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リハビリはどれくらい通う?整形外科での通院回数の目安と期間の考え方

2026.04.21

整形外科のリハビリ、いつまで通えばいいのか

整形外科でリハビリを受けている患者さまから、「いつまで通えばいいのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。 ケガや手術後の回復を目指してリハビリに通い始めたものの、どのタイミングで終了すべきか悩まれる方は少なくありません。 実は、リハビリの期間に明確な「正解」はありません。患者さまのケガの程度、回復の状況、生活背景によって大きく異なるからです。ただし、医療保険制度上の期限や、症状に応じた目安は存在します。 この記事では、整形外科専門医として多くの患者さまのリハビリに携わってきた経験をもとに、通院回数の目安や期間の考え方について詳しく解説します。

運動器リハビリの「150日制限」とは

整形外科でのリハビリには、医療保険制度上の期限が設けられています。 骨折や靭帯損傷など、整形外科疾患に対するリハビリは「運動器リハビリテーション」として分類され、診断された日から150日が保険適用の目安となっています。 これは約5カ月に相当する期間です。脳血管疾患の場合は180日、心臓疾患の場合は150日と、疾患によって期限が異なります。

この制限は2006年の診療報酬改定で導入されました。当初は「長期間にわたって効果が明らかでないリハビリが行われている」という指摘から始まったものですが、実際には多くの患者さまが継続的なリハビリを必要としているケースも多く、現場では混乱も生じました。 ただし、150日を超えても継続が必要な場合には、除外規定が設けられています。医学的に「状態の改善」が期待できると判断される患者さまや、厚生労働大臣が認めた特定の疾患・状態の方は、期間を超えてもリハビリを継続できます。 また、途中で症状が悪化した場合や、別の部位を新たに負傷した場合には、リハビリ期間が延長されることもあります。

除外規定の対象となる主なケース

以下のような状態の患者さまは、150日を超えてもリハビリを継続できる可能性があります。
  • 脊髄損傷による四肢麻痺
  • 上半身・下半身の複合損傷
  • 手術後で継続的なリハビリが必要な状態
  • 医学的に身体機能の改善が期待できる状態
ただし、変形性関節症や腰痛症などの変性疾患、いわゆる「五十肩」などは除外対象に含まれていないため、注意が必要です。

リハビリに通う頻度と期間の目安

では、実際にどれくらいの頻度で通えばよいのでしょうか。 これも症状や回復の状況によって異なりますが、一般的な目安をご紹介します。

急性期(受傷直後~2週間程度)

ケガをした直後や手術後の急性期は、炎症や痛みが強い時期です。この時期は週2~3回程度の通院が推奨されます。 痛みのコントロールや、患部の安静を保ちながら可動域を維持することが主な目的となります。物理療法(温熱・電気・超音波など)を中心に、無理のない範囲で関節の動きを保つ運動を行います。

回復期(2週間~3カ月程度)

痛みが落ち着き、徐々に身体機能を回復させていく時期です。週1~2回程度の通院が一般的です。 この時期は、理学療法士による運動療法が中心となります。筋力トレーニング、可動域訓練、動作指導などを組み合わせて、日常生活に必要な身体機能を取り戻していきます。

維持期(3カ月以降)

日常生活に支障がない程度まで回復した後も、機能を維持・向上させるために継続が必要な場合があります。 この時期は月2~4回程度の通院で、自宅でのトレーニングと併用しながら経過を見ていくことが多いです。 ただし、150日の制限があるため、保険リハビリでは継続が難しくなるケースもあります。そのような場合には、自費リハビリや介護保険サービスの活用を検討することになります。

症状別の期間の目安

具体的な症状ごとに、リハビリ期間の目安をご紹介します。
  • 骨折:3~6カ月(部位や程度により大きく異なる)
  • 靭帯損傷:3~6カ月
  • 腱板損傷(肩):3~6カ月
  • 人工関節置換術後:3~6カ月
  • 脊椎手術後:3~6カ月
これらはあくまで目安であり、個人差が大きいことをご理解ください。

リハビリを続けるか判断する基準

リハビリを継続すべきかどうかを判断する際には、いくつかの基準があります。

症状の種類と程度

最も重要なのは、現在の症状の状態です。 痛みが残っている、可動域に制限がある、筋力が十分に回復していない、といった状態であれば、継続が必要と考えられます。一方で、日常生活に支障がなく、身体機能も安定しているのであれば、終了を検討する時期かもしれません。

受傷からの経過時間

ケガをしてから間もない時期であれば、炎症や痛みが残っている可能性が高く、継続が推奨されます。 ある程度の期間が経過し、症状が安定してきたのであれば、自宅でのトレーニングに移行することも検討できます。

ケガをした部位

ケガの部位によっても、必要な期間は大きく異なります。 例えば、下肢の骨折は体重をかける必要があるため、回復に時間がかかります。手術を要した場合は、さらに治療期間が長くなるでしょう。脊椎の損傷や手術後は、神経症状の回復に時間を要することもあります。

年齢と回復力

年齢も重要な要素です。 若い方は組織の修復力が高く、回復も比較的早い傾向にあります。一方、高齢の方は治療に時間がかかることが多く、リハビリ期間も長くなる傾向があります。 ただし、高齢の方でも適切なリハビリを継続することで、十分な機能回復が期待できます。

生活背景と目標

患者さまの生活背景や、リハビリの目標も重要な判断材料です。 仕事に復帰したい、家事や育児を問題なくこなしたい、趣味のスポーツを再開したい、といった具体的な目標があれば、それを達成できるまで継続することが望ましいでしょう。 リハビリ実施計画書を作成する際には、患者さまご本人やご家族と相談しながら、具体的な目標を設定します。その目標が達成されれば、リハビリ終了のタイミングと判断できます。

リハビリを終了する前に確認すべきこと

リハビリを終了する前には、いくつか確認しておくべきポイントがあります。

再開した場合の期間

リハビリを一度終了しても、診断日から150日以内であれば、再度リハビリを受けることができます。 痛みが再発した、思うように筋力がつかない、日常生活で予想外の支障が出てきた、といった場合には、遠慮なくご相談ください。

自宅でできるトレーニング

リハビリを終了した後も、自宅で継続できるトレーニング方法を確認しておくことが大切です。 症状が一時的に改善しても、しばらくすると再燃する可能性があります。理学療法士から、自宅で無理なく続けられるストレッチや筋力トレーニングの方法を教わっておきましょう。

日常生活での注意点

リハビリ終了後の日常生活で注意すべき点も、事前に確認しておきましょう。 例えば、人工関節を入れている方は、不自然な姿勢をとると脱臼しやすい傾向があります。脊髄損傷により手足に麻痺が残る方は、褥瘡(床ずれ)ができる可能性があるため、定期的な身体チェックが必要です。 こうした注意点を理解しておくことで、再発や合併症のリスクを減らすことができます。

保険リハビリの期限が来た後の選択肢

150日の期限が来てしまい、除外規定にも該当しない場合、どうすればよいのでしょうか。 いくつかの選択肢があります。

自費リハビリの活用

保険の制限に縛られず、時間・内容・頻度を自由に設定できるのが自費リハビリです。 保険リハビリの期限が来てしまったが、まだ回復を続けたい方、もっと長く集中的にリハビリを受けたい方、保険では対象外の部位もみてもらいたい方などに適しています。 当院でも自費リハビリを提供しており、専門知識を持つ理学療法士がオーダーメイドのリハビリプログラムを作成します。スポーツ復帰のための専門的トレーニングや、姿勢・歩行・体幹バランスを細かくみてほしい方にもおすすめです。 料金は20分3,500円、40分7,000円、60分10,000円(税込)となっており、目的や症状に合わせて時間を選べます。

介護保険サービスの活用

介護認定を受けている方は、介護保険サービスでのリハビリも選択肢となります。 ただし、介護保険と医療保険では大きな違いがあります。介護保険では「介護の必要性」によって判定されるため、医療リハビリの必要性とは異なる基準です。また、1カ月の支給限度額が決められており、限度額を超えると全額自費負担となります。 介護保険サービスを利用する場合は、ケアマネージャーとよく相談し、自分に合ったプランを立てることが重要です。

かかりつけ医への相談

リハビリで困っている方は、まず「かかりつけの先生」にご相談ください。 整形外科の医療機関では、必要な人に必要なリハビリを提供するために、日々工夫を重ねています。患者さまの立場に立って、最適な解決策を一緒に考えます。

神保町整形外科のリハビリテーション

当院では、「痛みが良くなれば終わり」ではなく、その先の”理想の生活に戻ること”を目標にしたリハビリテーションを大切にしています。

手術後リハビリの積極的受け入れ

他院で外傷の手術を受けられた方も、術後2週間ほどは傷のケア、抜糸、固定除去、初期リハビリなどが必要となります。 当院では、術後ケアとリハビリをセットで実施できる体制を整えており、患者さまの手術内容・経過に合わせた最適なプログラムを提供します。骨折後は超音波骨折治療器による治癒促進も可能で、治療期間の短縮にも寄与します。

大学病院・基幹病院との連携

状態が悪化した場合や精密検査が必要な際には、聖路加国際病院、日本大学病院、三井記念病院、慶應義塾大学病院、北里研究所病院、九段坂病院、三楽病院といった医療機関と連携し、迅速に紹介が可能です。 地域医療のネットワークを活かし、患者さまの安全と治療の継続性を大切にしています。

自費リハビリで提供できること

当院の自費リハビリでは、以下のような内容を提供しています。 運動器リハビリでは、理学療法士が症状に合わせてストレッチ、筋力トレーニング、可動域訓練、動作改善などを組み合わせ、痛みを減らし動ける身体へ導きます。 物理療法では、温熱・電気・超音波などを用いて、痛みや炎症を軽減し、筋肉・関節の回復をサポートします。 エムセラ(骨盤底筋トレーニング)は、骨盤底筋群を座ったまま鍛えることができる最新機器です。米国・EUなどで認可されており、尿もれ・骨盤臓器脱・姿勢の不安定性などに効果が期待されています(日本では保険適用外)。

まとめ:あなたに合ったリハビリ計画を

整形外科でのリハビリは、運動器リハビリの場合、診断日から150日が保険適用の目安となっています。 ただし、この期間はあくまで目安であり、患者さまの症状、回復状況、生活背景によって最適な期間は異なります。 リハビリを継続すべきかどうかは、症状の種類・程度、受傷からの経過時間、ケガをした部位、年齢、そして何より患者さまの目標によって判断します。仕事復帰、家事育児、趣味の再開など、具体的な目標を設定することで、より効果的なリハビリが可能になります。 保険リハビリの期限が来た後も、自費リハビリや介護保険サービスなど、継続する選択肢はあります。当院では、保険の制限に縛られない自費リハビリを提供しており、一人ひとりに合わせたオーダーメイドのプログラムで、理想の生活への復帰をサポートします。 リハビリの目的は、ただ痛みを治すことだけではありません。その先にある、あなたが本当に戻りたい生活を実現するためにあります。どんな小さな不安でも構いませんので、ぜひ一度ご相談ください。

リハビリの通い方を相談したい方へ

通院回数や期間は、痛みの強さ、生活動作、仕事への影響によって変わります。初診時に困っている動作を伝えると相談しやすくなります。

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リハビリの頻度は一律ではありません。現在の痛みや目標を整理して、無理のない通院計画を相談しましょう。

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著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛  

経歴

  • 平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局
  • 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事

資格

  • 医学博士
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 再生医療認定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本脊椎脊髄病学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本再生医療学会
 

投稿者:神保町整形外科

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