の筋肉が伸びることで、胸の筋肉が伸びなくなります。モニターは目の高さに合わせるように工夫し、正しい姿勢でパソコンに向かうことが重要です。 また、スマホを見ている時は、首や顔は下を向いていることが多く、首の前弯がなくなっている姿勢になっています。スマホは目の高さに合わせるように工夫し、使用時間を決めることも大切です。

神保町整形外科で行う治療法

初診の方へ
セルフケアを行っても痛みが改善しない場合は、医療機関での治療を検討しましょう。 神保町整形外科では、首の痛みに対して、以下のような治療を行っています。

痛みの原因を丁寧に評価

まずは、痛みの原因をしっかりと調べることから始めます。 レントゲンや超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。首を後ろに倒すと痛む原因が、頸椎症なのか、ヘルニアなのか、それとも筋肉の緊張なのかを見極めることで、最適な治療法を選択できます。

症状に合わせた最適な治療

神保町整形外科では、症状に応じて以下の治療を組み合わせ、無理のない治療を行います。
  • 飲み薬…消炎鎮痛剤や筋弛緩薬で痛みを和らげる
  • 湿布…患部に直接貼ることで炎症を抑える
  • ブロック注射…神経の近くに局所麻酔薬を注射し、痛みを遮断する
  • 物理療法(電気・温熱・超音波)…筋肉の緊張を緩和し、血流を促す
  • 理学療法士による運動療法…姿勢改善や筋力づくりで再発を防ぐ
特に、ブロック注射は、痛みが強い場合に効果的な治療法です。神経の炎症を抑え、痛みを和らげることで、日常生活への復帰を早めることができます。

生活動作・姿勢改善までサポート

痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい体づくりをめざします。首だけでなく、背中全体の姿勢が影響しているため、全体を見ながら治療を行います。

外科手術(保存療法で改善しない場合)

多くの場合、安静や薬物療法、リハビリテーションにより改善が期待されます。 しかし、保存療法で改善しない場合や、神経の圧迫が強く、手足のしびれや麻痺が進行している場合は、外科手術が必要になることもあります。手術後の痛みや不安についても、当院では丁寧にサポートいたします。

まとめ

首を後ろに倒すと痛む原因は、加齢による頸椎症、椎間板ヘルニア、ストレートネック、寝違え、むちうちなど、さまざまです。 多くの場合、筋肉の疲労や姿勢の悪さが原因ですが、神経が圧迫されている場合は、早めの治療が必要です。首の痛みとともに、しびれや手足の力が入らないといった症状がある場合は、すぐに整形外科を受診してください。 セルフケアとしては、急性期には冷やし、痛みが落ち着いてきたら温めることで血流を促します。また、首のストレッチや姿勢改善、生活習慣の見直しも効果的です。 神保町整形外科では、痛みの原因を丁寧に評価し、レントゲンや超音波検査を必要に応じて行い、症状に合わせた最適な治療を提供しています。飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法、理学療法士による運動療法を組み合わせ、無理のない治療を行います。 首・肩・腰の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を年齢のせいとあきらめず、どうかご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。 首の痛みでお悩みの方は、ぜひ神保町整形外科にご相談ください。 一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけ、痛みのない生活を取り戻すお手伝いをいたします。小さな不調でもお気軽にお越しください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

腰を伸ばすと痛いのはなぜ?反ったときに起こる腰痛の原因とは

2026.02.14

「朝起きて背伸びをすると、腰に痛みが走る」「洗濯物を干すときに腰を反らすと、ズキッとする」。 こんな経験をされたことはありませんか? 腰を伸ばしたときに痛みを感じる方は、実は少なくありません。その背景には「反り腰」という姿勢の問題が深く関わっています。反り腰は骨盤が前傾し、腰椎の反りが過度に強くなった状態で、椎間関節や周囲の筋肉に負担をかけ続けることで痛みを引き起こします。 今回は、腰を伸ばすと痛い原因となる反り腰のメカニズムと、日常生活でできる改善方法について詳しく解説します。

腰を伸ばすと痛い…その原因は「反り腰」にあります

腰を反らしたときに痛みが出る場合、多くのケースで「反り腰」が関係しています。 反り腰とは、腰椎の前弯(前方への反り)が通常よりも強くなった状態です。人間の背骨は本来、首から腰にかけて自然なS字カーブを描いていますが、反り腰ではこのカーブが過度になり、骨盤が前に傾いた姿勢になります。 この状態では、腰椎の後方にある「椎間関節」に過剰なストレスがかかります。椎間関節は背骨と背骨をつなぐ関節で、体を反らす動作のたびに圧迫されるため、炎症や痛みを引き起こしやすくなるのです。 また、反り腰では腰周辺の筋肉が常に緊張した状態になり、血流が低下して筋肉のコリや痛みにつながります。長時間立ち仕事をしている方や、デスクワークで前かがみの姿勢が続く方は、特に注意が必要です。

反り腰かどうかをセルフチェックしてみましょう

ご自身が反り腰かどうかは、簡単な方法で確認できます。 壁を使ったチェック方法
  • 壁に背中をつけて、普段通りの姿勢で立ちます
  • かかと、お尻、肩甲骨、後頭部を壁につけます
  • 腰と壁の間に手を入れてみてください
手のひら一枚分程度の隙間であれば正常ですが、それ以上の隙間がある場合は反り腰の可能性が高いです。こぶしが入るほどの隙間がある場合は、かなり反り腰が進行していると考えられます。 仰向けで確認する方法
  • 床に仰向けに寝て、両手を体の横に置きます
  • 腰と床の間に手を入れてみます
  • 足を伸ばしたときに腰痛が増し、膝を立てると楽になる場合も反り腰のサインです

反り腰が引き起こす痛みのメカニズム

反り腰による腰痛は、主に3つのメカニズムで発生します。

椎間関節への負荷による痛み

腰を反らす動作では、椎間関節に圧迫力がかかります。 反り腰の状態では、日常的にこの関節にストレスが加わり続けるため、関節包や周囲の組織に炎症が起こりやすくなります。この痛みは「のけぞり腰痛」とも呼ばれ、腰を反らしたときや長時間立っているときに特に強く感じられます。 痛みは比較的限局的で、一本指で示せるような場所に出ることが多いのが特徴です。

筋肉の緊張と血流低下による痛み

反り腰では、脊柱起立筋をはじめとする背中の筋肉が常に緊張した状態になります。 筋肉が持続的に収縮すると血流が阻害され、酸素や栄養が十分に届かなくなります。その結果、筋肉に疲労物質が蓄積し、慢性的な痛みやコリが生じるのです。 この痛みは広範囲に広がることが多く、夕方や仕事後に強くなる傾向があります。

脊柱管への影響による神経症状

反り腰が長期間続くと、腰部脊柱管狭窄症のリスクも高まります。 腰椎が過度に反ると、神経が通る脊柱管が狭くなり、神経を圧迫してしまいます。その結果、腰痛だけでなく、足のしびれや痛み、長時間歩けないといった症状が現れることがあります。 前かがみになると楽になり、反らすと症状が悪化するのが特徴です。
 

座ると腰が痛いのはなぜ?原因と正しい対処法をわかりやすく解説

座ったときに腰が痛む原因には、姿勢や筋肉の緊張などさまざまな要因があります。 考えられる原因と適切な対処法をわかりやすく解説します。

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反り腰になる3つの主な原因

反り腰は、筋肉のバランスの崩れや生活習慣が積み重なって起こります。

原因1:腹筋の筋力低下

腹筋は腰椎を前方から支え、過度な反りを防ぐ役割を担っています。 腹筋が弱くなると、背筋とのバランスが崩れて腰椎の前弯が強くなります。特に、インナーマッスルである腸腰筋の筋力低下は、骨盤の前傾を招きやすくなります。 運動不足や体重増加によってお腹周りの筋肉が落ちると、反り腰が進行しやすくなります。

原因2:股関節前側の筋肉の硬さ

股関節の前側には、腸腰筋や大腿直筋といった筋肉があります。 長時間座った姿勢が続くと、これらの筋肉が縮んで硬くなり、骨盤を前方に引っ張ります。骨盤が前傾すると腰椎の前弯も強まり、反り腰になりやすくなります。 デスクワークが多い方や、運動習慣が少ない方は特に注意が必要です。

原因3:体重増加やヒールの使用

体重が増えてお腹が出ると、重心が前方に移動します。 前に傾いた重心を戻すために、無意識に腰を反らせた姿勢になり、反り腰が定着してしまいます。妊娠中の方も同様のメカニズムで反り腰になりやすいです。 また、ヒールの高い靴を履くとつま先に体重がかかり、体が前方に傾きます。その代償として腰を反らせる姿勢になるため、反り腰のリスクが高まります。

反り腰を改善するための具体的な方法

反り腰を改善するには、骨盤の位置を整え、筋肉のバランスを取り戻すことが大切です。

骨盤を整えるエクササイズ

骨盤の前後傾運動
  • 仰向けに寝て、両膝を立てます
  • 腰を床に押しつけるように骨盤を後傾させます
  • 次に、腰と床の間に隙間を作るように骨盤を前傾させます
  • この動きを10回繰り返します
この運動により、骨盤の動きをコントロールする感覚が養われ、正しい位置を保ちやすくなります。 お尻の穴を締めるエクササイズ
  • つま先を90度開いて立ちます
  • 下腹部に両手を当て、お尻の穴を10秒間締めます
  • 呼吸は止めず、下腹部を凹ませるイメージで行います
骨盤底筋を鍛えることで、骨盤を正しい位置に保つ力が高まります。

腹筋を強化するトレーニング

腸腰筋トレーニング
  • 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げて持ち上げます
  • すねの骨が床と平行になるようにします
  • ゆっくりと足を下ろしますが、かかとは床につけずギリギリで止めます
  • この動作を10回繰り返します
インナーマッスルを鍛えることで、腰椎を安定させる力が向上します。

股関節前側のストレッチ

太もも前面のストレッチ
  • 椅子の背もたれに手をついて立ちます
  • 片足の膝を曲げて足の甲を持ち、膝を後ろに引きます
  • 太ももの前側が伸びるのを感じながら10秒キープします
  • 反対側も同様に行います
股関節前側の筋肉を柔らかくすることで、骨盤の前傾を抑えられます。 両膝を抱えるストレッチ
  • 仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せます
  • 両手で膝を抱え、腰を丸めるようにします
  • 20秒間キープし、腰の筋肉を伸ばします
腰椎の柔軟性を高め、過度な反りを改善する効果があります。

日常生活で気をつけたい姿勢のポイント

反り腰の改善には、エクササイズだけでなく日常の姿勢も重要です。

正しい座り方を意識する

座るときは、骨盤を立てて背筋を自然に伸ばします。 背もたれに深く腰かけすぎたり、前かがみになったりすると、背骨に歪みが生じやすくなります。上から引っ張られているようなイメージで、自然に体を支えるように座りましょう。 椅子の高さや座面の硬さも見直してみると良いでしょう。

正しい立ち方を心がける

立つときは、顎を引き、肩の力を抜き、お腹を引っ込めてお尻を締めます。 重心がくるぶしの前あたりにくるように意識すると、自然と良い姿勢が保てます。鏡で横から自分の姿勢を確認してみるのもおすすめです。

ヒールの高い靴を避ける

長時間ヒールを履くことは、腰への負担を大きくします。 反り腰がある場合は、なるべくヒールの低い靴を選びましょう。どうしてもヒールを履く必要がある場合は、途中で楽な靴に履き替える時間を作り、足や腰への負担を軽減してください。

神保町整形外科での専門的な治療について

セルフケアで改善が見られない場合や、痛みが強い場合は、専門的な治療が必要です。 神保町整形外科では、腰の痛みの原因を丁寧に評価し、レントゲンや超音波検査を用いて症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 治療は、飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法など、症状に応じて最適な方法を組み合わせて行います。無理のない治療を心がけ、痛みをやわらげるだけでなく、再発しにくい体づくりまでサポートします。 また、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直し、痛みを繰り返さないための習慣づくりもお手伝いします。

こんな症状がある方はご相談ください

  • 腰を反らすと強い痛みがある
  • 長時間立っていると腰がつらい
  • 朝起きたときに腰が固まった感じがする
  • 足のしびれや痛みがある
  • ぎっくり腰を繰り返している
「年齢のせい」とあきらめず、早めにご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。 受付

まとめ:反り腰による腰痛は改善できます

腰を伸ばすと痛い原因の多くは、反り腰による椎間関節や筋肉への負担です。 反り腰は、腹筋の筋力低下、股関節前側の硬さ、体重増加やヒールの使用など、日常生活の積み重ねによって起こります。しかし、適切なエクササイズと姿勢の改善により、症状を軽減することは十分に可能です。 骨盤を整える運動、腹筋の強化、股関節のストレッチを日常的に取り入れ、正しい座り方や立ち方を意識することで、反り腰は改善していきます。 もし痛みが続く場合や、セルフケアで改善が見られない場合は、専門的な治療を受けることをおすすめします。神保町整形外科では、痛みの原因を丁寧に評価し、一人ひとりに合わせた治療を提供しています。 腰の痛みを我慢せず、早めにご相談ください。また動ける日常を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

四十肩の症状チェック|当てはまったら知っておきたいサインとは

2026.02.14

肩の違和感、見逃していませんか?

朝起きたとき、肩に重さを感じる。 洗濯物を干そうとしたら、腕が思うように上がらなかった。夜中に肩の痛みで目が覚めてしまう・・・こうした症状に心当たりはありませんか? 四十肩は「そのうち治るだろう」と放置されがちですが、実は早期発見と適切な対応が、その後の回復を大きく左右します。痛みが強くなってから受診される方も多いのですが、初期のサインに気づくことで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができるのです。 本記事では、四十肩の初期症状から進行段階まで、チェックすべきポイントを詳しく解説します。ご自身の肩の状態を確認しながら、早めの対応につなげていただければと思います。

四十肩とは何か|正式には「肩関節周囲炎」

四十肩は、40代以降の方に多く発症する肩の疾患です。 正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、50代で発症すれば五十肩と呼ばれますが、医学的には同じ病態を指しています。肩関節を構成する骨・軟骨・靱帯・腱などが加齢に伴って変化し、肩関節の周囲組織に炎症が起きることが主な原因です。 特に肩の関節にある「腱板」という組織が炎症を引き起こし、それが「関節包」に広がることで痛みや動きの制限が生じます。腱板は肩甲骨と上腕骨をつなぐ重要な組織であり、この部分の柔軟性が失われるとスムーズに動かなくなってしまうのです。 四十肩の原因は完全には解明されていませんが、加齢による組織の変化が大きく関わっています。以前にスポーツで肩を酷使した方、肩に怪我をした経験のある方、姿勢の悪い方は発症リスクが高くなる傾向があります。 また、デスクワークやスマホの長時間使用により首や肩に負担がかかり続けることも、発症のリスクを高める要因となります。糖尿病の既往がある方も、四十肩につながりやすくなると考えられています。
 

四十肩はなぜ起こる?原因と発症の仕組みをわかりやすく解説

四十肩は年齢とともに起こりやすい肩のトラブルのひとつです。 原因や発症の仕組み、注意したいポイントをわかりやすく解説します。

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四十肩の初期症状チェックリスト

四十肩は、初期段階では軽い違和感から始まります。 以下のチェックリストで、ご自身の肩の状態を確認してみてください。複数の項目に当てはまる場合は、四十肩の可能性があります。

初期症状のチェックポイント

  • 肩に違和感や軽い痛みがある
  • 特に夜間や朝方に痛みを感じる
  • 肩を動かすと痛みが強くなる
  • 服を着替える、髪を洗う、エプロンの紐を結ぶなどの動作がつらい
  • 背中に手が届きにくくなった
  • 運転中にハンドルを回すのがつらい
  • 寝返りを打つと肩に痛みが出る
初期症状の段階では、肩のあたりが重苦しい感じや、肩の関節がピリッと痛むといった鈍痛から始まることが多いです。症状が進むと、肩周りの感覚が鈍くなってきたり、腕に違和感を感じたり、首や肩のあたりに張りを感じるようになります。

特に注意すべき「夜間痛」

夜間、特に就寝時に肩の痛みが増強する「夜間痛」は、四十肩の重要なサインです。 日中は痛みを感じなくても、夜になると痛みが強くなる場合があります。夜間痛は、肩関節周囲の炎症が原因で起こります。炎症によって肩関節周囲の組織が腫れ、就寝時に肩にかかる圧力によって痛みが悪化すると考えられています。 夜間は副交感神経が優位になり、痛みに敏感になることも、夜間痛が増強する一因です。夜間痛は睡眠を妨げ、日常生活にも支障をきたす可能性があります。痛みを我慢し続けると、症状が悪化し、慢性化する恐れもあるため、早めの対応が重要です。

四十肩の進行段階と症状の変化

四十肩は、通常3つの段階を経て進行します。 各段階で症状が異なるため、現在どの段階にあるのかを把握することが、適切な対応につながります。

炎症期(急性期)の特徴

最初の段階は「炎症期」または「急性期」と呼ばれます。 この時期は肩関節周囲炎の発症初期で、炎症が出現した状態です。さらに悪化すると、ズキズキとうずくような痛みがあり、肩を動かす際に痛みを感じ、朝晩に痛みが強くなってきます。 最も辛い時期には、動いても痛いし、何もしなくても痛い状態になります。夜寝る時に痛みがあり寝つけない、痛みで目が覚めるといった「夜間時痛」や「安静時痛」が特徴的です。動作時には強い痛みがあり、さまざまな日常生活動作で支障をきたします。 炎症期(急性期)のチェックリスト
  • 激しい痛みがある
  • 痛みのために夜も眠れない
  • 肩をほとんど動かすことができない
  • 少し動かしただけでも激痛が走る

拘縮期(凍結期)の状態

炎症が落ち着くと、次の段階に移行します。 「拘縮期」または「凍結期」と呼ばれるこの時期は、炎症は落ち着いたものの、痛みで動かせない状態が続いたことにより拘縮が進行する時期です。夜間時痛や安静時痛は軽くなりますが、過度に動かしたときに強いつっぱり感があります。 可動域制限が主な症状となり、あらゆる方向の可動域が制限されます。強い痛みは落ち着いてくることが多く、可動域範囲の限界を超えるような運動を強制されると痛みを生じます。肩がだるい・重いなどと表現される方もおられます。 拘縮期(凍結期)のチェックリスト
  • 痛みはやや軽減してきた
  • 肩の動きが制限され、腕が上がらない、後ろに回らない
  • 日常生活に支障が出ている(着替え、洗顔、食事など)
  • 肩が硬くなって動きにくいと感じる

回復期(解凍期)への移行

最後の段階が「回復期」または「解凍期」です。 痛みや運動制限が次第に回復、改善に向かう時期です。徐々に痛みが改善し、動かせる範囲も広くなり、動かしても痛みが出なくなります。 回復期(解凍期)のチェックリスト
  • 痛みと動きの制限が徐々に改善してきた
  • 肩を動かせる範囲が広がってきた
  • 日常生活動作が楽になってきた

こんな症状があったら早めに受診を

四十肩は自然に治ることもありますが、適切な治療によって回復が早まり、日常生活への早期復帰が期待できる場合があります。 以下のような症状がある場合は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。

1週間以上痛みが続く場合

1週間以上痛みが続く場合は、四十肩などの肩関節周囲炎の可能性も出てきます。 自己判断せず、整形外科を受診し、専門医の診断を受けることをおすすめします。早期に適切な診断と治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。

日常生活に支障が出ている場合

日常生活に支障が出ている場合は、四十肩が進行しているサインです。 放置すると、症状が悪化し、日常生活がさらに困難になる可能性があります。早期に適切な治療の開始によって、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

拘縮が見られる場合

拘縮とは、関節の動きが制限される状態です。 四十肩においては、肩関節周囲の炎症が長引くと、関節包や周囲の組織が硬くなり、癒着が起こることで拘縮が生じます。拘縮が見られる場合は、四十肩が進行している可能性があります。放置すると、日常生活への影響が大きくなるだけでなく、関節の機能回復が難しくなる場合もあります。 拘縮に気づいたら、速やかに整形外科を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

神保町整形外科での四十肩治療

充実した設備
当院では、四十肩の症状に対して、痛みの原因を丁寧に評価し、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療を行っています。

痛みの原因を丁寧に評価

レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 四十肩は、肩関節周囲の複数の組織に炎症が起こる可能性があるため、どの部位に問題があるのかを正確に診断することが重要です。

症状に合わせた最適な治療

飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 炎症期(急性期)には、痛みを抑える治療を中心に行い、安静を保つことが大切です。拘縮期(凍結期)には、可能な範囲で肩を積極的に動かす運動療法を取り入れることで、回復が早く、癒着による後遺症も防ぐことができます。

生活動作・姿勢改善までサポート

痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 デスクワークやスマホの長時間使用による首や肩への負担を軽減するための姿勢指導や、日常生活での動作の工夫についてもアドバイスいたします。理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい「動ける肩」をつくっていきます。

まとめ|早期発見が回復への第一歩

四十肩は、初期のサインに気づくことが重要です。 肩の違和感や軽い痛み、夜間痛、動作時の痛みなど、チェックリストで複数の項目に当てはまる場合は、放置せずに早めに整形外科を受診することをおすすめします。 四十肩は、適切な治療によって回復が早まり、日常生活への早期復帰が期待できます。当院では、痛みの原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を提供しています。肩の痛みや動かしにくさでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。 神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を行っています。 レントゲン・超音波検査による正確な診断、飲み薬・湿布・ブロック注射・物理療法・理学療法士による運動療法を組み合わせた治療、生活動作・姿勢改善までのサポートを通じて、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。 肩の痛みを「年齢のせい」とあきらめず、ぜひ一度ご相談ください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

五十肩でやってはいけないこととは?痛みを悪化させないための注意点

2026.02.13

肩が上がらない、夜中に痛みで目が覚める…こんな症状に悩まされていませんか? 五十肩は、40代から60代に多く見られる肩の痛みと動きの制限を特徴とする症状です。正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節の周囲に炎症が起こることで痛みや動かしにくさが生じます。 しかし、この五十肩に対して間違った対応をしてしまうと、症状が悪化したり、回復が遅れたりすることがあります。実は、五十肩の治療には「やってはいけないこと」が存在するのです。 この記事では、五十肩で絶対に避けるべき行動を6つ厳選して解説します。無理なストレッチや重い荷物の持ち方、寝る姿勢など、痛みを悪化させないための具体的な注意点と正しい対処法をご紹介します。

五十肩の基本的な理解と症状の特徴

五十肩とは、肩関節の周りに炎症が起こり、痛みと動きの制限が生じる状態です。 40代から60代に多く発症することから「四十肩」「五十肩」と呼ばれていますが、医学的には「肩関節周囲炎」という病名で知られています。最近では、デスクワークや運動不足の影響で、年齢に関係なく相談される方も増えています。

五十肩が起こるメカニズム

五十肩の明確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が複合的に関与していると考えられています。 加齢により肩関節を構成する腱や関節包、滑液包といった組織の柔軟性が失われ、血行も悪くなりがちです。このような状態の肩に日常の負担や特定の動作が加わることで、微細な損傷や炎症が起こりやすくなります。 五十肩は、以下の段階を経て進行します。
  • 初期の炎症:肩関節周囲の組織に炎症が起こり、痛みが現れます
  • 組織の癒着と拘縮:炎症が長引くと、組織同士や周囲組織との間で癒着が起こり、肩関節の動きが硬くなります
  • 血行不良の悪化:痛みや可動域制限によって肩を動かさない期間が長くなると、肩周囲の血行がさらに悪化します

五十肩の典型的な症状

五十肩の症状は、進行段階によって特徴が異なります。一般的には「急性期(炎症期)」「慢性期(拘縮期)」「回復期」の3つの時期に分けられます。 急性期(炎症期)では、肩全体の強い痛みが特徴です。安静時にもズキズキ痛み、夜間痛(寝返りや特定の姿勢で痛みが増す)が現れます。腕を動かすと激痛が走り、少し動かすだけでも痛みが出ます。 慢性期(拘縮期)になると、腕が上がらない、後ろに回せないなどの可動域制限が顕著になります。痛みは急性期より和らぎますが、特定の動作で痛みます。肩がこわばったような感覚があり、髪を洗う、服を着替える、高いところの物を取るなどが困難になります。 回復期では、徐々に痛みが軽減し、可動域が少しずつ改善していきます。ただし、この時期に無理をしたり、適切なケアを怠ったりすると、回復が遅れたり再発リスクが高まったりします。 特に「夜間痛」と「可動域制限」は五十肩において特徴的な症状といえます。
 

急に肩が痛いのはなぜ?突然起こる肩の痛みの原因とは

突然あらわれる肩の痛みには、炎症や関節のトラブルなどさまざまな原因があります。 考えられる要因や受診の目安を解説します。

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五十肩でやってはいけないこと①:急性期に無理に動かす

五十肩の急性期に最もやってはいけないことは、無理に肩を動かすことです。 急性期は炎症が最も強い時期であり、痛みを我慢して動かすことで炎症が悪化し、症状が長引く可能性があります。特に、重いものを持ち上げたり、無理なストレッチをすることは避けましょう。

なぜ急性期に動かしてはいけないのか

肩の炎症が強い急性期は、組織が傷ついている状態です。この時期に無理に動かすと、傷ついた組織にさらなる負担がかかり、炎症が悪化します。 「このまま痛くて動かせなくなるのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、炎症の強い時期なのでできるだけ安静に、肩の負担を減らすよう努めましょう。

急性期の正しい対処法

急性期には、以下の対処法が有効です。
  • 安静を保つ:痛みが強い時は無理に動かさず、肩の負担を減らします
  • アイシング:痛みが強い場合は、冷やすことで炎症を軽減できます(15~20分を目安に)
  • 医療機関の受診:整形外科で内服や湿布などで痛みを抑えられないか相談しましょう
神保町整形外科では、急性期の痛みに対して、飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)などを症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行っています。

五十肩でやってはいけないこと②:過度なストレッチやマッサージ

五十肩の治療において、ストレッチやマッサージは適切に行えば効果的ですが、過度に行うと逆効果になります。 特に急性期に強く揉んだりマッサージしたりすると、外部から動かすことも刺激となり炎症がひどくなります。痛みがあると揉みたくなるかもしれませんが、そんな時は整形外科で適切な治療を受けることが大切です。

過度なストレッチの危険性

ストレッチは、適切に行えば肩の可動域を広げ、筋肉をほぐすのに有効です。しかし、五十肩の初期段階で過度に行うと逆効果です。 痛みを伴うストレッチは、組織をさらに傷つけ、炎症を助長することがあります。専門家の指導のもとで適切なストレッチを行うことが重要です。

正しいストレッチのタイミング

ストレッチは、拘縮期(慢性期)から回復期にかけて、痛みが出ない範囲で行うことが効果的です。 拘縮期でも痛みがなくなるわけではないため、痛みが出ない範囲で動かすことが大切です。過度に安静にして動かさない状態が続くと、そのまま肩がかたくなり、五十肩が治っても腕が上がらない、といった事態になりかねません。 神保町整形外科では、理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい「動ける肩」をつくっていきます。症状に合わせた最適な運動療法を提案しています。

五十肩でやってはいけないこと③:痛い方を下にして横向きで寝る

五十肩の急性期に、痛む方を下にして横向きで寝ると、関節に負担がかかるため避けてください。 急性期のころは、寝た姿勢で肘が下がる姿勢は痛みが出やすいので、寝る時は仰向けで肘の下にクッションなどを置いて、手をお腹の上に乗せて寝ると良いでしょう。

夜間痛を軽減する寝姿勢のポイント

五十肩の特徴的な症状の一つが「夜間痛」です。夜中に肩の痛みで目が覚めてしまうことも少なくありません。 夜間痛を軽減するためには、以下の寝姿勢のポイントを意識しましょう。
  • 仰向けで寝る:痛む方を下にしない姿勢を保ちます
  • 肘の下にクッションを置く:肘が下がらないように支えます
  • 手をお腹の上に乗せる:肩関節への負担を軽減します
  • 枕の高さを調整する:首と肩の負担を減らすために適切な高さの枕を使用します
寝る姿勢を工夫することで、夜間痛を軽減し、質の良い睡眠を確保することができます。

五十肩でやってはいけないこと④:拘縮期に過度に安静にする

急性期には安静が必要ですが、拘縮期(慢性期)になっても過度に安静にして動かさない状態が続くと、そのまま肩がかたくなり、五十肩が治っても腕が上がらない、といった事態になりかねません。 拘縮期の「拘縮」とは、筋肉や軟部組織がかたくなって、関節の動きに制限が出た状態をさします。

拘縮期の正しい対処法

拘縮期でも痛みがなくなるわけではないため、痛みが出ない範囲で動かすことが大切です。 以下のような軽い運動が効果的です。
  • 軽いウォーキング:筋肉をほぐし、血行を促進します
  • 痛みが出ない範囲でのストレッチ:無理のない範囲で肩を動かします
  • 理学療法士による運動療法:専門家の指導のもとで適切な運動を行います
神保町整形外科では、拘縮期の患者さんに対して、理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい「動ける肩」をつくっていきます。

五十肩でやってはいけないこと⑤:重い荷物の持ち方に注意しない

五十肩の症状がある時は、重い荷物の持ち方に特に注意が必要です。 肩に負担がかかる持ち方をすると、炎症が悪化したり、痛みが増したりする可能性があります。

重い荷物を持つ時の注意点

重い荷物を持つ時は、以下の点に注意しましょう。
  • 両手で持つ:片手で持つと肩に負担がかかるため、両手で持つようにします
  • 体に近づけて持つ:荷物を体から離して持つと肩への負担が増すため、できるだけ体に近づけて持ちます
  • リュックサックを使う:両肩に均等に重さが分散されるリュックサックがおすすめです
  • 無理をしない:痛みが出る場合は、荷物を分けて運ぶか、誰かに手伝ってもらいましょう
日常生活での小さな工夫が、五十肩の症状悪化を防ぐことにつながります。

日常動作での注意点

重い荷物を持つ以外にも、日常動作で注意すべき点があります。
  • 高いところの物を取る時:無理に腕を伸ばさず、踏み台を使うなど工夫します
  • 服を着る時:痛む方の腕から先に通すようにします
  • 髪を洗う時:腕を高く上げすぎないように注意します
神保町整形外科では、生活動作・姿勢改善までサポートし、痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。

五十肩でやってはいけないこと⑦:自己判断で放置する

「そのうち治るだろう」と放置してしまうのも大きな間違いです。 五十肩は自然治癒することもありますが、多くの場合、適切な治療が必要です。放置することで、肩の可動域が制限されたまま固まってしまい、日常生活に支障をきたすことがあります。

放置することのリスク

五十肩を放置した場合、以下のようなリスクがあります。
  • 可動域の制限が固定化する:肩がかたくなり、腕が上がらない状態が続きます
  • 痛みが慢性化する:炎症が長引き、痛みが続きます
  • 日常生活に支障が出る:服を着る、髪を洗うなどの動作が困難になります
  • 回復に時間がかかる:早期に治療を始めた場合と比べて、回復に時間がかかります
実際、1975年の研究では、凍結肩(五十肩)を自然経過で放置した場合、完全な可動域の回復が見られたのはわずか39%に過ぎないと報告されています。これは、半分以上の方が可動域が不十分なまま、いわゆる「硬いまま」になってしまったことを意味します。

早期受診の重要性

五十肩の症状が現れたら、早めに整形外科を受診することが大切です。 神保町整形外科では、痛みの原因を丁寧に評価し、レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。そして、症状に合わせた最適な治療を提案しています。 早期に適切な治療を受けることで、症状の改善が期待でき、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

五十肩の正しい治療法と神保町整形外科のアプローチ

五十肩の治療には、症状の段階に応じた適切なアプローチが必要です。 神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供しており、五十肩に対しても包括的な治療を行っています。

神保町整形外科の治療の特徴

神保町整形外科の五十肩治療には、以下の特徴があります。 痛みの原因を丁寧に評価:レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 症状に合わせた最適な治療:飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 生活動作・姿勢改善までサポート:痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直していきます。 再発しにくい身体づくり:理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい「動ける肩」をつくっていきます。

治療の流れ

神保町整形外科での五十肩治療の流れは、以下の通りです。
  • 初診・問診:症状の詳細をお伺いし、痛みの原因を探ります
  • 検査:必要に応じてレントゲンや超音波検査を行います
  • 診断:検査結果をもとに、症状の段階を判断します
  • 治療計画の立案:症状に合わせた最適な治療法を提案します
  • 治療の実施:飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法、運動療法などを組み合わせて治療します
  • 経過観察:定期的に症状の改善を確認し、治療計画を調整します
  • 再発防止:生活動作や姿勢の改善指導を行い、再発を防ぎます
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まとめ:五十肩の痛みを悪化させないために

五十肩は、適切な対処をすれば改善が期待できる症状です。しかし、間違った対応をすると症状が悪化したり、回復が遅れたりすることがあります。 この記事でご紹介した「五十肩でやってはいけないこと」を避け、正しい対処法を実践することが大切です。 五十肩でやってはいけないこと
  • 急性期に無理に動かす
  • 過度なストレッチやマッサージ
  • 痛い方を下にして横向きで寝る
  • 拘縮期に過度に安静にする
  • 重い荷物の持ち方に注意しない
  • 自己判断で放置する
五十肩の症状が現れたら、早めに整形外科を受診し、専門家の指導のもとで適切な治療を受けることが重要です。 神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供しており、五十肩に対しても包括的な治療を行っています。痛みの原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を提案しています。 「首・肩・腰の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を”年齢のせい”とあきらめず、どうかご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、”また動ける日常を取り戻すこと”を全力でサポートいたします。」 肩の痛みや動かしにくさでお悩みの方は、ぜひ神保町整形外科にご相談ください。一人ひとりの症状に合わせた最適な治療で、痛みのない快適な毎日を取り戻すお手伝いをいたします。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

体外衝撃波治療のメリット・デメリット|受ける前に知っておきたいこと

2026.02.13

肩や膝の痛み、足底の不快感・・・。長く続く痛みに悩まされている方は少なくありません。 湿布や投薬、リハビリを続けても改善が見られない場合、新たな選択肢として注目されているのが「体外衝撃波治療」です。 手術を必要とせず、体への負担が少ない治療法として期待されていますが、保険適用外のケースが多く、費用面での不安を感じる方も多いでしょう。 本記事では、整形外科専門医の視点から、体外衝撃波治療のメリットとデメリット、適応症例、副作用、そして受ける前に知っておくべきポイントを詳しく解説します。

体外衝撃波治療とは

体外衝撃波治療は、患部の上から低出力の衝撃波を照射することで、炎症や痛みを緩和する治療法です。 「衝撃波」と聞くと不安に感じるかもしれませんが、これは物理的な圧力波の一種であり、放射線のように人体にリスクを伴うものではありません。もともとは尿路結石を破砕するための治療法として開発されましたが、出力を低く設定することで、整形外科領域にも応用されるようになりました。 日本ではまだ馴染みの薄い治療法ですが、ヨーロッパを中心とした海外では徐々に広がりを見せています。実際に体外衝撃波治療を行っている整形外科は決して多くなく、最新の治療法のひとつと言えます。 衝撃波には「集束型」と「拡散型」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。集束型は局所的に高いエネルギーを与えることができ、深部の組織にも有効です。一方、拡散型は皮膚表面から放射状に広がり、広範囲の治療に適しています。

体外衝撃波治療のメリット

手術不要で体への負担が少ない

最大のメリットは、手術や麻酔が一切不要であることです。 非侵襲的な治療法であるため、入院の必要もなく、治療後すぐに日常生活に戻ることができます。高齢の方や、持病があって手術が難しい方にとっても、安心して受けられる選択肢となります。

痛みの軽減と組織修復の促進

体外衝撃波治療には、短期的な効果と長期的な効果があります。 短期的には、痛みを受け取る受容器を減少させ、痛みの伝達物質を減らすことで、神経中枢への痛みの伝導を抑える効果があります。長期的には、新しい血管を作り、コラーゲンの生成を促すことで、腱が骨に付着している部分の血管新生と組織の修復を誘導します。 炎症の原因となる物質を抑制する効果もあり、2〜3回の治療を繰り返すことで、これらの効果が確認されています。

治療時間が短く、繰り返し実施可能

1回の治療時間は5〜10分程度と短く、患者さまの負担が少ないことも特徴です。 必要に応じて繰り返し実施できるため、症状に合わせた柔軟な治療計画を立てることができます。通常、週に1回のペースで3〜5回程度の治療を行います。
 

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交通事故後に続く頭痛は、むち打ちが関係していることもあります。 考えられる原因や受診の目安について解説します。

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体外衝撃波治療のデメリット

保険適用外で費用が高額

最も大きなデメリットは、費用面です。 日本国内で体外衝撃波治療が保険適応治療として認可されている疾患は、難治性足底腱膜炎のみとなります。それ以外の疾患に対しては自由診療となり、治療費が高額になりがちです。

治療中・治療後の痛みや副作用

治療中に多少の痛みを感じることがあります。出力は調整可能ですが、低出力の照射でも痛みを強く感じられる場合は、途中で治療を断念する場合もあります。 基本的に副作用は少ないとされていますが、稀に以下の症状が起こる可能性があります。
  • 腫れ
  • 内出血
  • 治療中や治療後の痛み
  • 発赤
  • 湿疹
  • 感覚異常などの神経障害
これらの症状は基本的に数時間から数日で治まりますが、気になる場合は医師に相談してください。

複数回の通院が必要

効果を実感するためには、複数回にわたって通院が必要です。 1回の治療時間は短いものの、通常3〜5回の治療を1クールとして、数クール必要となる場合もあります。個人差もありますが、十分な治療効果が得られれば2回以下の照射で終了することも可能です。

効果の現れ方に個人差がある

体外衝撃波治療では完全に痛みを取り除くことは保証されていません。 治療効果や治療期間は患者さまにより異なりますが、半数以上の方に効果があるとされています。すべての方に同じ効果が現れるわけではないことを理解しておく必要があります。

体外衝撃波治療が有効な疾患と症状

慢性的な腱障害

体外衝撃波治療が特に有効とされるのは、慢性的な腱障害です。 具体的には、足底腱膜炎、アキレス腱付着部炎、アキレス腱炎、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)、石灰沈着性腱板炎、大転子部痛などが挙げられます。 これらの症状は、スポーツや肉体労働などによって体を酷使してきた場合に現れることが多く、生活習慣や加齢によるものも大きいとされています。

骨修復機能異常

骨折や軟骨損傷に対しても有効性が期待されています。 疲労骨折、骨折の遷延治癒(骨折後治療をしているが一定期間が経っても治らない)、早期の離断性骨軟骨炎、偽関節、早期の骨壊死などが対象です。

その他の適応症例

ばね指、腱鞘炎、有痛性外脛骨、二分膝蓋骨、シンスプリントにも有効とされています。 変形性関節症、肉離れの後遺症、腰痛、肩こりなど、幅広い症状に対して適応される可能性があります。通常、痛みや炎症、凝りなどの症状が見られる場合、ストレッチや湿布、投薬などによる治療が行われますが、いずれの方法を試してみても改善が見られない場合に選択される治療法です。

体外衝撃波治療を受ける前に知っておきたいこと

適応外となる方

体外衝撃波治療は誰でも受けられるわけではありません。 妊娠中の方、治療部位に悪性腫瘍や感染がある方、血液凝固障害のある方などは適応外です。また、ペースメーカーを使用している方や、特定の疾患をお持ちの方も治療を受けられない場合があります。 事前に医師に相談し、ご自身が治療を受けられるかどうか確認することが重要です。

治療後の注意点

治療当日からシャワーを浴びることは可能ですが、入浴は控えてください。 軽い運動は2〜3日控え、負担がかかる動作や運動は2週程度控えることが推奨されます。稀に、治療した箇所が内出血を起こすことがあるため、異常を感じた場合はすぐに医師に相談してください。

他の治療法との組み合わせ

体外衝撃波治療は、リハビリテーションなど他の治療法と組み合わせることで、より効果を高めることができます。 当院では、自費リハビリ、運動器リハビリ、物理療法を組み合わせた一人ひとりに合わせたリハビリテーションを提供しています。専門知識を持つ理学療法士がオーダーメイドのリハビリプログラムを作成し、痛みが良くなれば終わりではなく、理想の生活に戻ることを目標としています。

費用と治療計画の確認

治療を始める前に、総額の費用と治療計画を確認しておくことが大切です。 保険適用外の場合、複数回の治療が必要となるため、総額がどの程度になるのか事前に把握しておくことで、安心して治療を受けることができます。診察料や検査料も別途かかることを忘れずに確認してください。

神保町整形外科での体外衝撃波治療とリハビリテーション

神保町整形外科では、手術後の回復から日常生活・スポーツ復帰まで、患者さま一人ひとりに合わせた質の高いリハビリテーションを提供しています。 他院で外傷の手術を受けられた方も、術後ケアとリハビリをセットで実施できる体制を整えており、患者さまの手術内容・経過に合わせた最適なプログラムを提供します。骨折後は超音波骨折治療器による治癒促進も可能で、治療期間の短縮にも寄与します。

自費リハビリの特徴

当院では、保険の制限に縛られず、時間・内容・頻度を自由に設定できる自費リハビリを提供しています。 保険リハビリの期限がきてしまった方、もっと長く集中的にリハビリを受けたい方、保険では対象外の部位もみてもらいたい方などに、制限のない自由なプログラムで対応できます。専門知識を持つ理学療法士がオーダーメイドのリハビリプログラムを作成します。

エムセラ(骨盤底筋トレーニング)

骨盤底筋群を座ったまま鍛えることができる最新機器「エムセラ」も導入しています。 米国・EUなどで認可されており、尿もれ・骨盤臓器脱・姿勢の不安定性などに効果が期待されています。日本では保険適用外ですが、話しにくい悩みを抱えている方にも人気の治療です。

大学病院・基幹病院との連携

状態が悪化した場合や精密検査が必要な際には、聖路加国際病院、日本大学病院、三井記念病院、慶應義塾大学病院、北里研究所病院、九段坂病院、三楽病院といった医療機関と連携し、迅速に紹介が可能です。 地域医療のネットワークを活かし、患者さまの安全と治療の継続性を大切にしています。

まとめ

体外衝撃波治療は、手術不要で体への負担が少ない治療法として、慢性的な痛みに悩む方にとって有力な選択肢となります。 痛みの軽減と組織修復の促進という効果が期待できる一方、保険適用外で費用が高額になること、複数回の通院が必要であること、効果に個人差があることなど、デメリットも理解しておく必要があります。 治療を検討される際は、ご自身の症状が適応症例に該当するか、費用や治療計画はどうなるか、他の治療法との組み合わせは可能かなど、事前に医師とよく相談することが大切です。 神保町整形外科では、患者さまの想いを大切にしながら、丁寧で質の高いリハビリテーションを提供しています。手術後のケアからスポーツ復帰、高齢の方の機能維持まで、どんな小さな不安でも構いません。ぜひ一度ご相談ください。 もう一度、”できるようになりたい”を叶えるために、私たちがお手伝いします。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

夜間にトイレが近くなるのはなぜ?夜間頻尿の原因を解説

2026.02.12

夜中に何度もトイレで目が覚める・・・ こうした夜間頻尿の悩みを抱えている方は、決して少なくありません。 実は、40歳以上の男女で約4,500万人が夜間1回以上排尿のために起きるという症状を抱えており、加齢とともにその頻度は高くなることがわかっています。夜間頻尿は男性だけの問題と思われがちですが、実際には女性の患者さんも多く、男女差はほとんどありません。 夜間の排尿によって慢性的な睡眠不足が起こり、日中の眠気で日常生活に多大な影響が出ることもあります。また、夜間の寝起きでトイレに行く回数が増えることは、転倒によるケガや骨折の原因となり、寝たきりの生活につながる場合もあるのです。 この記事では、夜間頻尿の原因を詳しく解説し、あなたの症状に合った対策を見つけるための情報をお届けします。

夜間頻尿とは?

夜間頻尿とは、「夜間、排尿のために1回以上起きなければならない」という訴えで、これにより困っている状態を指します。 夜間の排尿回数が2回以上になると、睡眠の妨げなど生活の質に影響を及ぼすため、治療の対象となることが多いです。 ただし、夜間に1回以上排尿のために起きていても、年齢や男女差、生活様式、認識の差によって生活への影響の程度が異なります。そのため、本人または家族の生活に支障がないのであれば、必ずしも治療をする必要はありません。通常は夜間の排尿回数が2回未満までは正常と見なされています。

夜間頻尿の頻度

わが国における調査では、夜間頻尿は若い人では10~30%に、お年寄りでは40~80%に認められ、年齢とともに排尿回数が増えることが報告されています。 また若い人では女性に、高齢者では男性に多い傾向があります。 50歳以上の男女の半数以上が、膀胱を空にしたくて夜間に目覚めてしまうという経験をしており、特に高齢者にありがちで、その多くは一晩に少なくとも2回は起きています。

夜間頻尿の主な原因

夜間の排尿回数が増える原因は、大きく分けて3つあります。 それぞれの原因を理解することで、ご自身の症状に合った対策を見つけることができます。

1. 夜間多尿

夜間多尿とは、夜間の尿量が多い状態を指します。 具体的には、1日尿量のうち夜間就寝中の尿量が65歳以上では33%以上、若年者では20%以上となる状態です。若い人の場合は、尿は日中にほとんど作られますが、年をとり心臓や腎臓の働きが低下すると夜間に作られる尿量が多くなってしまいます。 高齢になると夜間の尿量を減らす抗利尿ホルモンの分泌が低下し、十分に役割を果たさなくなるのが原因のひとつです。さらに水分摂取とも関係します。水分は飲料だけではなく、食物にも多く含まれており、自分で思っている以上に過剰な水分の摂取があり、体にたまっている方もいらっしゃいます。 高血圧や心臓病などのお薬が、原因で夜間多尿になる場合もあります。また、高齢者では高血圧のある方や心機能や腎機能が低下している方が多く、日中に比べ夜、横になると腎臓の血流量が増えて尿量が増えるため、夜間頻尿になりやすいことがわかっています。

2. 機能的膀胱容量の低下

機能的膀胱容量の低下とは、膀胱の容量が通常の量より35%ほど低下した状態を指します。 一回に膀胱にたまる量が少なくなると、全体の夜間の尿量が同じでもトイレに行く回数が増えます。機能的膀胱容量の低下の原因には、前立腺肥大症、神経因性膀胱、過活動膀胱、間質性膀胱炎などの疾患が挙げられます。 前立腺肥大症は男性特有の病気ですが、過活動膀胱、間質性膀胱炎、神経因性膀胱などは女性にも多くみられる疾患です。 過活動膀胱とは、膀胱が過敏になって尿が膀胱に少ししか溜まっていなくても、膀胱が勝手に収縮する状態を指します。その結果、急な尿意でトイレに駆け込むことになります。

3. 睡眠障害

睡眠障害は特に高齢者で見られます。 眠りが浅く、ちょっとしたことで目が覚めてしまいます。外来の診察ではトイレに行きたくて起きるのか、目が覚めるからトイレに行くのか、わからない人も多く見受けられます。 また、睡眠障害にはうつ病や不眠症などの精神的な病気以外に、睡眠時無呼吸症候群や、むずむず足症候群等の多くの病気が関連している場合もあります。加齢に伴う夜間頻尿と睡眠障害を併せ持つ患者さんは多くいます。 睡眠薬の内服で熟睡ができるようになると夜間頻尿も改善しますが、睡眠薬に頼ることなく、日々の生活リズムを見直したり、30分間程度の運動をしたりすることも有効です。
 

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骨粗しょう症は自覚症状が少ないまま進行することがあります。 原因や症状、早期発見のポイントをわかりやすく解説します。

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夜間頻尿を引き起こす生活習慣

夜間頻尿の原因として、水分の摂り過ぎや偏った食事などの生活習慣や、加齢が関係しています。  

過剰な水分摂取

水分を必要以上に摂り過ぎると1日を通して尿量が増える多尿になります。 日中に排泄しきれなかった水分を夜間にも排泄するため、夜間多尿にもなります。例えば、脳梗塞予防などのために習慣的に多量の飲水をしている、利尿作用のある薬や副作用としてのどの渇きがある薬を服用している、のどの渇きを訴える糖尿病などの病気がある方などは、水分を過剰に摂取する傾向にあります。 また、寝る前に飲水量が多い方は、夜間多尿の原因となります。

塩分やカリウムの多い食事

塩分は主に食塩、つまり塩化ナトリウムとして食事から摂りますが、塩分の多い食事を摂ると、のどが渇いて飲水量が多くなり夜間の排尿量と排尿回数が多くなることがわかっています。 日本の医師たちによる研究では、夜間頻尿と食事中の塩分摂取量の関係が明らかになっています。研究では、塩分摂取量が多く睡眠障害のある患者に対し、食事中の塩分摂取量を減らすよう助言した後、3カ月にわたり経過観察しました。夜にトイレに行く回数は、平均で一晩に2回以上から1回に減りました。トイレの使用回数は夜間だけでなく日中も減り、生活の質も改善しました。 また、カリウムはナトリウムを尿に排泄するために必要なミネラルで、野菜や果物などに多く含まれており利尿効果を高める働きがあります。そのため、カリウムの摂取が多いと尿量が増える原因となります。

アルコール・カフェイン・辛い物

アルコールやカフェインなどは利尿作用(排尿を促進させる)があります。 そのため、アルコールは適正量を守り、夜寝る前にはコーヒーなどのカフェインを避けることで夜間の尿量を減らせることが期待できます。さらに、アルコールや辛いものは膀胱を刺激する働きがありますので、食べ過ぎ飲み過ぎには注意が必要です。

薬の副作用

あまり知られていませんが、治療のために服用している薬が原因で頻尿になってしまう場合があります。 頻尿の原因となる薬には、カルシウムブロッカー(高血圧治療薬)、利尿剤、SGLT2阻害薬(糖尿病治療薬)、膀胱筋の働きを強める薬、抗精神病薬などがあります。日本では高血圧症の患者様は約4,300万人いると言われており、高血圧に対する第一選択薬であるノルバスクやアムロジピンなどのカルシウムブロッカーを服用している方も多いです。

夜間頻尿の検査と診断

夜間頻尿の原因は様々ですので、適切な対処をするためには原因を明らかにすることが必要です。

排尿日誌の活用

成人1日の平均尿量は1,200~1,500ml(体重1kgあたり20~25ml)で、夜間尿量は1日尿量の約3分の1(400~500ml)が標準です。 また、1回排尿量は250ml前後なので、1日の排尿回数は5~6回、夜間の排尿回数は0~1回が標準になります。1日の排尿回数は、このように1日の尿量と1回の排尿量によって予測はできますが、気温や発汗や水分摂取量、体調などにより変化します。 そのため、1日を通して排尿状況(排尿時間と排尿量)と起床・就眠時刻をできる限り正確に記録することが大切になってきます。この記録を「排尿日誌」といい、排尿日誌をつけることで、夜間頻尿の原因の推測や治療の可否を評価することができます。 日差や体調の差はありますが、1~2日分の記録で十分で、排尿量の正確な計測が重要です。なお、就寝~翌日の起床第1尿までの夜間尿量が、24時間尿量の35%を超える場合を「夜間多尿」と見なします。

医療機関での検査

医療機関では、問診、既往歴、診察に加えて、尿検査、腎・前立腺超音波検査、採血等の全身合併症の検索を行います。 尿検査では、尿路感染症や悪性腫瘍(尿路上皮癌)、尿路結石による症状であることを除外します。腎・前立腺超音波検査では、前立腺肥大の有無や尿路結石などの除外や残尿の有無などの検索を行います。患者さんによっては採血を行い、糖尿病や高血圧の有無を検査します。 排尿日誌は、夜間頻尿を含む排尿の障害やその原因などの診断と治療に役立つばかりでなく、治療による効果の判定や医療機関を受診するときの病状の説明に大変有用となります。

夜間頻尿の対策と改善策

夜間頻尿の原因が夜間多尿のタイプの方は、生活習慣を試すことで改善できる可能性が高いです。

塩分と水分の摂取量を調整する

塩分を多く摂ると、それを薄めようと体の中の水分が血液中にどんどん引き込まれていきます。 その結果、血管内の水分が増えるため、尿の量も多くなってしまうのです。さらに塩分を摂取すると喉が渇きますので、水分を多く摂ってしまうことも尿量が増加することに拍車をかけてしまいます。 そのため、夕食時には塩分を少し控えたり、寝る3~4時間前から水分を少し控えたりすることで夜間の尿量を減らすことができます。

アルコール・カフェイン・辛い物を避ける

アルコールやカフェインなどは利尿作用があります。 そのため、アルコールは適正量を守り、夜寝る前にはコーヒーなどのカフェインを避けることで夜間の尿量を減らせることが期待できます。さらに、アルコールや辛いものは膀胱を刺激する働きがありますので、食べ過ぎ飲み過ぎには注意が必要です。

薬の見直し

治療のために服用している薬が原因で頻尿になってしまう場合があります。 頻尿の原因となる薬を服用している場合は、主治医に相談して薬の変更を検討することも一つの方法です。ただし、自己判断で薬を中止することは避け、必ず医師に相談してください。

生活リズムの見直し

不規則な生活習慣の改善やバランスのとれた食事、就眠前の飲水制限、ストレスを溜めないなど、普段から健康に気を遣うことが大切です。 日々の生活リズムを見直したり、30分間程度の運動(ウォーキングなど)をしたりすることも有効です。

骨盤底筋の機能低下と夜間頻尿

夜間頻尿の原因の一つとして、骨盤底筋の機能低下が挙げられます。 骨盤底筋群は、膀胱・腸管・子宮などの臓器を支え、排尿・排便のコントロールや体幹の安定に深く関与する重要な筋肉群です。しかし、加齢や出産、閉経、運動不足などをきっかけに機能が低下しやすく、軽度の尿失禁、骨盤の不安定感、下腹部の突出、性機能の変化といった症状につながることがあります。

骨盤底筋を鍛える新しい選択肢

骨盤底筋は、患者さんご自身で正確に収縮させ、継続的に鍛えることが非常に難しい部位です。 当院では、高密度焦点式電磁(HIFEM)技術を用いて、深層の骨盤底筋群を効率的に刺激できる**エムセラ(EMSELLA)**を導入しています。エムセラは、1回の施術で約17,000回もの超極大筋収縮を誘発し、通常のトレーニングでは届きにくい深部筋にアプローチします。 これにより、骨盤底筋の位置や収縮感覚を再教育し、回数を重ねることで筋力回復・機能改善・維持を目指します。

理学療法やピラティスとの併用

当院では、理学療法士による理学療法やピラティスを併用し、骨盤底筋だけでなく体幹インナーマッスル全体の機能改善を図っています。 これにより、尿失禁治療にとどまらず、腰痛・骨盤痛の改善、姿勢の安定、下半身ラインの引き締めといった幅広い効果を期待できる治療プログラムを構築しています。 エムセラ治療の特徴として、服を着たまま座るだけの治療で日常生活への影響がなく、非侵襲的で痛みが少なくダウンタイムなしです。治療後すぐにご帰宅可能で、通院の負担を最小限に抑えた設計となっています。男女問わず、加齢・出産後・運動不足に伴う骨盤底機能低下に対応しています。

まとめ

夜間頻尿は、夜間多尿、機能的膀胱容量の低下、睡眠障害という3つの主な原因があります。 特に夜間多尿のタイプの方は、塩分と水分の摂取量を調整したり、アルコール・カフェイン・辛い物を避けたりすることで、生活習慣の改善により症状が軽減する可能性があります。 また、骨盤底筋の機能低下が原因の場合は、エムセラのような最新の治療法や理学療法・ピラティスとの併用により、効果的な改善が期待できます。 夜間頻尿は「年齢のせい」「仕方がない」と諦める前に、医学的根拠に基づいた治療の選択肢をご検討ください。当院では、患者さまの症状や生活背景を丁寧に評価したうえで、必要に応じた回数・併用治療をご提案しています。 健全な日常生活を営む上で、十分な睡眠をとることは大事なことです。夜間頻尿でお悩みの方は、まずは排尿日誌をつけてご自身の症状を把握し、適切な対策を見つけてください。 神保町整形外科では、夜間頻尿や骨盤底機能低下に関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

咳をすると尿漏れするのはなぜ?よくある原因と考え方を解説

2026.02.12

「咳やくしゃみをしたときに、少し尿が漏れてしまった・・・」 こうした経験をお持ちの方は、決して少なくありません。 特に女性に多く見られる症状で、40代の30%以上が「尿失禁あり」または「尿失禁の経験あり」と答えているというデータもあります。 年齢のせいだと諦めてしまう方もいらっしゃいますが、実はこの症状には明確な原因があり、適切な対処によって改善できる可能性があります。

咳で尿漏れが起こる仕組み~腹圧性尿失禁とは

咳やくしゃみ、運動などによって腹圧が高くなる(お腹に力が入る)ことで起こる尿漏れを、医学的には「腹圧性尿失禁」と呼びます。 女性の尿失禁の中で最も多いタイプです。 腹圧性尿失禁は、尿道を締める筋肉がゆるむことが原因で起こると考えられています。 健康な状態では、腹圧がかかっても骨盤底筋群が尿道をしっかりと支え、尿が漏れないように調整しています。 しかし、骨盤底筋の機能が低下すると、腹圧がかかった際に尿道もゆるみ、尿漏れの原因となるのです。 花粉症の時期や風邪をひいたときなど、くしゃみや咳が増えると尿漏れも増えて困っている、という声をよく耳にします。 これは、くしゃみや咳によって腹圧が繰り返しかかることで、骨盤底筋への負担が増すためです。

骨盤底筋群とは?~尿漏れを防ぐ重要な筋肉

骨盤底筋群とは、腸や子宮など、骨盤内の臓器を骨盤の底で支えている筋肉の総称です。 ハンモック状の構造をしており、膀胱や子宮などを下から支える役割を担っています。 その他にも、排尿・排便時に排出口を締める・緩めることや、骨盤帯の安定化、姿勢の保持などにも深く関わっています。

骨盤底筋がゆるむ主な原因

骨盤底筋がゆるんでしまう原因には、次のようなものがあります。 妊娠・出産 妊娠・出産によって、骨盤底筋が引き伸ばされたり傷ついたりするとゆるみの原因になります。 若い頃の妊娠・出産では回復も早いとされていますが、分娩回数が増えるにつれてゆるみも大きくなる傾向にあります。 更年期、加齢 更年期、加齢も骨盤底筋のゆるみの原因です。 女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって尿道の機能が衰えることや、加齢によって筋力そのものが低下してしまうことなどが挙げられます。 便秘、肥満 便秘によっていきむことや、肥満によって過剰な体重が骨盤底筋にかかることもゆるみの原因です。 また、便秘や肥満は膀胱を圧迫するため、腹圧性尿失禁そのものを起こしやすくします。 力仕事 重いものを持ち上げるなど、力仕事を日常的にすることも骨盤底筋に負担をかけ、ゆるみの原因となります。 また、力仕事をすると腹圧がかかり、腹圧性尿失禁そのものが起こりやすくなります。
 

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若い女性にも起こる腹圧性尿失禁

「尿漏れ=高齢者の症状」と思われがちですが、実際は20代や30代の若い女性にも見られる症状です。 近年では出産経験のない若い女性にも、24%の高い割合で腹圧性尿失禁がみられると報告されています。 これは、運動不足や長時間の座位、肥満、便秘などの生活習慣が影響していると考えられます。 また、激しいスポーツを行う若い女性アスリートにも、腹圧性尿失禁が見られることがあります。 年齢に関わらず、骨盤底筋の機能低下は誰にでも起こりうる問題です。

骨盤底筋トレーニングで改善を目指す

腹圧性尿失禁は、頻度や量が多ければ服薬や手術の対象になりますが、軽度であれば骨盤底筋トレーニングで改善が可能です。 また、日頃からトレーニングをくり返すことで、腹圧性尿失禁の予防にも効果があります。

骨盤底筋トレーニングの基本

普段の生活で骨盤底筋を意識する機会は少ないため、ポイントを押さえた正しいやり方を身につけましょう。 なるべく全身の力は抜き、骨盤底筋に集中するようにします。 まずは仰向けや椅子に座った姿勢で、尿道や肛門を締める感覚、排尿を途中で止める・我慢する感覚を意識してみてください。 慣れてきたら、立ちながら行ってみてください。 日常生活の中で腹圧性尿失禁が生じるのは、立ち姿勢で動いている時が多いと言われており、立ち姿勢での骨盤底筋機能も重要だと言われています。

トレーニングのポイント

3秒力を入れ、5秒緩める 「締める・緩める」のメリハリをつけることが大切です。 10回を1セットとして、1日5セット程度が理想です。 呼吸も意識する 慣れてきたら呼吸も意識しましょう。 お腹がへこむように息を「フー」と吐きながら骨盤底筋に力を入れます。 継続が大切 一般的に、2~3ヶ月で効果が最大になると言われています。 まずは2週間続けてみることから始めてみてください。

減量も効果的な対策のひとつ

女性の腹圧性尿失禁を経験される多くは妊娠・出産ではないでしょうか。 これは妊娠による腹圧の上昇と出産による骨盤底筋の緩みが原因と考えられております。 多くの場合は6ヶ月程度で改善いたしますが、40歳を過ぎたころから再び失禁を起こすようになります。 このような時には自分の「体重」を見直してみましょう。 特に5年以内に体重が増えている方は要注意です。 適正な体重から大きく外れている方はまずは減量から始めると効果的です。 適正体重の計算方法は、身長(m)×身長(m)×22で求められます。 例えば、153㎝の方であれば、1.53×1.53×22=51.5Kgが理想体重となります。

神保町整形外科でのエムセラ治療

骨盤底筋トレーニングを続けることが難しい、やり方がわからない、続けても効果が出ないという方は大勢おられます。 そのような方には、最新の治療機器を用いたケアという選択肢もあります。

エムセラとは

神保町整形外科では、尿失禁や骨盤底機能低下に悩む患者さまに対し、エムセラ(EMSELLA)を用いた骨盤底筋治療を提供しています。 エムセラは、高密度焦点式電磁(HIFEM)技術を用いて、深層の骨盤底筋群を効率的に刺激できる治療機器です。 1回の施術で約17,000回もの超極大筋収縮を誘発し、通常のトレーニングでは届きにくい深部筋にアプローチします。 これにより、骨盤底筋の位置や収縮感覚を再教育し、回数を重ねることで筋力回復・機能改善・維持を目指します。

エムセラ治療の特徴

服を着たまま、座るだけの治療 日常生活への影響がありません。 非侵襲的で痛みが少なく、ダウンタイムなし 治療後すぐにご帰宅可能で、通院の負担を最小限に抑えた設計となっています。 男女問わず対応 加齢・出産後・運動不足に伴う骨盤底機能低下に対応しています。

理学療法・ピラティスとの併用

当院では、エムセラ単独の治療だけでなく、理学療法士による理学療法やピラティスを併用し、骨盤底筋だけでなく体幹インナーマッスル全体の機能改善を図っています。 これにより、尿失禁治療にとどまらず、腰痛・骨盤痛の改善、姿勢の安定、下半身ラインの引き締めといった幅広い効果を期待できる治療プログラムを構築しています。

こんな症状があれば医療機関への相談を

以下のような症状がある場合は、医療機関への受診を検討しましょう。 尿漏れの回数や量が多い 日常生活に支障をきたすレベルの尿漏れがある場合は、早めの受診をおすすめします。 骨盤底筋トレーニングを続けても改善しない 2~3ヶ月トレーニングを続けても効果が感じられない場合は、専門家に相談してみてください。 産後半年以上経っても尿漏れが続く 多くの場合、産後の尿漏れは半年から1年で自然に回復しますが、症状が続く場合は骨盤底筋トレーニングなどのケアや、医療機関への受診が必要です。 外出や社会生活に不安を感じる 尿漏れへの不安が大きくなり、生活の質(QOL)に深刻な影響が生じている場合は、我慢せずに相談してください。 尿漏れは泌尿器科への受診となりますが、最近では、女性専用の泌尿器科(女性泌尿器科)、泌尿器科と婦人科の境界領域を診療するウロギネ外来などもあります。 また、更年期の治療に力を入れている婦人科(女性ヘルスケア専門医など)で相談してみるのもいいでしょう。

まとめ~尿漏れは改善できる症状です

咳やくしゃみで尿漏れが起こる腹圧性尿失禁は、骨盤底筋の機能低下が主な原因です。 妊娠・出産、加齢、肥満、便秘など、さまざまな要因で骨盤底筋はゆるみやすくなります。 しかし、適切な骨盤底筋トレーニングや減量、必要に応じた医療機関での治療によって、改善を目指すことができます。 「年齢のせいだから仕方ない」と諦める前に、まずはできることから始めてみてください。 神保町整形外科では、患者さまの症状や生活背景を丁寧に評価したうえで、必要に応じた回数・併用治療をご提案しています。 尿失禁や骨盤周囲の不調を「仕方がない」と諦める前に、医学的根拠に基づいた治療の選択肢として、エムセラを活用した骨盤底筋治療をご検討ください。 当院は、エムセラ治療を通じて生活の質(QOL)の向上を目指す整形外科として、今後も機能回復と予防医療の両立に取り組んでまいります。 お気軽にご相談ください。 神保町整形外科では、デリケートなお悩みに対しても、安心してご相談いただける体制を整えております。 初回5分の無料トライアルも用意されており、「まずは体験してから考えたい」という方にも配慮されています。 お問い合わせは、お電話またはホームページからお気軽にどうぞ。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

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投稿者:神保町整形外科

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