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朝起きると腰が痛い…その原因と受診すべきサインを医師が解説

2025.11.29

朝の腰痛に悩んでいませんか?

「朝起きると腰が痛い」「ベッドから起き上がるのがつらい」…こんな症状に悩まされている方は少なくありません。 実は、腰痛に悩む方のうち約36%が、朝起きたときに最も痛みを感じているというデータがあります。また、約25%の方が体の動かし始めに腰痛を認めると回答しています。 朝の腰痛は、単なる寝起きの不調と軽く考えがちですが、実は様々な原因が隠れていることがあります。放置すると日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対処が大切です。 この記事では、整形外科専門医として多くの腰痛患者さんを診てきた経験から、朝起きたときの腰痛の原因と、受診すべきサインについて詳しく解説します。

なぜ朝に腰が痛くなるのか?主な5つの原因

朝起きたときに腰が痛くなる原因は、実はさまざまです。 その中でも、よく見られる原因をご紹介します。2つ以上の原因が重なって腰痛が発症することもあります。

筋肉の緊張

寝ているあいだの姿勢が悪い、寝具が合っていないことなどによって、背中や腰の筋肉が緊張すると、腰痛が引き起こされることがあります。 特に、長時間同じ姿勢で眠り続けると、筋肉が硬くなってしまうのです。

寝返りが少ない

寝返りは、身体のゆがみを改善したり、偏った負担を軽減したりといった役割を果たしていると言われています。 睡眠の質が悪い、マットレスがやわらかすぎる(低反発すぎる)と、寝返りが少なくなります。ひと晩で約20回ほど行う寝返りは、体の一箇所に負担がかかることを防ぎ、睡眠中に効率的に疲労回復や体の機能の修復作業をしてくれる、とても大切な動きです。

ストレス

検査で原因を特定できない腰痛の発症に関わっているとされるのが、ストレスです。 ストレスによって自律神経が乱れ、睡眠の質が悪くなる・血行が低下するといったことで、寝返りが少なくなり、腰痛を引き起こすと言われています。

冷え

冷えも、腰痛の原因となります。 寝室の室温が低すぎるなどして血行が悪くなり、寝返りが少なくなる・筋肉が緊張することで、腰痛が起こります。午前4~6時は、人間の体温が最も下がりやすい時間帯です。体温が下がるとからだは熱を逃がさないように血管を収縮させるので、血液の流れが悪くなります。 そうすると血液中にある疲労物質がスムーズに流れにくくなり、筋肉を硬くして痛みの原因になります。

椎間板の問題

椎間板とは腰骨の間にあるクッションのことです。 クッションの中には線維輪といった組織と中央にある髄核といったものがあります。これらの組織は、水分でほとんどを占めています。寝ている状態では髄核に圧力が掛かっておらず、髄核は水分を吸収して膨らんだ状態になります。朝、起き上がった際の圧力により膨らんだ髄核に対し、よりストレスが掛かり腰痛の症状が出やすくなり、激痛も発生しやすくなります。

朝の腰痛に関係する病気とは

朝起きるときだけに痛みがでる主な原因は、睡眠中に腰回りの血管や神経が圧迫されることと関係しています。 血行不良で酸欠状態になり、筋肉の繊維から痛みの炎症物質が多く放出され、起床時に痛みを感じるのです。 しかし、朝起きるときだけに痛むことは少なく、足のしびれや同じ姿勢を続けると痛みがでるなど他の症状もみられることが多いのです。

腰椎椎間板ヘルニア

背骨のうち、腰部分を構成する5つの骨のことを「腰椎」と言います。その骨と骨のあいだには、クッションの役割を果たす「椎間板」があります。 腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎の椎間板が正常な位置から飛び出し、脊髄や神経根を圧迫する病気です。腰痛に加え、足の痺れや痛み、排尿障害・排便障害などが見られることがあります。

腰部脊柱管狭窄症

背骨の中の神経の通り道である「脊柱管」が狭くなる病気です。 脊髄や神経根が圧迫されることで、腰痛、足の痺れや痛みなどの症状を引き起こします。足の痺れや痛みは、歩行時に強くなり、安静時に弱まる傾向があります。

急性腰痛症(ぎっくり腰)

重い物を持ち上げたときなどに、突然発症する強い腰痛です。 いわゆる、ぎっくり腰のことです。通常、症状は腰痛のみに限られ、徐々に改善していきます。ただし、痛みが悪化したり、発熱を伴ったりすることもあります。

腰椎すべり症

腰椎が正常な位置から外れ、脊髄や神経根を圧迫することで発症します。 腰痛、足の痺れや痛みなどの症状を伴います。足の痺れや痛みは、歩行時に強くなり、安静時に弱くなる傾向があります。一方で、全く症状が現れないケースも見られます。

腰部変形性脊椎症

主に加齢を原因として、椎間板や腰椎が変形する病気です。 多くは無症状ですが、変形が進んだケースでは神経が圧迫され、腰痛、足の痺れや痛み、背中の痛みなどの症状が現れます。

朝起きたときの腰痛を軽減する5つの対策

朝起きる時に腰が痛いという場合、ご自身でできる対策もあります。 思い当たることがあれば、まずはお試しになってみることをおすすめします。

寝るときの姿勢の改善

うつぶせ寝は、腰、首、肩などに負担をかけてしまいます。 できるだけ仰向けで寝るようにしましょう。仰向けに寝ると、内臓や内臓脂肪の重さが重力によって腰にかかります。内臓は体重のおよそ4割を占めていて、その重さがずっと腰にかかると腰の血管が圧迫され、血流が滞って疲労物質が発生し腰痛を引き起こしてしまうのです。 また、横向き寝はからだの左右どちらかの側面で全体重を支えるので、下になっている部分に負担がかかります。これが骨盤のゆがみにつながり、その結果、腰痛を引き起こす恐れがあります。

環境の改善

照明をつけっぱなしにして寝ることは避けましょう。 また、季節に応じて、エアコンを活用することをおすすめします。やや涼しめの温度だと、寝つきが良くなります。枕、マットレスの調整も有効です。低反発のものは、寝返りが少なくなる原因となりますので、ある程度の反発性のあるものをおすすめします。 少し硬めのマットレスがお勧めとなります。柔らかすぎるものは、体が沈んでしまい寝返りが打ち辛くなります。マットレスは合う合わないがはっきりと分かれますので、実際にマットレスの上で寝返りを打ってみて、寝返りが行いやすいかをご確認ください。

湯船に浸かって身体を温める

お風呂をシャワーで済ませるのではなく、できるだけ湯船に浸かり、身体をしっかり温めるようにしましょう。 少しぬるめのお湯に、長めに浸かると身体が温まります。痛みやしびれに対して、血液循環は大きなポイントとなります。

適度な運動で血行を改善する

ウォーキング、軽いジョギング、ヨガ、ストレッチなど、適度な運動をして血行を改善しましょう。 疲れ切ってしまうような激しい運動は必要ありません。ストレッチや筋力トレーニングを行うことは有効です。痛みが無い範囲で行うことが重要です。

起床時の身体の起こし方の工夫

ベッドから起き上がるときには、まずは身体を横に向け、腕・肘を使って上半身を支えながら、ゆっくり起き上がるようにしましょう。 勢いよく起き上がると、腰を痛めてしまうことがあります。特に筋力の低下しているご高齢の方は注意が必要です。

こんな症状があれば、すぐに受診を

ご紹介した対策を講じても起床時の腰痛が改善しない場合や、すでに日常生活に支障をきたすほどの腰痛に悩んでいるという場合には、整形外科を受診しましょう。 特に、以下のような症状がある場合は、早めの受診が必要です。

痛みが2週間以上続く場合

痛みが2週間以上経っても症状が回復しない場合や繰り返す場合は、他の病気が原因ではないか、整形外科を受診して確認することが大切です。 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など他の原因が隠れている可能性が高いためです。

下肢に痛みやしびれがある

下肢の痛みやしびれは、ただの腰痛ではなく、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの疑いがあります。 整形外科を受診して、専門医による診断を受けましょう。足のしびれを伴う場合には、特にこの2つの脊椎疾患が疑われます。

下肢の麻痺や排尿・排便障害などがある

このような症状がある場合は、早急に病院を受診してください。 下肢の麻痺症状や排尿・排便障害がある場合は、腰に大きな神経障害が起こっているサインです。すぐに治療が必要で、場合によっては手術が必要なケースもあります。

安静にしていても腰痛が回復せず、むしろ悪化している

骨粗鬆症等による腰部の圧迫骨折や内臓の病気、ごくまれにがんの脊椎転移などの可能性もあります。 安静時でも続く強い痛みは、腫瘍性の病変や内臓疾患による関連痛の可能性もあります。

発熱、嘔吐、血尿などがある

脊椎炎などの感染症によって発熱することがあります。 他にも、発熱や嘔吐などの症状がある場合は、内臓の病気が隠れている場合も。尿路結石が原因の腰痛、血尿の可能性もあります。

神保町整形外科での腰痛治療について

神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供しています。 朝起きると腰が痛い、動くとズキッと痛む、同じ姿勢でいるとつらい、朝は腰が固まった感じがする、ぎっくり腰を繰り返すといった症状に対して、痛みの原因を丁寧に評価し、レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 腰は身体の中心であり、姿勢・筋力・日常の癖が深く影響しているため、痛みを抑える治療に加えて、負担の少ない動作や筋力づくりなど「なぜ痛みが出たのか」まで一緒に見直していきます。痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直すサポートも行っています。 他院での手術後の痛みや不安もお気軽にご相談ください。

まとめ

朝起きたときの腰痛は、筋肉の緊張、寝返りの少なさ、ストレス、冷え、椎間板の問題など、さまざまな原因が考えられます。 多くの場合、寝具の調整や生活習慣の改善で症状が軽減しますが、2週間以上痛みが続く場合や、足のしびれ・排尿障害などの症状がある場合は、早めに整形外科を受診することが大切です。 首・肩・腰の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を年齢のせいとあきらめず、どうかご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。 朝の腰痛でお悩みの方は、ぜひ一度神保町整形外科にご相談ください。あなたの痛みの原因をしっかり調べ、最適な治療をご提案いたします。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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