心当たりがないのに急に肩が痛くなったら

「昨日まで何ともなかったのに、朝起きたら肩が痛い」 こんな経験はありませんか? 心当たりがないのに突然肩が痛くなると、不安になりますよね。腕が思うように動かせなくなったり、夜中にズキズキと痛んで眠れなくなったりすることもあります。寝返りも辛いと言われる方もいます。そうなると寝不足になり、日常生活にも支障が出てしまいます。 そして、一番注意しなければいけないのは、肩関節が固まることです。これを関節の「拘縮(こうしゅく)」といいます。拘縮になると、長期間の治療とリハビリが必要となります。 今までの経験上、痛みが出てきて早期に治療することで、治療期間がかなり短縮できた患者さんが多くおられました。 この記事では、急に肩が痛くなる原因として考えられる病気や、早期に対処するためのポイントを詳しく解説します。
四十肩はなぜ起こる?原因と発症の仕組みをわかりやすく解説
四十肩(肩関節周囲炎)はなぜ起こるのか、原因や発症の仕組みをわかりやすく解説します。症状の特徴や、悪化を防ぐために知っておきたいポイントもまとめた記事です。
突然の肩の痛みで考えられる主な原因

肩の痛みは、様々な原因で起こります。 痛みの種類や、他にどんな症状があるかによって原因が推測できますので、ご自身の症状をよく観察し、医療機関を受診する際の参考にしてみてください。
腱板損傷(断裂)
肩の周りにある筋肉が擦り切れたり、断裂して痛みが出る病気です。 主に「棘上筋(きょくじょうきん)」というものが擦り切れてしまいます。経験上、転倒などの外傷や、高いところの荷物の上げたり下げたりする動作が原因となることが多かったです。 腕を上げる時、ある角度で特に痛みが強くなります。腕を上げる途中が最も痛く、上げてしまうと痛みが減り、腕を下ろす際にも途中が痛みます。腱の切れた箇所が肩甲骨の「肩峰(けんぽう)」という部分の下を通過する際に引っかかって痛みが起きますが、それ以外では痛みが少ないのです。 何か物を取ろうと手を伸ばした際、瞬間的にズキッと痛みが走るなどします。
石灰沈着性腱板炎
40代~50代の女性に多く見られます。 カルシウムが腱板のところに沈着して炎症を起こす病気です。なぜ石灰が沈着するのかはまだ分かっていません。血流の問題や、年齢などが関係していると考えられています。 この疾患はかなり痛みが強く、特徴として何もしていないのに、痛みが強くでます。 そして、指で肩を押すと、痛い箇所がはっきりわかります。その指の奥に、石灰の沈着が存在します。そして、腕を動かさない時にも痛みがあります。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
いわゆる「四十肩」「五十肩」と呼ばれる状態です。 腕が動かしづらくなり、痛みが出ます。まれに肩から腕にかけて痺れが出るので、頸椎椎間板ヘルニアなどと間違われることもよくあります。 肩関節周囲炎は、加齢とともに肩関節や靭帯が緩くなって、関節のバランスが崩れることで発症します。40代~50代に多く見られますが、最近は20代や30代の若い世代でも発症するケースが増えています。 これは、長時間座り仕事や携帯の長時間使用などが原因とされています。 多くの場合、力こぶをつくる「上腕二頭筋の長頭腱」が炎症をおこしています。その腱が関節の中に入る付近や、関節の中での同腱の近くが炎症で痛みます。痛みのため腕を動かさずじっとしていると、炎症のために関節の袋(関節包)が癒着を起こし、上腕骨の頭の部分が動くスペースが少なくなり、動かすと突っ張って痛む、そうするとまた動かさない、という悪循環を来たし、さらに関節の可動域が狭くなってしまいます。
急な肩の痛みが出やすい状況とは

肩の痛みの原因となる病気はいくつかありますが、その多くは「腱板(けんばん)」という肩の周りの筋肉に負荷がかかることで生じます。
肩より高い位置での作業
腱板に負荷がかかる代表的な動作が、肩の高さより上での作業です。 建設作業や運搬業に従事する方が、高いところへ重いものを持ち上げるなどの作業を繰り返したり、美容師・理容師の方が高い位置でハサミを用いるなどして反復作業を行ったりすることで、腱板を痛めてしまうケースは多くあります。
狭い場所における窮屈な姿勢での作業
狭い場所において窮屈な姿勢で作業を続けることも、腱板への負荷の原因となります。 無理な姿勢を長時間続けることで、肩の筋肉や腱に過度な負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。
スポーツでの動作
スポーツでは、頭より高く手を持ち上げる動作が肩を痛めやすいとされます。 特に、水泳や野球、テニス、バレーボールなどではそのような動作が起こりやすいため、注意が必要です。
デスクワークやスマホの長時間使用
首の痛みは、デスクワークやスマホの長時間使用で増えています。 長時間の同じ姿勢でのデスクワークや、上を向いて行う動作は首に負担がかかり、同じように痛みが続く原因となります。日常生活で思い当たる動作がないか確認し、避けられるように工夫してみましょう。
急な肩の痛みに伴う症状

肩の痛みには、いくつかの特徴的な症状があります。 これらの症状を理解することで、早期に適切な対処ができます。
安静時痛
安静にしている時にでる痛みです。 椅子に座っている時に痛みがでる、じっとしている時に痛みがでる、肩を動かさず何もしていなくても痛みがでる、といった状態です。
動作時痛
肩を動かした時にでる痛みです。 手を上に挙げた時に痛みがでる(棚の上に手を伸ばす・バンザイをする)、手を後ろ・背中に回した時に痛みがでる(トイレでの清拭・ズボンにベルトを通す)などの動作で痛みを感じます。
夜間時痛
夜間、睡眠時にでる痛みです。 肩が痛くて寝付けない、肩が痛くて目が覚める、といった状態です。夜間時や安静時にも痛みが出現すると、動かした時の痛みだけでなく、肩がジンジンする・ズキズキするなどと表現される方がおられます。
運動制限
痛みや拘縮があり肩が動かせない状態です。 高いところに手が届かない、服の着替えが辛い、洗髪がやり難い、反対の脇に手が届かない、などの症状が現れます。可動域制限(拘縮)は、特に肩関節の屈曲(上に挙げる)、外旋(外に開く)、内旋(手を背中に回す)が制限されていきます。
神保町整形外科での肩の痛み治療

神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供しています。 肩の痛みに対しても、原因を丁寧に評価し、症状に合わせた最適な治療を行っています。
痛みの原因を丁寧に評価
レントゲン・超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。 「なぜ痛みが出たのか」を明確にすることで、適切な治療方針を立てることができます。
症状に合わせた最適な治療
飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法(電気・温熱・超音波)、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。 多少痛みを伴っても何とか肩関節を大きく動かすことが基本です。症状が軽いうち、癒着が少ないうちに鎮痛剤を飲んだり、張り薬を貼ってでも動かすことです。癒着が起きて症状が進んだ状態でも、できるだけ動かした方がよいでしょう。 痛みが強ければ、悪化防止のために関節へステロイドなどの注射を打つことが有効な場合もあります。
生活動作・姿勢改善までサポート
痛みを繰り返さないよう、姿勢・座り方・生活の癖を一緒に見直します。 肩や首に負担のかかる動作を避けることで改善する可能性があります。具体的には、肩より高く手を上げる作業は肩に負担がかかり、痛みが続く原因となります。また、長時間の同じ姿勢でのデスクワークや、上を向いて行う動作は首に負担がかかり、同じように痛みが続く原因となります。
理学療法士による運動療法
必要な場合は、理学療法士による運動療法やストレッチで、再発しにくい「動ける肩」を作っていきます。 肩だけでなく首・背中・肩甲骨まわりの筋肉の硬さも関わっているため、全体を見ながら治療を行います。
早期治療が重要な理由
肩の痛みは、早期に治療することで治療期間を大幅に短縮できます。
拘縮を防ぐ
痛みが出てから放置すると、関節の拘縮が進行してしまいます。 拘縮になると、長期間の治療とリハビリが必要となります。早期に治療を開始することで、拘縮を防ぎ、治療期間を短縮できます。
日常生活への影響を最小限に
肩の痛みは、服の着替え、洗髪、物を取るなど、日常生活のあらゆる動作に影響を与えます。 早期に治療することで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
夜間痛による睡眠不足を防ぐ
夜間痛は、睡眠の質を大きく低下させます。 睡眠不足は、痛みの感じ方を強くし、回復を遅らせる原因にもなります。早期に治療することで、夜間痛を軽減し、十分な睡眠を確保できます。
自宅でできる対処法

医療機関を受診するまでの間、自宅でできる対処法をご紹介します。 ただし、これらはあくまで一時的な対処法であり、痛みが続く場合は必ず医療機関を受診してください。
適度に動かす
痛みがあっても、できる範囲で肩を動かすことが大切です。 仰向けで横になり、痛い方の腕が前から上にあがるように、肘のあたりを反対側の手で後ろに押す体操がお勧めです。このように行うことで肩甲骨が固定され、肩甲骨と上腕骨頭の間を動かし易くなります。
温める
慢性的な痛みの場合は、温めることで血流が改善し、痛みが和らぐことがあります。 お風呂にゆっくり浸かったり、温湿布を使用したりするとよいでしょう。
冷やす
急性の炎症がある場合は、冷やすことで炎症を抑えることができます。 ただし、長時間冷やし続けると血流が悪くなるため、15~20分程度にとどめましょう。
姿勢に気をつける
デスクワークやスマホの使用時は、姿勢に気をつけましょう。 肩や首に負担がかからないよう、適度に休憩を取り、ストレッチを行うことが大切です。
こんな症状があったらすぐに受診を

以下のような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。 激しい痛みが続く 何もしていなくても激しい痛みが続く場合は、石灰沈着性腱板炎などの可能性があります。 腕が全く上がらない 腕が全く上がらない場合は、腱板の完全断裂などの可能性があります。 しびれがある 肩から腕にかけてしびれがある場合は、神経の圧迫などの可能性があります。 発熱がある 発熱を伴う場合は、感染症などの可能性があります。 症状が改善しない 数日経っても症状が改善しない場合は、適切な治療が必要です。
まとめ
神保町整形外科にご相談ください
心当たりがないのに急に肩が痛くなった場合、腱板損傷、石灰沈着性腱板炎、四十肩・五十肩など、様々な原因が考えられます。早期に治療することで、治療期間を短縮し、拘縮を防ぐことができます。痛みが出てきたら、我慢せずに早めに整形外科を受診しましょう。神保町整形外科では、首・肩・腰の痛みに特化した治療を提供しています。レントゲンや超音波検査を必要に応じて行い、症状の背景にある筋肉・関節・神経の状態を把握します。飲み薬、湿布、ブロック注射、物理療法、理学療法士による運動療法を症状に応じて組み合わせ、無理のない治療を行います。肩の痛みは、その人の生活そのものを変えてしまうことがあります。症状を年齢のせいとあきらめず、どうかご相談ください。神保町整形外科は、痛みを少しでも軽くし、また動ける日常を取り戻すことを全力でサポートいたします。お気軽にご相談ください小さな不調でも、早めの受診が大切です。神保町整形外科では、一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心がけています。肩の痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
神保町整形外科 院長
板倉 剛
平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事
資格・所属学会:医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、再生医療認定医、身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)、所属学会、日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会、日本脊髄障害医学会、日本再生医療学会
本記事は医療広告ガイドラインに基づき、監修のもと作成しています。治療の効果・費用・期間には個人差があります。詳細は必ず医師にご確認ください。