
「最近、背中が丸くなってきた気がする」「身長が少し縮んだような・・・」こうした変化は、実は骨粗しょう症のサインかもしれません。 骨粗しょう症は、自覚症状が出にくく、気づかないまま進行する病気です。痛みが出る頃には、骨がかなり弱っていることもあります。だからこそ、早めの検査が大切です。 骨密度検査は整形外科で受けることができます。この記事では、検査方法の違い、費用相場、検査時間、受診すべきタイミングまで詳しく解説します。骨粗しょう症予防のために知っておきたい情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
骨密度検査とは?骨の健康を守るための大切な検査

骨密度検査とは、骨の中に含まれるカルシウムなどのミネラルの量を測定し、骨の強さを数値で評価する検査です。 骨の強度は「骨密度」と「骨質」の2つの要素で決まります。骨密度とは、骨に存在するカルシウムなどのミネラルがどの程度含まれているかを示す指標です。しかし、骨密度が高ければ骨折しないかというと、そうではありません。骨質も重要な要素となります。 骨質とは、骨の構造の質を指します。骨は主にカルシウムでできていますが、コラーゲンというたんぱく質が網目のような構造を作ってカルシウムを支えています。よく鉄筋コンクリートにたとえられますが、コンクリートにあたるのがカルシウムで、鉄筋にあたるものがコラーゲンです。いくらコンクリートが大量にあっても、芯をささえる鉄筋の質が悪ければ強度が落ちてしまいます。 骨密度検査により、加齢や生活習慣によって骨が弱くなっていないかを早期に把握することが可能です。特に年齢を重ねた方や、閉経後の女性は骨密度が低下しやすいため、定期的に確認することが推奨されています。
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨密度が低下し、骨がスカスカで折れやすい状態になる病気です。 原因は多岐に渡ります。カルシウムやタンパク質の不足、運動不足、閉経後の女性ホルモン低下、加齢、喫煙・飲酒などが挙げられます。特に50代以降の女性では、閉経後10年で骨量が急激に減ることが知られています。 骨粗しょう症が進むと、転倒やくしゃみなどのちょっとした衝撃でも骨折することがあり、場合によっては寝たきりや介護が必要な状態に陥るリスクもあります。自覚症状がほとんどないまま進行するため、気づかないうちにリスクが高まっていることも少なくありません。
骨密度検査は整形外科で受けられます

骨密度検査は整形外科で受けることができます。 整形外科では、骨粗しょう症の早期発見・早期治療・予防に力を入れています。医療機関によっては大きな病院と同程度の機器を導入しており、高い精度で骨密度を検査可能です。 また、人間ドックのオプションとして骨密度検査を追加できることも多くあります。骨粗しょう症だけではなく、全身の健康状態を確認するために、年に一度を目安に定期的な検査を受けることがおすすめです。 神保町整形外科では、DXA法による全身型骨密度測定装置を導入しており、腰椎・大腿骨の骨密度を正確に測定する標準検査を実施しています。4か月に1回の検査を推奨しており、患者さんの骨の状態を継続的にフォローしています。
骨密度検査の種類と特徴

骨密度検査には、主に3つの方法があります。DXA法、MD法、QUS法です。どの方法も、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどれだけ含まれているかを測定し、骨の強さを評価するものです。検査方法によって精度や使用される装置、測定部位に違いがあるのが特徴です。
DXA法(デキサ法)
DXA法は、2種類の異なるエネルギーのX線を用いて骨密度を高精度に測定する方法です。 世界中で標準的に用いられている検査方法であり、特に骨粗しょう症による骨折が起きやすい腰椎(背骨)や大腿骨の付け根部分を明確に評価できるのが特徴です。病院や専門機関では標準的な検査方法として採用されており、治療方針の決定や経過観察にも活用されます。 X線を使用するため多少の放射線被ばくはありますが、非常に少ない量であり、安全性の高い検査です。簡単に検査可能であり、精度も高いため、正確な骨密度の測定が可能です。定期的に測定することで治療の判断基準の参考となり、骨折の正しいリスクを知ることができます。
MD法(エムディー法)
MD法は、手のひらをアルミニウム板の上に載せ、X線で撮影することで骨の濃度を測定する検査方法です。 骨とアルミニウムの画像の濃度を比較して骨密度を推定します。DXA法に比べて検査機器がコンパクトで導入しやすいため、健診や一部の医療施設などで簡易的に骨密度を測りたい場合に使われることが多いです。 容易に測定が可能で、時間がかからず、レントゲン撮影装置以外特に大きな施設が不要です。しかし、やや再現性に乏しく、腰や大腿骨などの骨密度を測定することはできません。
QUS法(超音波法)
QUS法は、超音波を使って骨の状態を評価する検査で、主に踵や脛(すね)の骨に装置を当てて測定します。 QUS法の大きな特徴は、放射線を使用しないため被ばくの心配がない点です。そのため、妊娠中の女性や子どもでも安心して受けることが可能です。測定時間も短く、機器も持ち運び可能であるため、健診などでのスクリーニングとして広く活用されています。 容易に測定が可能で、健診やイベントなどで多くの人の測定が可能です。超音波を使用するため被爆しません。しかし、やや再現性に劣り、あくまでざっと骨粗鬆症かどうかを見つける検査です。
骨密度検査にかかる費用と時間
検査費用
骨密度検査は、検査方法や測定した部位の数で費用が変わります。 仮にDXA法を使用した場合、1回あたりの骨密度検査にかかる費用は約1,500~3,000円ほどです。また、骨密度検査には保険が適用されるため、負担割合によっても費用が変動します。測定する頻度が高い場合、保険適用とならず全額負担となる場合もあります。 検査にどの程度の費用が必要かは、医師や窓口に確認してみましょう。
検査時間
骨密度検査は10~15分程度で行えます。 検査時間には説明や正しく測定するためのセッティングなども含められますが、骨密度の測定そのものは30秒程度で終了します。検査方法にもよりますが、測定結果は後日伝えられるのが一般的です。測定日はすぐに帰宅でき、いつも通り生活できるため、安心して検査を受けられます。
骨密度検査を受ける頻度とタイミング
骨密度検査の頻度は厳密に決まっていませんが、4~6か月に1回ずつ受けるのが望ましいです。 骨密度は急激に変動することもあるため、1度検査して数値が問題なくとも、4か月後には大きく低下している場合があります。定期的に検査を実施し、予防や治療のタイミングを逃さないようにしましょう。 また、治療や予防を行っている間は、薬の効果が出ているかを検査することも大切です。思うように治療効果が出ていない場合は、薬の変更や治療プランの見直しをしなければいけません。適切に治療を進めるためにも、定期的に骨密度を測定しましょう。 神保町整形外科では、骨密度80%未満の場合は検査を半年ごとに実施し、80%以上に改善した場合は年1回に頻度を戻して経過観察を行っています。治療歴を継続して管理することで、将来の骨折リスクを減らすことができます。
こんな症状・心当たりがある方は早めの検査を
以下のような症状や心当たりがある方は、早めの検査をおすすめします。
- 背中が丸くなってきた
- 身長が以前より低くなった
- 転んだだけで骨折した
- 腰・背中が時々痛む
- 運動量が減った
- 閉経した
- やせ型である
- 偏食・極端なダイエット
- 喫煙・飲酒習慣がある
ひとつでも当てはまる方は、骨粗しょう症のリスクが高まっている可能性があります。
骨密度検査の結果の見方
骨密度検査の結果は、いくつかの指標をもとに評価されます。その中でも「YAM」という指標が重要です。
YAM値とは
YAMとは「Young Adult Mean(若年成人平均値)」の略で、骨密度が最も高いとされる若年成人(20~44歳)の平均値です。 骨密度検査の結果はYAM値として表します。YAM値とは、若年齢の平均骨密度値(基準値)を100%としたときの被検者の%です。簡単にいうと、若い人の基準と比べたときにどれくらいの骨密度があるのかという表現です。
骨粗鬆症と診断されるケース
骨粗鬆症と診断されるのは次の3つの場合です。 ①大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折を受傷したことがある場合 これらの骨折は骨卒中ともいわれ、骨折後の生活予後を悪化させる可能性が非常に高いものです。これらの骨折を起こした方は、骨密度の結果にかかわらず、骨粗鬆症と診断されます。 ②大腿骨や背骨以外の複数の骨折を受傷したことのある方で、YAM値が80%未満の場合 YAM値が70%台でも複数の骨折を受傷したことがある場合は骨強度が落ちている=骨粗鬆症と診断されます。 ③上記にかかわらずYAM値が70%未満の場合 骨密度そのものが低下しており、非常に骨折しやすい状態となっていると考えられます。ちなみにYAM値が60%未満の場合は重症骨粗鬆症と診断されます。
骨粗しょう症の治療方法
骨粗しょう症の治療は、状態に合わせて選択されます。基本的には、食事療法、運動療法、薬物療法の3つを組み合わせることが基本です。
食事療法
丈夫な骨の材料となる栄養素をしっかり摂取することが基本です。
- カルシウム:乳製品・小魚など
- タンパク質:肉・魚・卵
- ビタミンD:魚・きのこ類
- ビタミンK:野菜
これらを意識して摂ることで、骨を丈夫にしていきます。
運動療法
軽い負荷をかけることで骨が強くなり、筋肉がつくことで転倒予防にもつながります。 ウォーキングなどの無理なく続けられる運動を提案します。運動量が減った方は、日常生活の中で少しずつ体を動かす習慣をつけることが大切です。
薬物療法
症状に応じて以下の薬を用います。
- 活性型ビタミンD3製剤
- SERM
- ビスフォスフォネート
- 抗RANKL抗体
- 副甲状腺ホルモン製剤
- 抗スクレロスチン抗体
症状に応じて組み合わせ、骨を壊すスピードを抑え、作る力を高める治療を行います。近年は、新しい骨をつくる治療薬も登場しています。
まとめ:骨密度検査は早めの受診が大切です
神保町整形外科にご相談ください
骨粗しょう症は、痛みが出てからでは遅い病気です。骨の健康を守ることは、将来の寝たきりを防ぎ、健康寿命を延ばす大切な習慣です。骨密度検査は整形外科で受けることができ、DXA法であれば10~15分程度で正確な測定が可能です。費用も1,500~3,000円程度と負担が少なく、保険が適用されます。特に50歳以降の方、閉経後の女性、やせ型の方、運動不足の方、喫煙・飲酒習慣がある方は、早めの検査をおすすめします。背中が丸くなってきた、身長が縮んだ、転んだだけで骨折したなど、ひとつでも当てはまる方は、ぜひ整形外科にご相談ください。神保町整形外科では、患者さんの骨粗しょう症リスクに一生寄り添う整形外科として、検査・治療・予防のすべてを継続してサポートします。気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
神保町整形外科 院長
板倉 剛
平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事
資格・所属学会:医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、再生医療認定医、身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)、所属学会、日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会、日本脊髄障害医学会、日本再生医療学会
本記事は医療広告ガイドラインに基づき、監修のもと作成しています。治療の効果・費用・期間には個人差があります。詳細は必ず医師にご確認ください。