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咳をすると尿漏れするのはなぜ?よくある原因と考え方を解説

2026.02.12

「咳やくしゃみをしたときに、少し尿が漏れてしまった・・・」 こうした経験をお持ちの方は、決して少なくありません。 特に女性に多く見られる症状で、40代の30%以上が「尿失禁あり」または「尿失禁の経験あり」と答えているというデータもあります。 年齢のせいだと諦めてしまう方もいらっしゃいますが、実はこの症状には明確な原因があり、適切な対処によって改善できる可能性があります。

咳で尿漏れが起こる仕組み~腹圧性尿失禁とは

咳やくしゃみ、運動などによって腹圧が高くなる(お腹に力が入る)ことで起こる尿漏れを、医学的には「腹圧性尿失禁」と呼びます。 女性の尿失禁の中で最も多いタイプです。 腹圧性尿失禁は、尿道を締める筋肉がゆるむことが原因で起こると考えられています。 健康な状態では、腹圧がかかっても骨盤底筋群が尿道をしっかりと支え、尿が漏れないように調整しています。 しかし、骨盤底筋の機能が低下すると、腹圧がかかった際に尿道もゆるみ、尿漏れの原因となるのです。 花粉症の時期や風邪をひいたときなど、くしゃみや咳が増えると尿漏れも増えて困っている、という声をよく耳にします。 これは、くしゃみや咳によって腹圧が繰り返しかかることで、骨盤底筋への負担が増すためです。

骨盤底筋群とは?~尿漏れを防ぐ重要な筋肉

骨盤底筋群とは、腸や子宮など、骨盤内の臓器を骨盤の底で支えている筋肉の総称です。 ハンモック状の構造をしており、膀胱や子宮などを下から支える役割を担っています。 その他にも、排尿・排便時に排出口を締める・緩めることや、骨盤帯の安定化、姿勢の保持などにも深く関わっています。

骨盤底筋がゆるむ主な原因

骨盤底筋がゆるんでしまう原因には、次のようなものがあります。 妊娠・出産 妊娠・出産によって、骨盤底筋が引き伸ばされたり傷ついたりするとゆるみの原因になります。 若い頃の妊娠・出産では回復も早いとされていますが、分娩回数が増えるにつれてゆるみも大きくなる傾向にあります。 更年期、加齢 更年期、加齢も骨盤底筋のゆるみの原因です。 女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって尿道の機能が衰えることや、加齢によって筋力そのものが低下してしまうことなどが挙げられます。 便秘、肥満 便秘によっていきむことや、肥満によって過剰な体重が骨盤底筋にかかることもゆるみの原因です。 また、便秘や肥満は膀胱を圧迫するため、腹圧性尿失禁そのものを起こしやすくします。 力仕事 重いものを持ち上げるなど、力仕事を日常的にすることも骨盤底筋に負担をかけ、ゆるみの原因となります。 また、力仕事をすると腹圧がかかり、腹圧性尿失禁そのものが起こりやすくなります。
 

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若い女性にも起こる腹圧性尿失禁

「尿漏れ=高齢者の症状」と思われがちですが、実際は20代や30代の若い女性にも見られる症状です。 近年では出産経験のない若い女性にも、24%の高い割合で腹圧性尿失禁がみられると報告されています。 これは、運動不足や長時間の座位、肥満、便秘などの生活習慣が影響していると考えられます。 また、激しいスポーツを行う若い女性アスリートにも、腹圧性尿失禁が見られることがあります。 年齢に関わらず、骨盤底筋の機能低下は誰にでも起こりうる問題です。

骨盤底筋トレーニングで改善を目指す

腹圧性尿失禁は、頻度や量が多ければ服薬や手術の対象になりますが、軽度であれば骨盤底筋トレーニングで改善が可能です。 また、日頃からトレーニングをくり返すことで、腹圧性尿失禁の予防にも効果があります。

骨盤底筋トレーニングの基本

普段の生活で骨盤底筋を意識する機会は少ないため、ポイントを押さえた正しいやり方を身につけましょう。 なるべく全身の力は抜き、骨盤底筋に集中するようにします。 まずは仰向けや椅子に座った姿勢で、尿道や肛門を締める感覚、排尿を途中で止める・我慢する感覚を意識してみてください。 慣れてきたら、立ちながら行ってみてください。 日常生活の中で腹圧性尿失禁が生じるのは、立ち姿勢で動いている時が多いと言われており、立ち姿勢での骨盤底筋機能も重要だと言われています。

トレーニングのポイント

3秒力を入れ、5秒緩める 「締める・緩める」のメリハリをつけることが大切です。 10回を1セットとして、1日5セット程度が理想です。 呼吸も意識する 慣れてきたら呼吸も意識しましょう。 お腹がへこむように息を「フー」と吐きながら骨盤底筋に力を入れます。 継続が大切 一般的に、2~3ヶ月で効果が最大になると言われています。 まずは2週間続けてみることから始めてみてください。

減量も効果的な対策のひとつ

女性の腹圧性尿失禁を経験される多くは妊娠・出産ではないでしょうか。 これは妊娠による腹圧の上昇と出産による骨盤底筋の緩みが原因と考えられております。 多くの場合は6ヶ月程度で改善いたしますが、40歳を過ぎたころから再び失禁を起こすようになります。 このような時には自分の「体重」を見直してみましょう。 特に5年以内に体重が増えている方は要注意です。 適正な体重から大きく外れている方はまずは減量から始めると効果的です。 適正体重の計算方法は、身長(m)×身長(m)×22で求められます。 例えば、153㎝の方であれば、1.53×1.53×22=51.5Kgが理想体重となります。

神保町整形外科でのエムセラ治療

骨盤底筋トレーニングを続けることが難しい、やり方がわからない、続けても効果が出ないという方は大勢おられます。 そのような方には、最新の治療機器を用いたケアという選択肢もあります。

エムセラとは

神保町整形外科では、尿失禁や骨盤底機能低下に悩む患者さまに対し、エムセラ(EMSELLA)を用いた骨盤底筋治療を提供しています。 エムセラは、高密度焦点式電磁(HIFEM)技術を用いて、深層の骨盤底筋群を効率的に刺激できる治療機器です。 1回の施術で約17,000回もの超極大筋収縮を誘発し、通常のトレーニングでは届きにくい深部筋にアプローチします。 これにより、骨盤底筋の位置や収縮感覚を再教育し、回数を重ねることで筋力回復・機能改善・維持を目指します。

エムセラ治療の特徴

服を着たまま、座るだけの治療 日常生活への影響がありません。 非侵襲的で痛みが少なく、ダウンタイムなし 治療後すぐにご帰宅可能で、通院の負担を最小限に抑えた設計となっています。 男女問わず対応 加齢・出産後・運動不足に伴う骨盤底機能低下に対応しています。

理学療法・ピラティスとの併用

当院では、エムセラ単独の治療だけでなく、理学療法士による理学療法やピラティスを併用し、骨盤底筋だけでなく体幹インナーマッスル全体の機能改善を図っています。 これにより、尿失禁治療にとどまらず、腰痛・骨盤痛の改善、姿勢の安定、下半身ラインの引き締めといった幅広い効果を期待できる治療プログラムを構築しています。

こんな症状があれば医療機関への相談を

以下のような症状がある場合は、医療機関への受診を検討しましょう。 尿漏れの回数や量が多い 日常生活に支障をきたすレベルの尿漏れがある場合は、早めの受診をおすすめします。 骨盤底筋トレーニングを続けても改善しない 2~3ヶ月トレーニングを続けても効果が感じられない場合は、専門家に相談してみてください。 産後半年以上経っても尿漏れが続く 多くの場合、産後の尿漏れは半年から1年で自然に回復しますが、症状が続く場合は骨盤底筋トレーニングなどのケアや、医療機関への受診が必要です。 外出や社会生活に不安を感じる 尿漏れへの不安が大きくなり、生活の質(QOL)に深刻な影響が生じている場合は、我慢せずに相談してください。 尿漏れは泌尿器科への受診となりますが、最近では、女性専用の泌尿器科(女性泌尿器科)、泌尿器科と婦人科の境界領域を診療するウロギネ外来などもあります。 また、更年期の治療に力を入れている婦人科(女性ヘルスケア専門医など)で相談してみるのもいいでしょう。

まとめ~尿漏れは改善できる症状です

咳やくしゃみで尿漏れが起こる腹圧性尿失禁は、骨盤底筋の機能低下が主な原因です。 妊娠・出産、加齢、肥満、便秘など、さまざまな要因で骨盤底筋はゆるみやすくなります。 しかし、適切な骨盤底筋トレーニングや減量、必要に応じた医療機関での治療によって、改善を目指すことができます。 「年齢のせいだから仕方ない」と諦める前に、まずはできることから始めてみてください。 神保町整形外科では、患者さまの症状や生活背景を丁寧に評価したうえで、必要に応じた回数・併用治療をご提案しています。 尿失禁や骨盤周囲の不調を「仕方がない」と諦める前に、医学的根拠に基づいた治療の選択肢として、エムセラを活用した骨盤底筋治療をご検討ください。 当院は、エムセラ治療を通じて生活の質(QOL)の向上を目指す整形外科として、今後も機能回復と予防医療の両立に取り組んでまいります。 お気軽にご相談ください。 神保町整形外科では、デリケートなお悩みに対しても、安心してご相談いただける体制を整えております。 初回5分の無料トライアルも用意されており、「まずは体験してから考えたい」という方にも配慮されています。 お問い合わせは、お電話またはホームページからお気軽にどうぞ。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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