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体外衝撃波治療のメリット・デメリット|受ける前に知っておきたいこと

2026.02.13

肩や膝の痛み、足底の不快感・・・。長く続く痛みに悩まされている方は少なくありません。 湿布や投薬、リハビリを続けても改善が見られない場合、新たな選択肢として注目されているのが「体外衝撃波治療」です。 手術を必要とせず、体への負担が少ない治療法として期待されていますが、保険適用外のケースが多く、費用面での不安を感じる方も多いでしょう。 本記事では、整形外科専門医の視点から、体外衝撃波治療のメリットとデメリット、適応症例、副作用、そして受ける前に知っておくべきポイントを詳しく解説します。

体外衝撃波治療とは

体外衝撃波治療は、患部の上から低出力の衝撃波を照射することで、炎症や痛みを緩和する治療法です。 「衝撃波」と聞くと不安に感じるかもしれませんが、これは物理的な圧力波の一種であり、放射線のように人体にリスクを伴うものではありません。もともとは尿路結石を破砕するための治療法として開発されましたが、出力を低く設定することで、整形外科領域にも応用されるようになりました。 日本ではまだ馴染みの薄い治療法ですが、ヨーロッパを中心とした海外では徐々に広がりを見せています。実際に体外衝撃波治療を行っている整形外科は決して多くなく、最新の治療法のひとつと言えます。 衝撃波には「集束型」と「拡散型」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。集束型は局所的に高いエネルギーを与えることができ、深部の組織にも有効です。一方、拡散型は皮膚表面から放射状に広がり、広範囲の治療に適しています。

体外衝撃波治療のメリット

手術不要で体への負担が少ない

最大のメリットは、手術や麻酔が一切不要であることです。 非侵襲的な治療法であるため、入院の必要もなく、治療後すぐに日常生活に戻ることができます。高齢の方や、持病があって手術が難しい方にとっても、安心して受けられる選択肢となります。

痛みの軽減と組織修復の促進

体外衝撃波治療には、短期的な効果と長期的な効果があります。 短期的には、痛みを受け取る受容器を減少させ、痛みの伝達物質を減らすことで、神経中枢への痛みの伝導を抑える効果があります。長期的には、新しい血管を作り、コラーゲンの生成を促すことで、腱が骨に付着している部分の血管新生と組織の修復を誘導します。 炎症の原因となる物質を抑制する効果もあり、2〜3回の治療を繰り返すことで、これらの効果が確認されています。

治療時間が短く、繰り返し実施可能

1回の治療時間は5〜10分程度と短く、患者さまの負担が少ないことも特徴です。 必要に応じて繰り返し実施できるため、症状に合わせた柔軟な治療計画を立てることができます。通常、週に1回のペースで3〜5回程度の治療を行います。
 

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体外衝撃波治療のデメリット

保険適用外で費用が高額

最も大きなデメリットは、費用面です。 日本国内で体外衝撃波治療が保険適応治療として認可されている疾患は、難治性足底腱膜炎のみとなります。それ以外の疾患に対しては自由診療となり、治療費が高額になりがちです。

治療中・治療後の痛みや副作用

治療中に多少の痛みを感じることがあります。出力は調整可能ですが、低出力の照射でも痛みを強く感じられる場合は、途中で治療を断念する場合もあります。 基本的に副作用は少ないとされていますが、稀に以下の症状が起こる可能性があります。
  • 腫れ
  • 内出血
  • 治療中や治療後の痛み
  • 発赤
  • 湿疹
  • 感覚異常などの神経障害
これらの症状は基本的に数時間から数日で治まりますが、気になる場合は医師に相談してください。

複数回の通院が必要

効果を実感するためには、複数回にわたって通院が必要です。 1回の治療時間は短いものの、通常3〜5回の治療を1クールとして、数クール必要となる場合もあります。個人差もありますが、十分な治療効果が得られれば2回以下の照射で終了することも可能です。

効果の現れ方に個人差がある

体外衝撃波治療では完全に痛みを取り除くことは保証されていません。 治療効果や治療期間は患者さまにより異なりますが、半数以上の方に効果があるとされています。すべての方に同じ効果が現れるわけではないことを理解しておく必要があります。

体外衝撃波治療が有効な疾患と症状

慢性的な腱障害

体外衝撃波治療が特に有効とされるのは、慢性的な腱障害です。 具体的には、足底腱膜炎、アキレス腱付着部炎、アキレス腱炎、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)、石灰沈着性腱板炎、大転子部痛などが挙げられます。 これらの症状は、スポーツや肉体労働などによって体を酷使してきた場合に現れることが多く、生活習慣や加齢によるものも大きいとされています。

骨修復機能異常

骨折や軟骨損傷に対しても有効性が期待されています。 疲労骨折、骨折の遷延治癒(骨折後治療をしているが一定期間が経っても治らない)、早期の離断性骨軟骨炎、偽関節、早期の骨壊死などが対象です。

その他の適応症例

ばね指、腱鞘炎、有痛性外脛骨、二分膝蓋骨、シンスプリントにも有効とされています。 変形性関節症、肉離れの後遺症、腰痛、肩こりなど、幅広い症状に対して適応される可能性があります。通常、痛みや炎症、凝りなどの症状が見られる場合、ストレッチや湿布、投薬などによる治療が行われますが、いずれの方法を試してみても改善が見られない場合に選択される治療法です。

体外衝撃波治療を受ける前に知っておきたいこと

適応外となる方

体外衝撃波治療は誰でも受けられるわけではありません。 妊娠中の方、治療部位に悪性腫瘍や感染がある方、血液凝固障害のある方などは適応外です。また、ペースメーカーを使用している方や、特定の疾患をお持ちの方も治療を受けられない場合があります。 事前に医師に相談し、ご自身が治療を受けられるかどうか確認することが重要です。

治療後の注意点

治療当日からシャワーを浴びることは可能ですが、入浴は控えてください。 軽い運動は2〜3日控え、負担がかかる動作や運動は2週程度控えることが推奨されます。稀に、治療した箇所が内出血を起こすことがあるため、異常を感じた場合はすぐに医師に相談してください。

他の治療法との組み合わせ

体外衝撃波治療は、リハビリテーションなど他の治療法と組み合わせることで、より効果を高めることができます。 当院では、自費リハビリ、運動器リハビリ、物理療法を組み合わせた一人ひとりに合わせたリハビリテーションを提供しています。専門知識を持つ理学療法士がオーダーメイドのリハビリプログラムを作成し、痛みが良くなれば終わりではなく、理想の生活に戻ることを目標としています。

費用と治療計画の確認

治療を始める前に、総額の費用と治療計画を確認しておくことが大切です。 保険適用外の場合、複数回の治療が必要となるため、総額がどの程度になるのか事前に把握しておくことで、安心して治療を受けることができます。診察料や検査料も別途かかることを忘れずに確認してください。

神保町整形外科での体外衝撃波治療とリハビリテーション

神保町整形外科では、手術後の回復から日常生活・スポーツ復帰まで、患者さま一人ひとりに合わせた質の高いリハビリテーションを提供しています。 他院で外傷の手術を受けられた方も、術後ケアとリハビリをセットで実施できる体制を整えており、患者さまの手術内容・経過に合わせた最適なプログラムを提供します。骨折後は超音波骨折治療器による治癒促進も可能で、治療期間の短縮にも寄与します。

自費リハビリの特徴

当院では、保険の制限に縛られず、時間・内容・頻度を自由に設定できる自費リハビリを提供しています。 保険リハビリの期限がきてしまった方、もっと長く集中的にリハビリを受けたい方、保険では対象外の部位もみてもらいたい方などに、制限のない自由なプログラムで対応できます。専門知識を持つ理学療法士がオーダーメイドのリハビリプログラムを作成します。

エムセラ(骨盤底筋トレーニング)

骨盤底筋群を座ったまま鍛えることができる最新機器「エムセラ」も導入しています。 米国・EUなどで認可されており、尿もれ・骨盤臓器脱・姿勢の不安定性などに効果が期待されています。日本では保険適用外ですが、話しにくい悩みを抱えている方にも人気の治療です。

大学病院・基幹病院との連携

状態が悪化した場合や精密検査が必要な際には、聖路加国際病院、日本大学病院、三井記念病院、慶應義塾大学病院、北里研究所病院、九段坂病院、三楽病院といった医療機関と連携し、迅速に紹介が可能です。 地域医療のネットワークを活かし、患者さまの安全と治療の継続性を大切にしています。

まとめ

体外衝撃波治療は、手術不要で体への負担が少ない治療法として、慢性的な痛みに悩む方にとって有力な選択肢となります。 痛みの軽減と組織修復の促進という効果が期待できる一方、保険適用外で費用が高額になること、複数回の通院が必要であること、効果に個人差があることなど、デメリットも理解しておく必要があります。 治療を検討される際は、ご自身の症状が適応症例に該当するか、費用や治療計画はどうなるか、他の治療法との組み合わせは可能かなど、事前に医師とよく相談することが大切です。 神保町整形外科では、患者さまの想いを大切にしながら、丁寧で質の高いリハビリテーションを提供しています。手術後のケアからスポーツ復帰、高齢の方の機能維持まで、どんな小さな不安でも構いません。ぜひ一度ご相談ください。 もう一度、”できるようになりたい”を叶えるために、私たちがお手伝いします。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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