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変形性膝関節症の初期症状と整形外科を受診すべきタイミングを専門医が解説

2026.07.21

変形性膝関節症とは何か?その原因と仕組みを知る

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨が加齢・肥満・筋力低下などによって徐々にすり減り、関節内に炎症が起きて痛みや変形が生じる疾患です。40歳以上で「膝の痛み」を抱える方は全国で推定800万人にのぼり、その大部分が変形性膝関節症によるものとされています。 男女比は1:4で女性に多く、高齢者ほど罹患率が高くなります。原因は関節軟骨の老化によるものが多く、肥満・遺伝的素因・過去の外傷(骨折・靱帯損傷・半月板損傷)なども発症に関与します。 閉経後の女性は骨密度が低下しやすく、大腿四頭筋などの筋力も男性より弱い傾向があるため、膝関節への負荷が集中しやすくなります。これが女性に多い主な理由です。

神保町駅徒歩2分の整形外科 神保町整形外科

立ち上がりや歩き始めに膝が痛む方へ

初期の変形性膝関節症は、動き始めの痛みなど軽い症状から始まることがあります。早めに状態を確認しておくと安心です。まずはご相談ください。

 

 

変形性膝関節症の初期症状にはどのようなものがあるか?

初期の最大の特徴は「動作開始時の痛み」です。立ち上がる瞬間・歩き始めの数歩・階段の最初の一段で膝に違和感や軽い痛みを感じますが、動き続けると和らぐことが多いです。 具体的な初期症状として、以下が挙げられます。
  • 立ち上がり時の膝の違和感・こわばり:朝起きた直後や長時間座った後に顕著
  • 歩き始めの痛み:数歩歩くと軽減するが繰り返す
  • 階段昇降時の軽い痛み:特に下り階段で感じやすい
  • 正座・しゃがみ動作のしにくさ:膝を深く曲げると痛みや抵抗感がある
  • 膝を曲げ伸ばしするときのコキコキ・ゴリゴリ音
  • 膝を使った後の軽い腫れ:翌朝には引いていることが多い
これらの症状は「老化だから仕方ない」と見過ごされがちですが、放置すると軟骨だけでなく半月板・骨自体にも損傷が及び、歩行困難へと進行します。早期発見・早期治療が非常に重要です。

症状の進行段階(初期・中期・末期)の違いは?

変形性膝関節症は段階的に進行します。各ステージの特徴を把握しておくことで、自分の状態を客観的に評価できます。
  • 初期:動作開始時のみ痛み・こわばり。休めば痛みが取れる。レントゲンでは軽微な変化のみ
  • 中期:階段昇降・正座が困難になる。膝に水がたまることがある。O脚が目立ち始める
  • 末期:安静時・就寝時にも痛みが続く。膝がまっすぐ伸びず、歩行が困難になる。日常生活全般に支障が出る
重症度の判定にはレントゲン写真を用いたKL分類(Kellgren-Lawrence分類)が広く使われており、グレード2以上で変形性膝関節症と診断されます。ただし、レントゲンでは軟骨・半月板の状態が直接確認できないため、MRI検査を併用することで病態をより正確に把握できます。

整形外科をすぐに受診すべきタイミングはいつか?

「立ち上がりや歩き始めの痛みが2週間以上続く場合」は、迷わず整形外科を受診してください。初期段階での受診が、進行を最小限に抑える最善策です。 特に以下のいずれかに当てはまる場合は、早急な受診が必要です。
  • 膝の痛みが2週間以上改善しない
  • 膝に水がたまり、腫れや熱感がある
  • 平地歩行でも痛みが出るようになった
  • 夜間・安静時にも痛みを感じる
  • O脚の変形が目立ってきた
  • 膝がまっすぐ伸びなくなった
「まだ我慢できる」「年齢のせいだから」と受診を先延ばしにすることで、軟骨の損傷が不可逆的に進行します。筋肉や骨がしっかりしているうちに治療を開始するほど、保存療法での改善が期待でき、手術を回避できる可能性が高まります。

整形外科ではどのような検査・診断が行われるか?

整形外科での診断は、問診・視診・触診・レントゲン検査を基本に、必要に応じてMRI・血液検査を組み合わせて行います。 診断の流れは以下の通りです。
  • 問診:痛みの部位・発症時期・悪化するタイミング・日常生活への影響を確認
  • 視診・触診:膝内側の圧痛・腫れ・O脚変形・関節の動きの範囲を評価
  • レントゲン検査:関節の隙間(軟骨の厚み)・骨棘の有無・変形の程度を確認。KL分類でグレードを判定
  • MRI検査:軟骨・半月板・靱帯・骨髄浮腫の状態を詳細に評価。レントゲンでは見えない病変を検出
  • 血液検査・関節液検査:関節リウマチなど他疾患との鑑別が必要な場合に実施
最新のMRI技術を用いて関節軟骨の摩耗程度と質の変化まで把握できる診断体制を整えており、痛みが強くてもレントゲン上は初期と判定されるケースへの対応を重視しています。当院でも、症状と画像所見を総合的に判断し、一人ひとりに最適な治療方針を立てています。

変形性膝関節症の治療法にはどのようなものがあるか?

治療は「保存療法」から始め、効果が不十分な場合に「手術療法」を検討するのが基本方針です。多くの患者さんは保存療法で症状のコントロールが可能です。

保存療法(手術以外の治療)

保存療法には以下の方法があります。
  • 運動療法:大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)を鍛えることで膝への負担を軽減。手術以外で効果が証明されている最も重要な治療法
  • 薬物療法:消炎鎮痛剤(内服・外用)で痛みと炎症を抑制
  • ヒアルロン酸注射:膝関節内に注射し、軟骨保護と潤滑作用を補う
  • 物理療法:温熱療法・低周波治療・超音波治療などで血行改善と疼痛緩和
  • 装具療法:足底板・膝装具で関節への荷重を分散
  • 生活指導:肥満解消・正座を避ける・洋式トイレの使用など
大腿四頭筋強化訓練と関節可動域改善訓練を含む運動器リハビリテーションを治療の柱として推奨しています。当院では10名以上の理学療法士が常時在籍し、パワープレート(3次元ハーモニック振動)をはじめとした充実した設備のもとで、個別の運動療法プログラムを提供しています。

PFC-FD療法などのバイオセラピーという選択肢

保存療法を続けても十分な改善が得られないものの、まだ手術は避けたいという場合には、PFC-FD療法などのバイオセラピーが選択肢となることがあります。 PFC-FD療法は、患者さん自身の血液から採取した血小板由来の成長因子を活用し、身体が本来持つ組織の修復力をサポートすることを目的とした治療法です。メスを使わず注射で行うため、保存療法と手術の中間に位置づけられる治療として注目されています。 ただし、すべての変形性膝関節症に適応となるわけではなく、症状の程度や関節の状態、年齢、生活スタイルなどを総合的に評価したうえで適応を判断します。保存療法では改善が不十分である一方、できるだけ手術を避けたいと考える方にとっては、検討できる治療選択肢の一つです。

手術療法(保存療法で改善しない場合)

保存療法を半年程度継続しても効果が得られず、日常生活に支障がある場合に手術を検討します。主な手術は3種類です。
  • 関節鏡視下手術:初期〜軽症向け。傷が小さく身体への負担が少ない。費用は3割負担で約5万円。入院期間は1週間程度
  • 高位脛骨骨切り術(HTO):初期〜中期の比較的若い方(40〜50代)向け。自分の関節を温存でき、術後スポーツ復帰も可能。費用は3割負担で10〜12万円。入院期間は4週間程度
  • 人工膝関節置換術(TKA/UKA):末期・高齢者(70代以上)向け。痛みの大幅な改善が期待できる。人工関節の耐用年数は15〜20年。費用は3割負担で約24万円。入院期間は2週間〜2ヶ月程度
手術を受けるかどうかは最終的に患者さん自身が決めることです。筋肉・骨がしっかりしているうちに手術を受けるほど術後の満足度が高くなる傾向があります。

リハビリテーションで変形性膝関節症はどこまで改善できるか?

適切なリハビリテーションにより、多くの患者さんで痛みの軽減・歩行能力の改善・手術回避が実現できます。運動療法は変形性膝関節症の保存療法の中で最も科学的根拠が確立されています。 リハビリで特に重要なのは大腿四頭筋の強化です。太ももの前の筋肉を鍛えることで膝関節への衝撃が分散され、痛みが軽減します。また、関節可動域を維持するストレッチングも欠かせません。 当院(神保町整形外科)では、以下のリハビリ設備と専門スタッフ体制を整えています。
  • パワープレート:3次元ハーモニック振動を活用したトレーニングマシン。短時間で効率的な筋力強化が可能
  • 骨折超音波治療器・低周波治療器・マイクロ波治療器:痛みと炎症の緩和に活用
  • ウォーターベッド型マッサージ器・乾式ホットパック装置:血行促進と筋緊張の緩和
  • 自動牽引装置:関節への負担を軽減しながら可動域を改善
  • 10名以上の理学療法士が常時在籍し、個別プログラムで運動療法を実施
他院で手術を受けた後の外来リハビリにも積極的に対応しています。術後の回復期に専門的なリハビリを継続することで、日常生活動作(ADL)の早期回復が期待できます。

検査とリハビリで、膝の状態に合わせて対応します

当院では整形外科専門医が診察し、レントゲンなどで状態を確認します。理学療法士による運動療法にも対応し、膝への負担を減らす方法をご提案します。

 

変形性膝関節症を予防・進行を遅らせるために日常生活でできることは?

変形性膝関節症の予防と進行抑制には、体重管理・筋力強化・膝への負担軽減の3つが柱です。日常生活の習慣を見直すことで、発症リスクと症状悪化を大幅に軽減できます。
  • 大腿四頭筋を鍛える:椅子に座ったまま膝を伸ばして保持する運動(SLR)など、膝に負担をかけない筋トレを毎日継続
  • 正座を避ける:膝を深く曲げる動作は軟骨への圧力が高まるため、洋式トイレ・椅子生活を推奨
  • 肥満の解消:体重1kgの減量で膝への負担が歩行時に約3〜4kg軽減されるとされる
  • 膝を冷やさない:クーラーの冷気を直接当てず、入浴などで温めて血行を促進
  • 適度な有酸素運動:水中歩行・水泳・平地ウォーキングなど膝への衝撃が少ない運動を選択
  • 靴の選択:クッション性の高い靴を選び、足底板(インソール)の活用も検討
「痛みがあるから動かない」という悪循環が最も危険です。適切な運動で筋力を維持することが、長期的な膝の健康を守る最善策です。

神保町・千代田区周辺で変形性膝関節症の治療をお探しの方へ

神保町整形外科は、東京メトロ・都営地下鉄「神保町」駅A7出口から徒歩約2分の整形外科・リハビリテーション科クリニックです。整形外科専門医(医学博士・日本整形外科学会専門医)による診断と、10名以上の理学療法士によるリハビリテーションを組み合わせた治療を提供しています。平日毎日18時30分まで診療しており、仕事帰りや昼休みにも受診いただけます。オンライン診療(初診対応)にも対応しています。膝の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

変形性膝関節症の初期症状で最も多いものは何ですか?

最も多い初期症状は「立ち上がりや歩き始めの膝の痛み・こわばり」です。動き続けると和らぐのが特徴で、正座や階段昇降の困難感も初期から現れます。

膝が痛いとき、整形外科と整骨院のどちらに行くべきですか?

変形性膝関節症が疑われる場合は整形外科を受診してください。レントゲン・MRI検査による正確な診断と、薬物療法・注射・リハビリを含む総合的な治療は整形外科専門医のみが行えます。

変形性膝関節症は自然に治りますか?

自然治癒は期待できません。放置すると軟骨の損傷が進行し、歩行困難や手術が必要な状態になります。早期に整形外科を受診し、適切な治療を開始することが重要です。

変形性膝関節症の治療でヒアルロン酸注射はどのくらい効果がありますか?

ヒアルロン酸注射は軟骨保護と潤滑作用を補い、痛みの軽減に有効です。通常は週1回・5回を1クールとして行います。効果には個人差がありますが、運動療法と組み合わせることで相乗効果が期待できます。

変形性膝関節症の手術はいつ検討すべきですか?

保存療法(薬物療法・注射・リハビリ)を半年程度続けても改善せず、日常生活に支障が出ている場合が手術検討の目安です。筋力・骨がしっかりしているうちに手術を受けるほど術後の回復が良好です。

膝に水がたまったらどうすればよいですか?

膝に水がたまった場合は整形外科で関節液を抜く処置(関節穿刺)が必要です。水を抜いても癖になることはなく、炎症の原因を治療することで水がたまりにくくなります。自己判断で放置しないでください。

変形性膝関節症に正座は厳禁ですか?

正座は膝への負担が非常に大きいため、できるだけ避けることを推奨します。日本整形外科学会も正座を避け洋式トイレを使用することを予防策として挙げています。

膝の痛みに効果的な運動はありますか?

大腿四頭筋(太もも前面)を鍛えるSLR(下肢伸展挙上)や水中歩行が特に効果的です。膝への衝撃が少なく筋力を効率よく強化できます。理学療法士の指導のもとで正しいフォームで行うことが重要です。

変形性膝関節症は若い人でもなりますか?

主に50〜60代以降に多い疾患ですが、過去の膝の外傷(靱帯損傷・半月板損傷)がある方は若年でも発症します。スポーツ歴のある方や肥満の方は特に注意が必要です。

神保町整形外科ではオンライン診療を受けられますか?

はい、初診からオンライン診療に対応しています。神保町駅周辺だけでなく、千代田区・御茶ノ水・水道橋・九段下など広範囲からご利用いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。

結論

変形性膝関節症は「立ち上がり時の痛み」「歩き始めのこわばり」といった初期症状を見逃さず、2週間以上続く場合は早期に整形外科を受診することが最善策です。初期段階では運動療法・薬物療法・ヒアルロン酸注射などの保存療法で多くの場合改善が期待でき、手術を回避できます。神保町整形外科では整形外科専門医による診断と10名以上の理学療法士によるリハビリを組み合わせた治療を提供しています。膝の痛みを我慢せず、早めの受診で健康な膝を守ってください。

神保町整形外科(神保町駅徒歩2分)

膝の痛みのご相談を承っています。整形外科専門医が診察・検査で状態を確認し、運動療法を含めた対応をご提案します。お仕事帰りにも通院いただけます。

〒101-0051 千代田区神田神保町1-29 すずらんビル2F/診療:月〜金/休診:土・日・祝

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

A person in a white coat stands against a plain background, looking directly at the camera.

経歴

  • 平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局
  • 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事

資格

  • 医学博士
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 再生医療認定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本脊椎脊髄病学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本再生医療学会
 

投稿者:神保町整形外科

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