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膝を曲げると痛いのはなぜ?原因となる疾患と整形外科を受診すべきケース

2026.03.16

膝を曲げると痛む症状について

膝を曲げると痛みを感じる。 こうした症状に悩まされている方は、決して少なくありません。階段の昇り降りで膝が痛む、正座ができない、立ち上がる時に膝がズキッとする・・・こうした痛みは日常生活に大きな支障をきたします。 膝の痛みは「年齢のせい」と思われがちですが、実は筋肉・神経・関節の炎症や硬さ、姿勢の乱れ、運動不足、ストレスなど、さまざまな原因が組み合わさって起こる「治療が必要な症状」です。 膝を曲げると痛いという症状には、変形性膝関節症や関節リウマチ、半月板損傷など、さまざまな疾患が関連しています。痛みの原因を正しく理解し、適切なタイミングで整形外科を受診することが、症状の改善と生活の質の向上につながります。

膝を曲げると痛む主な原因疾患

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝の痛みの原因として最も多い疾患です。 関節軟骨の質が低下し、少しずつすり減ることで、歩行や立ち上がる時に膝の痛みが出現します。男女比は1:4で女性に多く、高齢者になるほど罹患率が高くなります。 初期症状としては、立ち上がりや歩きはじめなど動作の開始時のみに痛みが生じ、休めば痛みがとれます。平地での歩行は大丈夫でも、階段で膝が痛いために困っている、歩行時の膝の痛みはないけれど正座は膝が痛くてできない、などが典型的です。 中期になると、正座や階段の昇降が困難となります。 末期では、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。次第にO脚が進んでいき、階段のみでなく平地での歩行にも支障をきたすようになります。 原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や遺伝的素因も関与しています。また、骨折や靱帯損傷、半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。 出典公益社団法人日本整形外科学会「変形性膝関節症」より作成

半月板損傷

半月板は膝関節内にあるクッションの役割を果たす組織です。 ジャンプや方向転換など急な動作で損傷を起こすことが多い部位です。損傷した瞬間に気が付く場合もありますが、定期的なスポーツでの反復動作でだんだんと傷が拡がっていく場合もあり、いつ怪我をしたのかはっきりとわからないこともあります。 膝を曲げると痛む、膝が引っかかる感じがする、膝に水が溜まる、といった症状が特徴的です。半月板の損傷した部位や損傷の仕方によっては、手術が望ましい場合もあります。

膝靱帯損傷

膝の靱帯が損傷すると、痛みに加えて不安定な感覚や膝が外れる感覚も伴う場合があります。 スポーツ時の急な方向転換や着地、交通事故などで起こることが多く、膝を曲げる動作で痛みが強くなります。

関節リウマチ

関節リウマチは近年、高齢者でも発症することが増えてきました。 手だけでなく膝が腫れることもあり、特に高齢者で膝が痛くなった時には筋力の衰えが進行し、ロコモティブシンドローム、サルコペニア、フレイルなど、加齢に伴って起こりやすくなる問題が起こり、そのまま放置すると介護が必要な状況に達することもあります。 自己免疫や加齢によって起こる免疫システムの異常が原因と言われており、早期診断・早期治療が重要です。近年、生物学的製剤や分子標的薬といった新しい薬剤が使えるようになったため、関節の痛みがなく日常生活動作を保って生活できる寛解という状態を維持しやすくなってきました。 出典国立長寿医療研究センター「膝関節の痛みと治療について」より作成

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急性の膝の痛みについて

偽痛風

急に膝が腫れて、熱を持つなどして痛くなった場合、最も多いのは偽痛風です。 関節内にピロリン酸カルシウムという結晶が沈着して起こるもので、加齢と脱水などが原因と言われています。関節液を採取して調べ、結晶が確認できると診断が確定します。治療は消炎鎮痛剤が用いられます。

痛風

尿酸値が高い場合、尿酸ナトリウムの結晶が関節内にたまると起こる痛風発作が起こります。 痛風は尿酸の結晶が関節に沈着することで起こる関節の炎症で、膝だけでなくさまざまな関節に起こります。膝に起こった場合、きっかけのない急な強い痛み、赤みや熱を伴う、膝の曲げ伸ばしや体重をかけることで痛みが強くなる、といった特徴があります。 初期治療は消炎鎮痛剤を用い、痛みや腫れがおちついた後は尿酸を下げる薬を内服して再発予防をする必要があります。

化膿性膝関節炎

化膿性膝関節炎は、歯周病や感染性心内膜炎などといった他の場所で感染した細菌が血流に乗って膝に到達することで起こります。 治療が遅れると、全身に菌が回り命に関わることもあります。また、関節内に細菌が入った場合、速やかに洗浄・抗生剤治療などを行わないと関節軟骨がとけてしまいます。骨髄炎を起こしてしまうと治りが非常にわるいため、熱があって膝が腫れて痛い場合は速やかに医療機関を受診してください。 出典国立長寿医療研究センター「膝関節の痛みと治療について」より作成

整形外科を受診すべきケース

膝の痛みが続く場合、治療が必要な病気の可能性があります。 一度病院を受診して、原因をはっきりさせましょう。太ももに痛みがある場合、歩けるからといっても骨折していないとは限りません。 特に60代以上の方では、気が付かない間に骨粗鬆症が進んでしまい骨折しやすくなっていることがあります。段差を踏み外す程度の力でも膝のまわりの骨を骨折してしまうことがあり、代表的なものに脛骨近位端骨折があります。 通常は大きな痛みを伴い歩くことができなくなる骨折ですが、レントゲンでもほとんどわからないような小さなヒビの場合にはこの限りではありません。痛いながらも歩くことができてしまうため、1〜2週間経過して「痛みが改善しない」といって受診される方もいます。 ほとんどずれが無い状況なら手術が不要な場合もあるため、早めの受診が大切です。 以下のような症状がある場合は、速やかに整形外科を受診することをおすすめします。
  • 膝の痛みが1週間以上続いている
  • 膝が赤く腫れている
  • 膝に熱感がある
  • 発熱を伴う膝の痛みがある
  • 膝が曲がらない、伸びない
  • 膝に力が入らない
  • 膝がガクッと外れる感じがする
  • 日常生活に支障をきたすほどの痛みがある
若い方でも手術を要するケガをしている場合があります。さまざまな病気が原因になり得ます。治療を要する場合も少なくないため、痛みが続く場合には整形外科を受診して原因をはっきりさせましょう。 初診の方へ

神保町整形外科での膝の痛み治療

神保町整形外科では、膝の痛みに対して痛みの原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を提供しています。

痛みの原因を丁寧に評価

レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 関節軟骨はレントゲンでは写りませんが、超音波検査やMRI検査を用いることで、関節軟骨の摩耗程度と質の変化まで把握できるようになってきました。また、血液・尿検査にて、変形性膝関節症の痛みの有無の特徴もつかむことができます。

症状に合わせた最適な治療

飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 変形性膝関節症の治療では、ヒアルロン酸関節内注射、運動療法、体重コントロール、鎮痛剤が有効です。関節変形が進行してこれらの方法では改善が見られない場合は、人工関節手術を行う場合があります。 痛みを我慢して筋力低下が進行してしまうと手術をしても十分な歩行能力が得られない事があるため、適切なタイミングでの手術が必要となります。

生活動作・姿勢改善までサポート

痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 膝の痛みの予防として、ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える、正座をさける、肥満であれば減量する、膝をクーラーなどで冷やさず温めて血行を良くする、洋式トイレを使用する、といったことが挙げられます。 運動療法は痛みに対して効果があることが研究で証明されています。3ヵ月の足上げ運動により、膝の骨をつつむ関節液の成分であるヒアルロン酸の鎖が長くなり、粘り気が増すことで関節を守る力が強くなることがわかっています。 神保町整形外科では、独自の運動療法(筋力訓練と関節のストレッチング)を外来で実技指導し、パンフレットをお渡しして、ご自宅で毎日行っていただくことで、優れた効果を得ています。

手術後の痛みにも対応

他院での手術後の痛みや不安もお気軽にご相談ください。

まとめ

膝を曲げると痛いという症状は、決して「年齢のせい」とあきらめるべきではありません。 変形性膝関節症、関節リウマチ、半月板損傷、靱帯損傷、偽痛風、痛風、化膿性関節炎など、さまざまな疾患が膝の痛みの原因となります。それぞれの疾患には特徴的な症状があり、適切な診断と治療が必要です。 膝の痛みが1週間以上続く場合、膝が赤く腫れている場合、熱感や発熱を伴う場合、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、速やかに整形外科を受診しましょう。 神保町整形外科では、レントゲン・超音波検査などを用いて痛みの原因を丁寧に評価し、飲み薬・湿布・ブロック注射・物理療法・運動療法を組み合わせた最適な治療を提供しています。また、生活動作や姿勢改善までサポートし、痛みを繰り返さない身体づくりをめざします。 首・肩・腰の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を年齢のせいとあきらめず、どうかご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。 小さな不調でもお気軽にお越しください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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