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痛みが繰り返す膝と腰の共通点|変形性関節症と慢性腰痛の対策

2026.05.26

「また膝が痛くなってきた」「腰の調子が悪い時期が続く」……。 こうした悩みを抱える方は、実は非常に多くいらっしゃいます。 整形外科の外来では、膝や腰の痛みが何度も繰り返すという訴えを日常的に耳にします。一度治まったはずの痛みが、季節の変わり目や少し無理をしたタイミングで再び顔を出す。その繰り返しに疲弊している方も少なくありません。 実は、膝の痛みと腰の痛みには共通するメカニズムがあります。それを理解することが、再発を防ぐための第一歩です。 この記事では、変形性膝関節症と慢性腰痛のメカニズムを整形外科専門医の視点から解説し、理学療法の観点から効果的な運動療法や日常生活の改善方法をご紹介します。

膝や腰の痛みを繰り返している方へ

千代田区神田神保町で変形性関節症や慢性腰痛について確認したい方は、神保町整形外科へご相談ください。

歩行時や立ち上がり時の痛みが気になる方にも向いています。

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膝と腰の痛みが繰り返す理由とは

痛みが繰り返す。 これは「完全に治っていない」サインである可能性があります。 膝や腰の痛みが何度も再発する方には、いくつかの共通した特徴が見られます。最も多いのが、痛みが和らいだ段階で治療をやめてしまうケースです。痛みが消えることと、根本的な問題が解決することは別の話です。

「痛みが消えた=治った」という誤解

痛みは、身体からの警告信号です。 鎮痛薬や安静によって一時的に痛みが和らいでも、その痛みを引き起こしていた筋力低下・姿勢の崩れ・関節への負荷が改善されていなければ、同じ状況が繰り返されます。 たとえば、こんな場面を想像してみてください。膝が痛くなって病院に行き、湿布と痛み止めをもらって1週間安静にしたら楽になった。「もう大丈夫だ」と思って以前と同じ生活に戻ったら、2か月後にまた同じ痛みが出てきた。こうした経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。 これはまさに、痛みの原因そのものに対処できていない状態です。

膝と腰に共通する「筋力低下」という問題

変形性膝関節症でも慢性腰痛でも、根底にある問題の一つが筋力低下です。 膝関節を支える大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)が弱くなると、膝関節への負担が増大します。同様に、腰椎を支える体幹筋(腹筋・背筋群)が弱くなると、腰椎への負荷が集中しやすくなります。 筋力低下は、痛みがあると動かさなくなることでさらに進行します。「痛いから動かない→筋力がさらに落ちる→より痛みが出やすくなる」という悪循環が生まれるのです。

変形性膝関節症のメカニズムと特徴

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々に摩耗・変性することで生じる疾患です。 加齢、肥満、過去の膝の怪我などが主なリスク因子として知られています。軟骨には血管がないため、一度損傷すると自然修復が難しい組織です。そのため、早期からの適切な対処が重要になります。

変形性膝関節症の典型的な症状

初期には、動き始めの痛みや違和感が特徴的です。 朝起きて最初の一歩が痛い、階段の上り下りで膝が痛む、長時間歩いた後に膝が腫れる……といった症状が代表的です。進行すると安静時にも痛みが出るようになり、膝の変形が目立ってくることもあります。 重要なのは、X線(レントゲン)所見と症状の重さが必ずしも一致しないという点です。画像上は軽度の変化でも強い痛みを訴える方もいれば、かなりの変形があっても日常生活に支障がない方もいます。これは、痛みが単に関節の構造的変化だけでなく、筋力・姿勢・神経感作など多くの要因によって決まるからです。

変形性膝関節症に対する理学療法のアプローチ

理学療法の観点から最も重要なのが、大腿四頭筋の強化です。 大腿四頭筋は膝関節を安定させる主要な筋肉であり、この筋力を維持・向上させることが膝への負担軽減に直結します。また、股関節周囲筋の強化も膝への負荷を分散させる上で有効です。 日本理学療法士協会のハンドブックでも、変形性膝関節症に対する運動療法の重要性が強調されており、適切な運動を継続することで痛みの軽減と機能改善が期待できるとされています。

慢性腰痛のメカニズムと特徴

腰痛は日本人が最も多く訴える症状の一つです。 慢性腰痛とは、一般的に3か月以上続く腰痛を指します。急性腰痛(いわゆるぎっくり腰など)が長引いて慢性化するケースもあれば、最初から慢性的な経過をたどるケースもあります。

慢性腰痛の多因子性という特徴

慢性腰痛は、単純な「腰の構造的問題」だけでは説明できません。 身体的な要因(筋力低下、姿勢の崩れ、椎間板の変性など)に加えて、心理社会的な要因も大きく関与することが知られています。仕事のストレス、睡眠不足、不安・抑うつ傾向なども、慢性腰痛の発症・維持・悪化に影響します。 「痛みの包括的評価」という概念があります。 これは、痛みを身体的な側面だけでなく、心理的・社会的側面も含めて総合的に評価するアプローチです。慢性腰痛の治療においては、こうした多面的な視点が欠かせません。

慢性腰痛に対する理学療法のアプローチ

慢性腰痛に対する運動療法では、体幹安定化トレーニングが中心的な役割を担います。 腹横筋・多裂筋などの深部体幹筋を活性化させることで、腰椎の安定性を高め、腰への負担を軽減します。また、柔軟性の改善(ストレッチ)や有酸素運動も、慢性腰痛の改善に有効とされています。 日本理学療法士協会の腰痛ハンドブックでも、適切な運動療法と生活習慣の改善が腰痛予防・改善の要であることが示されています。

慢性的な関節の痛みが気になる方へ

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膝と腰の痛みに共通する対策・運動療法の実践

では、具体的に何をすればよいのでしょうか? 膝と腰の痛みに共通する対策として、以下のアプローチが有効です。

1. 筋力強化トレーニング

まず取り組むべきは、下肢・体幹の筋力強化です。 膝には大腿四頭筋・ハムストリングス・股関節外転筋の強化が有効です。腰には腹横筋・多裂筋などの深部体幹筋の強化が重要です。これらの筋肉は互いに連動しており、どちらかが弱くなると全体のバランスが崩れます。 代表的なトレーニングとして以下が挙げられます。
  • スクワット(浅め)…膝と股関節周囲筋を同時に鍛えられます。膝がつま先より前に出ないよう注意しながら行います。
  • ドローイン…仰向けに寝てお腹を凹ませる動作で、深部体幹筋を活性化します。腰痛予防に有効です。
  • ブリッジ運動…仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げる動作です。臀筋・ハムストリングス・体幹を同時に鍛えられます。
  • SLR(下肢伸展挙上)…仰向けで片脚をまっすぐ持ち上げる運動で、大腿四頭筋の強化に有効です。
重要なのは、痛みのない範囲で行うことです。痛みを我慢して無理に行うと、かえって症状を悪化させる可能性があります。

2. ストレッチと柔軟性の改善

筋力強化と並んで重要なのが、柔軟性の維持・改善です。 股関節・ハムストリングス・腸腰筋の柔軟性が低下すると、膝や腰への負担が増大します。特に腸腰筋(股関節前面の筋肉)の硬さは、骨盤の前傾を引き起こし、腰椎前弯の増大につながります。これが慢性腰痛の一因となることがあります。 デスクワークが多い方は、長時間の座位姿勢により腸腰筋が短縮しやすい傾向があります。1時間に1回は立ち上がり、軽いストレッチを行うことをお勧めします。

3. 体重管理と生活習慣の見直し

体重は、膝関節への負荷に直接影響します。 一般的に、歩行時には体重の約3倍、階段昇降時には約5〜7倍の力が膝関節にかかるとされています。そのため、体重を適切に管理することは、変形性膝関節症の予防・進行抑制において非常に重要です。腰痛においても、肥満は腰椎への負担を増大させるリスク因子の一つです。 食事の見直しと適度な有酸素運動(ウォーキングなど)を組み合わせた体重管理が推奨されます。

日常生活で気をつけたいポイント

運動療法と並んで、日常生活の中での工夫も大切です。

姿勢の改善

姿勢の崩れは、膝・腰双方に悪影響を与えます。 長時間のデスクワークでは、骨盤を立てた正しい座位姿勢を意識することが重要です。背もたれに深く腰をかけ、足裏全体を床につける。これだけでも腰への負担はかなり軽減されます。また、立ち仕事の方は、片脚に重心をかけ続けないよう注意が必要です。

靴の選択と歩き方

靴の選択も、膝・腰の痛みに影響します。 クッション性の高い靴を選ぶことで、歩行時の衝撃を吸収しやすくなります。ヒールの高い靴は重心が前方に移動し、膝・腰への負担を増大させるため、長時間の使用は避けることが望ましいです。

睡眠と休息の確保

慢性的な痛みには、睡眠の質も深く関わっています。 睡眠不足や睡眠の質の低下は、痛みに対する感受性を高めることが知られています。十分な睡眠と適切な休息を確保することも、痛みの管理において重要な要素です。

温熱療法・冷却療法の使い分け

急性期(痛みが強く、腫れや熱感がある時期)は冷却が基本です。 慢性期(痛みが落ち着いている時期)は温熱療法が有効です。血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。ただし、炎症が強い時期に温めると症状が悪化することがあるため、状態に応じた使い分けが大切です。判断に迷う場合は、専門医や理学療法士にご相談ください。

専門医・理学療法士への相談が重要な理由

自己流のケアには限界があります。 膝や腰の痛みは、その原因や状態によって適切な対処法が異なります。変形性膝関節症の進行度、腰痛の原因(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・筋筋膜性腰痛など)によって、推奨される運動や避けるべき動作が変わってきます。

整形外科専門医による正確な診断の重要性

まず重要なのが、正確な診断です。 膝や腰の痛みの中には、骨折・腫瘍・感染症など、早急な対応が必要な疾患が隠れていることがあります。また、変形性膝関節症と思っていたものが半月板損傷であったり、慢性腰痛と思っていたものが脊柱管狭窄症であったりすることもあります。整形外科専門医による診察・画像検査を通じて、正確な診断を受けることが治療の出発点です。

理学療法士によるリハビリの重要性

診断がついたら、次は適切なリハビリです。 国家資格を持つ理学療法士は、患者さん一人ひとりの状態を評価した上で、個別に最適化されたリハビリプログラムを作成します。同じ変形性膝関節症でも、筋力の状態・関節の可動域・生活背景によって、適切な運動の種類・強度・頻度は異なります。自己流で行うよりも、専門家の指導のもとで行う方が、安全かつ効果的です。   「痛みが消えたからといって、そこで終わりにしないでください。本当の意味での回復は、痛みの原因に対処し、再発を防ぐ身体づくりができた時です。」 神保町整形外科では、整形外科専門医による診断と、国家資格を持つ理学療法士によるリハビリを組み合わせた治療を提供しています。神保町駅から徒歩2分という好立地で、月曜から金曜の18時30分まで診療を行っているため、お仕事帰りの方も無理なく通院していただけます。 膝や腰の痛みが繰り返す方、一度しっかりと専門家に診てもらいたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ|痛みの繰り返しを断ち切るために

膝と腰の痛みが繰り返す背景には、共通したメカニズムがあります。 筋力低下・姿勢の崩れ・不適切な生活習慣が積み重なることで、痛みが再発しやすい身体の状態が作られます。「痛みが消えた=治った」という誤解を捨て、根本的な原因に対処することが重要です。 変形性膝関節症には大腿四頭筋の強化、慢性腰痛には体幹安定化トレーニングが中心的な対策となります。ただし、自己流には限界があります。整形外科専門医による正確な診断と、理学療法士による個別リハビリプログラムの組み合わせが、最も効果的なアプローチです。 痛みの繰り返しに悩んでいる方は、ぜひ専門医への相談を検討してみてください。 神保町整形外科では、交通事故・労災による膝や腰の痛みにも対応しています。労災保険指定医療機関として、業務中・通勤中の怪我にも対応可能です。詳しくは下記よりご確認ください。 神保町整形外科 労災 交通事故

膝や腰の負担を見直したい方へ

歩き方や筋力低下など、症状に影響する要因を確認しながら治療をご案内しています。

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著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛  

経歴

  • 平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局
  • 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事

資格

  • 医学博士
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 再生医療認定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本脊椎脊髄病学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本再生医療学会
   

投稿者:神保町整形外科

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