ブログ

左側の腰が痛いのはなぜ?筋肉や神経が原因となるケースと受診の目安

2026.03.15

朝起きたとき、左側だけ腰が痛む。 立ち上がるとき、左の腰にズキッとした痛みが走る。 こんな経験はありませんか? 腰痛は日本人の多くが悩まされる症状ですが、「左側だけ」という片側性の痛みには、いくつかの特徴的な原因があります。筋肉の疲労や姿勢の偏り、椎間板ヘルニアなどの整形外科的な要因から、内臓の問題まで、幅広い可能性が考えられるのです。 この記事では、神保町整形外科の院長として多くの腰痛患者さんを診てきた経験をもとに、左側の腰痛の原因と対処法、そして受診の目安について詳しく解説します。

左側だけ腰が痛む原因とは?

腰の痛みが「左側だけ」に現れる場合、いくつかの特徴的な原因が考えられます。 片側性の腰痛は、身体の使い方の偏りや、特定の組織への負担が関係していることが多いのです。

筋肉の疲労と姿勢の偏り

最も多いのが、筋肉の疲労や姿勢の偏りによる痛みです。 デスクワークで長時間同じ姿勢を続けたり、立ち仕事で片足に体重をかける癖があったりすると、左右の筋肉バランスが崩れます。特に左側に負担がかかる姿勢を続けていると、腰の左側の筋肉が緊張し、硬くなって痛みを引き起こすのです。 また、鞄をいつも左肩にかける、左足を組む癖があるなど、日常生活での何気ない習慣が積み重なって、左側の筋肉に過度な負担をかけていることもあります。

椎間板ヘルニアと神経の圧迫

椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出して、神経を圧迫する状態です。 左側の神経が圧迫され、左側だけに痛みやしびれが現れます。動くとズキッと痛む、足にしびれが走る、前かがみになると痛みが強くなるといった症状が特徴的です。 椎間板ヘルニアによる痛みは、筋肉痛とは異なり、神経に沿って放散する痛みやしびれを伴うことが多く、注意が必要です。

仙腸関節の機能障害

仙腸関節は、骨盤の中心にある関節で、上半身と下半身をつなぐ重要な部位です。 この関節の動きが悪くなったり、炎症が起きたりすると、腰やお尻の片側に痛みが現れます。立ち上がる時や歩き始めに痛む、長時間座っているとつらい、階段の昇り降りで痛みが出るといった症状が典型的です。 仙腸関節の問題は、姿勢の偏りや出産後の骨盤の変化などが原因となることがあります。

座ると腰が痛いのはなぜ?原因と正しい対処法をわかりやすく解説

座っていると腰が痛くなる症状には、姿勢の乱れや筋肉の疲労、腰椎のトラブルなどさまざまな原因が考えられます。本記事では、座ると腰が痛くなる主な原因と、日常生活でできる対処法についてわかりやすく解説します。

► 記事を読む

内臓の病気が原因となるケース

左側の腰痛には、整形外科的な原因だけでなく、内臓の病気が隠れている場合もあります。 特に、安静にしていても痛みが続く、発熱や吐き気を伴う、尿の色や量に異常があるといった症状がある場合は、内臓疾患の可能性を考える必要があります。

腎臓の病気(腎盂腎炎・尿路結石)

左側の腰痛で特に注意が必要なのが、腎臓の病気です。 腎盂腎炎は、腎臓に細菌が感染して炎症を起こす病気で、左側の腎臓が炎症を起こすと、左側の腰に強い痛みが現れます。発熱、悪寒、吐き気、頻尿などの症状を伴うことが多く、早急な治療が必要です。 尿路結石も、左側に結石ができると左側の腰に激しい痛みが走ります。痛みは波のように強くなったり弱くなったりし、血尿を伴うこともあります。

膵臓の病気(膵炎)

膵臓は胃の後ろ側、背中に近い位置にある臓器です。 膵炎が起こると、上腹部から背中、腰にかけて痛みが広がることがあり、特に左側に痛みを感じることがあります。食後に痛みが強くなる、前かがみになると楽になる、吐き気や嘔吐を伴うといった特徴があります。 慢性的な飲酒習慣がある方や、胆石がある方は注意が必要です。

消化器系の病気(大腸の炎症)

大腸の左側(下行結腸やS状結腸)に炎症や憩室炎が起こると、左下腹部から左腰にかけて痛みが現れることがあります。 便秘や下痢を伴う、お腹が張る、排便後に痛みが軽減するといった症状が特徴的です。大腸憩室炎は、腸の壁にできた小さな袋(憩室)に炎症が起こる病気で、高齢者に多く見られます。

症状別の見分け方

左側の腰痛の原因を見分けるには、痛みの性質や伴う症状に注目することが大切です。 ここでは、症状のパターンから原因を推測するポイントをご紹介します。

動作で痛みが変わる場合

動くと痛みが強くなる、特定の姿勢で痛むという場合は、筋肉や関節の問題である可能性が高いです。 前かがみになると痛い場合は椎間板ヘルニア、反らすと痛い場合は椎間関節症、立ち上がる時だけ痛い場合は仙腸関節の問題などが考えられます。また、朝起きた時に固まった感じがして痛む場合は、筋肉の硬さや慢性的な炎症が関係していることが多いです。 安静にしていると痛みが軽減する場合は、整形外科的な問題の可能性が高いと言えます。

安静時も痛みが続く場合

じっとしていても痛みが続く、夜間に痛みで目が覚めるという場合は、内臓の問題や炎症性の病気を疑う必要があります。 特に、姿勢を変えても痛みが変わらない、痛みが徐々に強くなっているという場合は注意が必要です。腎臓や膵臓などの内臓疾患では、体位を変えても痛みが軽減しないことが特徴的です。

しびれや感覚異常を伴う場合

腰の痛みに加えて、足にしびれや感覚の鈍さがある場合は、神経が圧迫されている可能性があります。 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの神経障害性疼痛では、痛みだけでなく、しびれ、チクチクした感覚、触った感じが鈍いといった症状が現れます。しびれが足の先まで広がる、力が入りにくいという場合は、早めの受診が必要です。

発熱や尿の異常を伴う場合

腰痛に加えて、発熱、悪寒、吐き気、尿の色や量の異常がある場合は、内臓疾患の可能性が高いです。 腎盂腎炎では38度以上の高熱を伴うことが多く、尿路結石では血尿が見られることがあります。膵炎では食後の激しい痛みと吐き気が特徴的です。症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

緊急受診が必要なケース

左側の腰痛の中には、緊急性の高いものもあります。 以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

激しい痛みで動けない

突然の激痛で動けない、痛みがどんどん強くなるという場合は、緊急性が高い状態です。 尿路結石や大動脈解離、腹部大動脈瘤の破裂などの可能性があり、命に関わることもあります。特に、冷や汗が出る、意識が遠のく、血圧が下がるといった症状を伴う場合は、救急車を呼ぶことも検討してください。

足の麻痺や排尿障害がある

足に力が入らない、尿が出ない・止まらないという症状は、重度の神経圧迫を示すサインです。 馬尾症候群と呼ばれる状態では、脊髄の神経が強く圧迫され、下半身の麻痺や排尿・排便障害が起こります。この状態は緊急手術が必要になることもあり、一刻も早い受診が求められます。

高熱と強い痛みが続く

38度以上の発熱が続き、腰の痛みも強い場合は、感染症の可能性があります。 腎盂腎炎や化膿性脊椎炎などの感染症は、放置すると敗血症に進行する危険があります。発熱、悪寒、全身のだるさ、食欲不振などの症状を伴う場合は、早急に医療機関を受診してください。

神保町整形外科での診断と治療

左側の腰痛でお困りの方は、まず原因を正確に診断することが大切です。 神保町整形外科では、丁寧な問診と検査を通じて、痛みの原因を特定し、最適な治療をご提案しています。

詳しい問診と身体診察

痛みの場所、性質、いつから始まったか、どんな動作で痛むかなど、詳しくお話を伺います。 その上で、姿勢のチェック、筋肉の硬さや圧痛点の確認、関節の動きの評価などを行い、痛みの原因を絞り込んでいきます。必要に応じて、神経学的検査(反射、筋力、感覚の確認)も実施します。

レントゲン・超音波検査

問診と身体診察の結果をもとに、必要に応じてレントゲンや超音波検査を行います。 レントゲンでは骨の形や配列、椎間板の高さなどを確認し、超音波検査では筋肉や腱の状態、炎症の有無などを評価します。これらの検査により、椎間板ヘルニアや骨の変形、筋肉の損傷などを詳しく調べることができます。

症状に合わせた治療の組み合わせ

診断結果に基づいて、一人ひとりの症状に合わせた治療を組み合わせていきます。 急性期の強い痛みには、飲み薬や湿布、必要に応じてブロック注射で痛みを抑えます。痛みが落ち着いてきたら、物理療法(電気・温熱・超音波)や理学療法士による運動療法で、筋肉の緊張を緩和し、姿勢や動作の改善を図ります。 また、日常生活での姿勢や動作の癖を見直し、痛みを繰り返さないための指導も行っています。座り方、立ち方、荷物の持ち方など、具体的なアドバイスを通じて、再発予防をサポートします。

日常生活でできる予防と対処法

左側の腰痛を予防し、痛みを軽減するために、日常生活でできることがあります。 ここでは、すぐに実践できる対処法をご紹介します。

姿勢の見直しと体の使い方

デスクワークの場合は、30分から1時間に一度は立ち上がって軽く体を動かしましょう。椅子に座る時は、背もたれに背中をつけ、足を床にしっかりつけることで、腰への負担を減らせます。 また、鞄を持つ側を左右交互に変える、足を組む癖をやめるなど、体の使い方の偏りを減らす工夫も効果的です。

適度なストレッチと筋力トレーニング

腰周りの筋肉を柔らかく保つことで、痛みの予防につながります。 朝起きた時や仕事の合間に、腰を軽くひねる、前後に曲げるなどのストレッチを行いましょう。ただし、痛みが強い時は無理をせず、痛みが落ち着いてから始めることが大切です。 また、腹筋や背筋を適度に鍛えることで、腰を支える力が強くなり、負担を軽減できます。簡単な体幹トレーニングを日常に取り入れることをおすすめします。

温めるか冷やすかの判断

急性期の強い痛みや腫れがある場合は、冷やすことで炎症を抑えられます。 一方、慢性的な痛みや筋肉の硬さがある場合は、温めることで血流が良くなり、痛みが和らぎます。お風呂でゆっくり温まる、温湿布を使うなどの方法が効果的です。 ただし、痛みの原因によって適切な対処法が異なるため、迷った場合は医療機関で相談することをおすすめします。

まとめ

左側の腰痛には、筋肉の疲労や姿勢の偏り、椎間板ヘルニア、仙腸関節の問題など、さまざまな整形外科的原因があります。 また、腎臓や膵臓、大腸などの内臓疾患が隠れている場合もあり、注意が必要です。 痛みの性質や伴う症状をよく観察し、動作で痛みが変わるか、安静時も痛むか、しびれや発熱があるかなどを確認することで、原因をある程度推測できます。激しい痛みで動けない、足の麻痺や排尿障害がある、高熱を伴うといった場合は、緊急受診が必要です。 神保町整形外科では、詳しい問診と検査を通じて痛みの原因を特定し、飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法、運動療法など、症状に合わせた治療を組み合わせて提供しています。また、姿勢や動作の改善指導を通じて、痛みを繰り返さない体づくりをサポートします。 日常生活では、姿勢の見直し、適度なストレッチと筋力トレーニング、温める・冷やすの適切な判断などで、予防と症状の軽減が期待できます。 左側の腰痛でお困りの方は、症状を我慢せず、早めにご相談ください。神保町整形外科は、痛みの原因を丁寧に調べ、一人ひとりに合わせた治療で、また動ける日常を取り戻すお手伝いをいたします。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

 

投稿者:神保町整形外科

CONTACT

お問い合わせ

神保町駅から徒歩2分の整形外科です。
お仕事帰りのビジネスマンの方も
無理なく通院していただけます。

03-5577-7997