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歩くと膝が痛い…考えられる原因と病院へ行くべきサインを解説

2025.12.20

「歩くと膝が痛い」…その症状、放置していませんか?

朝起きて歩き始めるとき、膝に違和感を感じる。 階段を降りるときに膝がズキッと痛む。買い物から帰ってくると膝が重だるい。こうした症状を「年齢のせいだから仕方ない」と諦めていませんか? 実は膝の痛みには、筋肉・関節・神経の炎症や硬さ、姿勢の乱れ、運動不足、ストレスなど、さまざまな原因が組み合わさって起こる「治療が必要な症状」であることが多いのです。デスクワークやテレワークが増えた現代では、長時間同じ姿勢を続けることで知らず知らずのうちに膝や腰などに負担がかかり、痛みや不調が現れやすくなっています。 神保町整形外科では、膝の痛みの原因を丁寧に調べ、その方の生活に合わせた治療で、つらい症状を根本から改善するお手伝いをしています。

歩くと膝が痛くなる主な原因とは

膝の痛みの原因は、実に多岐にわたります。 大きく分けると、「炎症による痛み」と「変形による痛み」があり、さらに腱などの膝周囲の軟部組織の傷みや、腰痛・股関節の病気が原因で起こる膝痛もあるのです。ひと口に”膝痛”といっても、必ずしも原因が膝関節にあるとは限らないため、まずは整形外科でよく調べてもらうことが大切です。

変形性膝関節症による痛み

40歳以上で膝の痛みに悩む方の大部分は、変形性膝関節症によるものです。 この疾患は、膝の関節の軟骨の質が低下し、少しずつすり減ることで、歩行時に膝の痛みが出現します。平地での歩行は大丈夫でも、階段で膝が痛いために困っている、歩行時の膝の痛みはないけれど正座は膝が痛くてできない、などが初期の症状です。さらに進行すると、次第にO脚が進んでいき、階段のみでなく平地での歩行にも支障をきたすようになります。 女性に起こりやすく、高齢になるにつれてより発症しやすくなる傾向があります。初期の症状は膝の痛みや腫れで、歩きはじめや立ち上がりなど動作を開始するときに痛みが起こることが特徴的です。

関節リウマチによる膝の痛み

関節リウマチは、免疫の異常により関節に炎症が起こる病気です。 膝関節にも影響を及ぼし、痛みや腫れを引き起こします。関節リウマチと診断されている人に膝痛が起きたとき、その原因が関節リウマチではないこともあるため注意が必要です。腰痛や関節の軟部組織の傷みが原因で膝痛が起きていることもあるのです。 近年では、免疫抑制剤や生物学的製剤が飛躍的に進歩しており、これらの薬剤を早期から使用することで炎症を抑え、関節破壊を起こさないようにすることが可能な時代になっています。

膝周囲の軟部組織の損傷

捻挫や打撲などのけがにより、膝の靭帯・腱・軟骨・半月板などが損傷すると、膝の痛みや腫れが生じます。 スポーツ活動中の受傷が多く、損傷の程度によっては手術が必要になることもあります。また、成長期のスポーツ障害としては、脛骨結節とよばれるお皿の下の部分の骨がふくらんで痛みを伴うオスグット病や、軟骨が骨ごとはがれてしまう離断性骨軟骨炎などがあり、進行すると手術が必要となることもあります。

テレワークやデスクワークが膝に与える影響

意外に思われるかもしれませんが、テレワークやデスクワークも膝の痛みの原因となります。 長時間座りっぱなしでいると、膝関節が固定されてしまい、膝周りの筋肉が固まっていきます。そうすると立ち上がろうとしたときに関節に大きな負担がかかり、痛みや違和感を覚えるようになることも。この症状は「コロナ膝」とも呼ばれ、コロナ禍の外出自粛を機に訴える方が増えました。

長時間の座り作業が引き起こす問題

会社にいると、特に意識しなくても立ち上がったり移動したりする機会が自然と多くなります。 ところがテレワークの場合、気づいたら3時間経っていたなど、長時間同じ姿勢のまま座っていることも少なくありません。このように不自然な姿勢を維持することで、筋肉や関節に負担がかかり、痛みや不調が生じてしまうのです。 通常、コロナ膝の痛みや違和感は短い時間で治りますが、症状を放置すると関節がどんどん固まってしまい、動きが悪くなったり筋力が落ちたりすることにつながります。また、膝の軟骨の代謝も落ちるため、将来的に軟骨がどんどんすり減ってしまい、変形性膝関節症になってしまう恐れもあります。

姿勢の乱れと筋肉への負担

背中が丸まった姿勢になりやすく、筋肉に負担がかかります。 長時間同じ姿勢を維持することで血行が悪くなり、机やイスの高さ、モニターの位置などが適切でないと、さらに負担が増します。移動する機会が少なくなり運動不足に陥りやすいことも、膝の痛みを引き起こす要因となります。

病院へ行くべきサインと受診のタイミング

膝の痛みは、早めに医療機関を受診することが重要です。 特に以下のような症状があるときは、早めに整形外科を受診してください。

すぐに受診すべき症状

  • 歩くことができないような強い痛みを感じる
  • 腫れや熱感が強い
  • 膝がグラグラする、不安定に感じる
  • 寝起きにこわばる、夜中に痛みで目が覚める
  • 急激に下腿の冷感、強い痛み、しびれなどが出てきた
これらの症状がある場合、重大な疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。 急激に下腿の冷感、強い痛み、しびれなどが出てきた場合には、緊急の処置が必要となることがあるため、救急車を呼びましょう。

様子を見てもよい症状と受診の目安

軽い痛みや腫れではあるが長く続いている場合も、医療機関の受診が勧められます。 膝の痛みが数日~1週間以上続いている場合や、階段の昇り降りがつらい場合は、早めに整形外科を受診しましょう。強い痛みや腫れがなければ、歩く距離を減らしたり安静にすることで症状がよくなることが期待できますが、症状が続く場合には医療機関を受診してください。

どの診療科を受診すべきか

膝の痛みがある場合、まずは近隣の病院やクリニックの整形外科を受診しましょう。 ただし、痛みがひどく歩けない場合は、事前に病院へ問い合わせをし、入院や救急対応のできる病院を受診することをおすすめします。また、膝の痛みだけでなく発熱も伴う場合には、内科も併設されている病院への受診が望ましいです。 かかりつけ医の先生に対応いただいていることも多いです。痛風という病気を疑う場合は、おもに整形外科や内科を、関節リウマチという病気を疑う場合は、おもに膠原病内科や整形内科を受診していただくこともあります。

神保町整形外科での膝の痛みの診断と治療

神保町整形外科では、膝の痛みの原因を丁寧に評価し、最適な治療を提供しています。

詳細な検査による原因の特定

レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 膝の痛みで医療機関を受診すると、レントゲンを撮影して変形性膝関節症の診断をするのが一般的ですが、関節の軟骨はレントゲンでは写りません。従って、痛みが強い場合でもレントゲン写真ではその原因がわかりにくい場合があります。 当院では、必要に応じてレントゲンや超音波検査も実施し、痛みの原因をしっかり調べます。

症状に合わせた最適な治療の組み合わせ

飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 手術療法との大きな違いは、治療が注射で行えるということ。そのため入院は不要で、日帰りで体にも低負担な治療を受けていただけます。
  • 筋肉の緊張緩和…膝周りの筋肉の硬さをほぐします
  • 姿勢改善…負担の少ない動作や姿勢を一緒に見直します
  • 痛みを抑える治療…飲み薬や湿布、ブロック注射で痛みを軽減します
  • 運動療法・ストレッチ…理学療法士による指導で再発しにくい体づくりをめざします

生活動作・姿勢改善までサポート

痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直し、負担の少ない動作や筋力づくりなど、根本からの改善をめざします。腰は身体の中心であり、姿勢・筋力・日常の癖が深く影響しているため、痛みを抑える治療に加えて、こうした生活面のサポートも大切にしています。

膝の痛みを予防するために今日からできるこ

膝の痛みは、日々の生活習慣を見直すことで予防できます。

適度な運動と筋力トレーニング

運動療法は、手術以外で効果が証明されている方法です。 独自の運動療法(筋力訓練と関節のストレッチング)を毎日行うことで、優れた効果を得られます。単に薬だけでは変形性膝関節症の症状が改善しないのは、筋力低下によりさらに膝の痛みが持続もしくは悪化するという影響があるためです。

正しい姿勢と動作の習慣化

デスクワークやスマホの長時間使用により、首・肩・腰の痛みが増えています。 背中が丸まった姿勢になりやすく筋肉に負担がかかるため、正しい姿勢を意識することが大切です。机やイスの高さ、モニターの位置などを適切に調整し、長時間同じ姿勢を維持しないよう心がけましょう。

定期的な休憩と体のケア

長時間座りっぱなしを避け、定期的に立ち上がって歩くことが重要です。 1時間に1回程度は立ち上がり、軽くストレッチをするなど、体を動かす習慣をつけましょう。また、膝周りの筋肉を温めたり、マッサージをしたりすることで、血行を促進し筋肉の緊張をほぐすことができます。

まとめ:膝の痛みは早めの相談が大切です

歩くと膝が痛い症状には、さまざまな原因が考えられます。 変形性膝関節症、関節リウマチ、膝周囲の軟部組織の損傷、さらにはテレワークやデスクワークによる長時間の座位など、現代の生活習慣が膝の痛みを引き起こすこともあります。 強い痛みや腫れ、膝の不安定感などの症状がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。軽い痛みでも長く続いている場合は、放置せずに医療機関で相談することが大切です。 神保町整形外科では、レントゲン・超音波検査などを用いて痛みの原因をしっかり調べ、飲み薬・湿布・ブロック注射・物理療法・理学療法士による運動療法を組み合わせた治療を提供しています。生活動作や姿勢の改善まで丁寧にサポートし、痛みを繰り返さない体づくりをめざします。 「首・肩・腰の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を年齢のせいとあきらめず、どうかご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。」 小さな不調でもお気軽にお越しください。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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