骨粗しょう症の検査は、なぜ必要なのか

骨粗しょう症は、自覚症状がほとんどないまま進行する病気です。 「最近、背中が丸くなってきた気がする」「身長が少し縮んだような・・・」こうした小さな変化が、実は骨からのサインかもしれません。骨粗しょう症は骨密度が低下し、骨がスカスカで折れやすい状態になる病気であり、進行すると日常の動作で骨折しやすくなり、将来の寝たきりリスクにもつながります。 特に50代以降の女性では、閉経後10年で骨量が急激に減ることが知られています。症状が出る頃には骨がかなり弱っていることも多く、早期発見のためには定期的な検査が欠かせません。 神保町整形外科では、骨粗しょう症の早期発見・早期治療・予防に力を入れており、患者さんの健康寿命を守るために、正確な検査・根拠に基づいた治療・継続的なフォローを重視しています。
骨粗しょう症の薬にはどんな副作用がある?種類ごとの特徴をわかりやすく解説
骨粗しょう症の治療では、さまざまな種類の薬が使用されますが、それぞれに特徴や副作用があります。本記事では、骨粗しょう症の主な薬の種類と副作用の違い、服用時の注意点についてわかりやすく解説します。
骨粗しょう症の検査にはどんな種類があるのか

骨粗しょう症の診断には、いくつかの検査方法があります。 それぞれの検査には特徴があり、組み合わせることでより正確に骨の状態を把握できます。ここでは代表的な検査方法をご紹介します。
骨密度検査(DXA法)
骨密度検査の中でも、最も信頼性が高いとされているのが「DXA法(デキサ法)」です。 全身型の骨密度測定装置を使い、腰椎や大腿骨の骨密度を正確に測定します。専用の台に横になり、足首を固定した状態で2分程度じっとしているだけで検査が完了します。痛みもなく、短時間で終わるため、患者さんへの負担が少ない検査です。 当院では、DXA法による骨密度検査を4か月に1回推奨しています。骨密度は若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表され、80%未満になると要注意、70%以下まで減ると骨粗しょう症と診断されます。
超音波検査法
かかとの骨に超音波を当て、骨の強さを反映する測定方法です。 骨折リスクを簡単にスクリーニングする方法として普及しています。放射線被曝がないため、手軽に受けられる検査として知られています。
MD法
手の骨密度をX線で測定する方法です。 簡便に測定できるので、DXA装置のない医療機関ではよく用いられている方法ですが、お薬による骨密度の上昇効果が判定しにくいという特徴があります。
骨代謝マーカー
血液検査で「骨を壊すスピード・作るスピード」のバランスを評価する検査です。 骨代謝マーカーの高い人は骨粗しょう症による骨折の危険性が高くなっており、異常値は骨折リスクの指標になります。また、骨密度低下速度が早く、骨粗しょう症のなりやすさとの関連もあると言われています。
X線検査・MRI検査
背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、背骨や肋骨などの骨折や変形を確認します。 MRI検査では、X線検査では見分けがつかない背骨の骨折などより詳しい情報を確認することができます。
骨密度検査の流れと所要時間

実際に骨密度検査を受ける際の流れをご説明します。 当院で行っているDXA法による骨密度検査は、以下のような流れで進みます。
検査前の準備
検査着に着替えていただきます。 金属類やアクセサリーは外していただく必要がありますが、特別な準備は必要ありません。検査前に食事制限などもありませんので、普段通りの生活で来院していただけます。
検査の実施
専用の台に横になり、足首を動かないように固定します。 そのまま2分程度じっとしているだけで、腰椎や大腿骨の骨密度を測定できます。痛みは全くなく、リラックスした状態で受けていただける検査です。
結果の説明
検査結果は、若年成人平均値(YAM)を基準に評価されます。 YAMは20歳から44歳までの健康な成人の骨密度の平均値を基準としており、自分の骨密度が何%であるかで骨の状態を把握できます。結果は医師から丁寧に説明され、必要に応じて治療方針をご提案します。
骨密度検査を受けるべきタイミング
骨粗しょう症は初期には症状がほとんどありません。 だからこそ、定期的な検査が重要です。では、どのようなタイミングで検査を受けるべきなのでしょうか。
50歳以降、または閉経後は必須
女性は骨粗しょう症になるリスクが高いとされています。 特に閉経後は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、骨を溶かす細胞の働きが活発になります。その結果、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨密度が急激に低下します。日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳とされており、閉経後10年で骨量が急激に減ることが知られています。 気になる症状がなくても、50歳以上になったら定期的に骨密度を測ることをおすすめします。閉経前のタイミング(40歳ごろ)に骨密度を測定し、自分の骨の状態を知っておくことがベストです。
こんな症状や心当たりがある方は早めの検査を
以下のような症状や心当たりがある方は、年齢に関係なく早めの検査をおすすめします。
- 背中が丸くなってきた
- 身長が以前より低くなった
- 転んだだけで骨折した
- 腰・背中が時々痛む
- 運動量が減った
- 閉経した
- やせ型である
- 偏食・極端なダイエット
- 喫煙・飲酒習慣がある
ひとつでも当てはまる方は、早めの検査をおすすめします。
骨折したことがある方は特に注意
脊椎の圧迫骨折や大腿骨頸部骨折は、1年以内に再骨折しやすいことが分かっています。 一度骨折すると、その後の骨折リスクが高まるため、定期的な検査と治療が非常に重要です。骨折をきっかけに寝たきりや生活の制限につながることもあるため、早期治療と予防が欠かせません。
骨密度検査の費用と保険適用

骨密度検査の費用について、気になる方も多いと思います。 骨密度検査は、医師が必要と判断した場合には保険適用となります。保険適用の場合、3割負担で数千円程度の自己負担となることが一般的です。 また、自治体によっては骨粗しょう症検診を実施しているところもあります。対象年齢や検診内容は自治体によって異なりますので、お住まいの地域の保健所や自治体のホームページで確認してみてください。 当院では、患者さんの状態に応じて適切な検査をご提案しています。費用や検査内容について不明な点があれば、遠慮なくお問い合わせください。
検査後の治療とフォロー体制

骨密度検査の結果、治療が必要と判断された場合には、状態に合わせた治療方法を選択します。
食事療法
丈夫な骨の材料となる栄養素をしっかり摂取することが基本です。 カルシウム(乳製品・小魚など)、タンパク質(肉・魚・卵)、ビタミンD・K(魚・きのこ類・野菜)を意識して摂ることで、骨を丈夫にしていきます。
運動療法
軽い負荷をかけることで骨が強くなり、筋肉がつくことで転倒予防にもつながります。 ウォーキングなどの無理なく続けられる運動を提案します。運動は骨密度を高めるだけでなく、バランス感覚を養い、転倒リスクを減らす効果もあります。
薬物療法
症状に応じて、以下のような薬を組み合わせます。
- 活性型ビタミンD3製剤
- SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)
- ビスフォスフォネート
- 抗RANKL抗体
- 副甲状腺ホルモン製剤
- 抗スクレロスチン抗体
これらの薬は、骨を壊すスピードを抑え、作る力を高める治療を行います。近年は新しい骨をつくる治療薬も登場しており、治療の選択肢が増えました。
治療後のアフターフォロー
骨粗しょう症は、一度良くなっても継続した管理が必要な病気です。 骨密度80%未満の場合は、検査を半年ごとに実施します。80%以上に改善した場合は、年1回に頻度を戻して経過観察を行います。治療歴を継続して管理することで、将来の骨折リスクを減らすことができます。 当院では、患者さんの骨粗しょう症リスクに一生寄り添う整形外科として、検査・治療・予防のすべてを継続してサポートします。
骨粗しょう症の進行度と症状の目安
骨粗しょう症は進行度によって症状が異なります。 自分の状態を把握し、適切なタイミングで検査を受けることが大切です。
初期(自覚なし)
症状がなく気付けません。 50歳以降、または閉経後は骨密度検査が必須です。この段階で発見できれば、食事や運動などの生活習慣の見直しで改善が期待できます。
軽度
背中が丸くなった気がする、身長が縮んだ、時々腰や背中が痛むなどの症状があります。 半年に1回の骨密度検査で進行をチェックし、食事と運動で早期改善が見込めます。この段階での対策が、将来の骨折リスクを大きく減らすことにつながります。
重度
猫背、大幅な身長低下、腰の痛み、転倒で骨折などがあります。 骨密度70%未満の状態で、薬物療法とリハビリが必要になります。 生活に大きな制限が出る可能性があるため、早期の治療が重要です。
まとめ:骨の健康を守るために、今できること
神保町整形外科にご相談ください
骨粗しょう症は、痛みが出てからでは遅い病気です。自覚症状がないまま進行するため、定期的な検査が何よりも大切です。特に50歳以降の女性、閉経後の方は、年齢のせいと見過ごしてしまいがちな「背中が丸くなってきた」「身長が縮んだ」といった小さな変化にも注意が必要です。神保町整形外科では、DXA法による正確な骨密度測定、骨代謝マーカーによる血液検査、X線検査などを組み合わせ、患者さんの骨の状態を丁寧にチェックします。検査結果に基づき、食事療法・運動療法・薬物療法を状態に合わせて選択し、一人ひとりに最適な治療をご提案します。骨の健康を守ることは、将来の寝たきりを防ぎ、健康寿命を延ばす大切な習慣です。当院は、患者さんの骨粗しょう症リスクに一生寄り添う整形外科として、検査・治療・予防のすべてを継続してサポートします。気になる症状がある方、検査を受けたことがない方は、どうぞお気軽にご相談ください。
神保町整形外科 院長
板倉 剛
平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事
資格・所属学会:医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、再生医療認定医、身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)、所属学会、日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会、日本脊髄障害医学会、日本再生医療学会
本記事は医療広告ガイドラインに基づき、監修のもと作成しています。治療の効果・費用・期間には個人差があります。詳細は必ず医師にご確認ください。