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自費リハビリのメリット・デメリット徹底解説|保険リハビリとの違いと選び方

2025.11.28

リハビリを受けたいけれど、保険の期限が切れてしまった・・・。 もっと集中的にリハビリを続けたいのに、時間が足りない・・・。 こんなお悩みを抱えている方は少なくありません。保険適用のリハビリには期間や回数に制限があり、十分な回復を実感できないまま終了してしまうケースも多いのです。そこで注目されているのが「自費リハビリ」という選択肢です。 本記事では、整形外科専門医として多くの患者さまのリハビリに携わってきた経験をもとに、自費リハビリと保険リハビリの違い、それぞれのメリット・デメリット、そして最適な選び方について詳しく解説します。

自費リハビリとは?保険リハビリとの根本的な違い

自費リハビリとは、公的な医療保険制度を利用せず、患者さまが費用を全額負担して受けるリハビリテーションのことです。 保険適用のリハビリでは、疾患ごとに期間が定められています。脳血管疾患なら180日、運動器疾患なら150日といった具合です。この期間を過ぎると、基本的には介護保険でのリハビリに移行するか、リハビリを終了することになります。 一方、自費リハビリには期間の制限がありません。患者さまが納得いくまで、必要なだけリハビリを継続できるのです。

保険リハビリの特徴と制限

保険適用のリハビリは、医師の指示のもとで実施されます。費用の自己負担は1〜3割と経済的ですが、その分さまざまな制限があります。 まず、リハビリを受けられる期間が決まっています。心大血管疾患は150日、脳血管疾患は180日、運動器疾患は150日、呼吸器疾患は90日です。また、1回あたりの時間も20分程度と短く、週に受けられる回数にも上限があります。 さらに、介護保険でリハビリを受けている場合、医療保険でのリハビリは原則として受けられません。このような制約があるため、患者さまによっては十分な成果を得られないまま終了してしまうこともあるのです。

自費リハビリの自由度と可能性

自費リハビリの最大の特徴は、時間・内容・頻度を自由に設定できることです。 1回60分以上のマンツーマンセッションも可能ですし、週に何回通うかも患者さまのご希望次第です。保険の制約を受けないため、スポーツ復帰を目指した専門的なトレーニングや、複数部位の同時アプローチなど、より個別性の高いプログラムを組むことができます。 また、理学療法士を指名できる施設も多く、相性の良い担当者と長期的な関係を築きながらリハビリを進められる点も大きなメリットです。

自費リハビリの5つのメリット

自費リハビリには、保険リハビリにはない多くの利点があります。ここでは特に重要な5つのメリットをご紹介します。

期間・回数の制限がない自由なリハビリ

保険リハビリの期限が切れた後も、継続してリハビリを受けられるのは大きな安心材料です。 実際、発症から半年以上経過していても、適切なリハビリによって機能改善が見られるケースは少なくありません。脳の可塑性は一生続くため、諦めずに取り組むことで変化を実感できる可能性があります。 また、リウマチや慢性的な関節痛など、長期的な管理が必要な疾患の方にとっても、期間を気にせず通い続けられることは大きなメリットとなります。

オーダーメイドのリハビリプログラム

患者さま一人ひとりの目標や状態に合わせた、完全オーダーメイドのプログラムを作成できます。 保険リハビリでは集団リハビリになることもありますが、自費リハビリは基本的にマンツーマン対応です。専門知識を持つ理学療法士が、患者さまの「できるようになりたいこと」を丁寧にヒアリングし、最適なアプローチを提案します。 スポーツ選手の競技復帰、高齢者の日常生活動作の改善、手術後の早期職場復帰など、多様なニーズに柔軟に対応できるのです。

十分な時間をかけた質の高いセッション

保険リハビリの1回20分という時間では、どうしても物足りなさを感じることがあります。 自費リハビリでは、60分、90分、あるいはそれ以上の時間をかけて、じっくりと身体と向き合うことができます。時間に余裕があるからこそ、細かな動作の確認や、患者さまの疑問にしっかりと答えることも可能になります。 当院では、20分3,500円、40分7,000円、60分10,000円(すべて税込)というプランをご用意しており、患者さまの目的や症状に合わせて選んでいただけます。

専門性の高い理学療法士による指導

自費リハビリ施設の多くは、経験豊富な理学療法士が在籍しています。 当院でも、大学病院や基幹病院で専門的な知識と技術を身につけた理学療法士が、患者さま一人ひとりに合わせたプログラムを作成しています。また、超音波を用いた的確な評価により、より精密なアプローチが可能です。 さらに、必要に応じて聖路加国際病院、慶應義塾大学病院、日本大学病院などの基幹病院と連携し、医療の継続性を確保しています。

最新機器や特別なメニューの利用

自費リハビリでは、保険適用外の最新機器や特別なメニューを利用できることがあります。 当院では、骨盤底筋トレーニング機器「エムセラ」を導入しています。これは座ったまま骨盤底筋群を鍛えることができる機器で、米国・EUで認可されており、尿もれや骨盤臓器脱、姿勢の不安定性などに効果が期待されています。日本では保険適用外ですが、自費リハビリなら利用可能です。 また、超音波骨折治療器による治癒促進も提供しており、骨折後の回復期間を短縮できる可能性があります。

自費リハビリの3つのデメリットと注意点

メリットが多い自費リハビリですが、デメリットや注意すべき点もあります。正しく理解した上で選択することが大切です。

費用が全額自己負担となる

自費リハビリの最大のデメリットは、費用が全額自己負担となることです。 保険リハビリでは1〜3割負担で済むのに対し、自費リハビリでは1回あたり数千円から数万円の費用がかかります。週2回通うとすると、月に数万円から十数万円の出費となることもあります。 ただし、長期的な視点で考えると、集中的なリハビリによって早期に機能回復が得られれば、結果的に総費用を抑えられる可能性もあります。費用対効果をしっかりと見極めることが重要です。

施設選びが難しい

自費リハビリ施設は増えていますが、その質には差があります。 中には、国家資格を持たないスタッフが施術を行っている施設や、過剰な効果を謳っている施設も存在します。「必ず治る」「元通りの機能まで回復する」といった表現をしている施設は、虚偽・誇大広告の可能性があるため注意が必要です。 施設を選ぶ際は、理学療法士・作業療法士などの国家資格保持者が在籍しているか、実際の症例や実績が公開されているか、医療機関との連携体制があるかなどを確認することをおすすめします。

リスク管理の難しさ

自費リハビリ施設の中には、医師が常駐していない施設もあります。 そのため、万が一体調が急変した場合の対応や、医学的な診断が必要な場合の連携体制が整っているかを確認することが大切です。当院のように、複数の基幹病院と連携体制を構築している施設であれば、必要に応じて迅速に紹介が可能です。 また、診断行為は医師以外は行ってはいけないため、施設側が診断を行っている場合は違法の可能性があります。このような施設は避けるべきでしょう。

こんな方に自費リハビリがおすすめ

自費リハビリは、すべての方に適しているわけではありません。ここでは、特に自費リハビリが適している方の特徴をご紹介します。

保険リハビリの期限が切れた方

保険リハビリの期限が切れてしまったけれど、まだ回復の余地があると感じている方には、自費リハビリが有効な選択肢となります。 実際、発症から数年経過していても、適切なリハビリによって機能改善が見られることは珍しくありません。諦めずに継続することで、日常生活の質を向上させることができる可能性があります。

より集中的なリハビリを希望する方

保険リハビリの20分では物足りない、もっと時間をかけてじっくり取り組みたいという方にも適しています。 特に、スポーツ復帰を目指している方や、仕事への早期復帰を希望している方など、明確な目標がある場合は、集中的なリハビリによって効率的に機能回復を図ることができます。

複数部位の相談をしたい方

保険リハビリでは、基本的に主訴となる部位のみが対象となります。 しかし、実際には複数の部位に痛みや不調を抱えている方も多いのではないでしょうか。自費リハビリなら、そうした複数の部位を同時に診てもらうことが可能です。全身のバランスを考慮した総合的なアプローチができるのです。

長期的な機能維持を目指す方

リウマチや変形性関節症など、長期的な管理が必要な疾患をお持ちの方にとって、定期的なリハビリは重要です。 自費リハビリなら、痛みが良くなった後も、良い状態を維持・向上させるために通い続けることができます。予防的な観点からも、継続的なリハビリは価値があると考えられます。

自費リハビリ施設の選び方|5つのチェックポイント

自費リハビリ施設を選ぶ際は、以下の5つのポイントを確認することをおすすめします。

国家資格保持者の在籍確認

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの国家資格を持つスタッフが在籍しているかを確認しましょう。 自費リハビリ施設の開業自体は、資格がなくても可能です。しかし、専門的な知識と技術を持つ有資格者による施術を受けることが、安全で効果的なリハビリにつながります。

実績と症例の確認

施設のホームページやSNSで、実際の症例や実績が公開されているかをチェックしましょう。 ただし、「必ず治る」「100%改善する」といった過剰な表現をしている施設は避けるべきです。リハビリの効果には個人差があり、確実な結果を保証することはできないからです。誠実な施設は、現実的な目標設定と丁寧な説明を行っています。

医療機関との連携体制

万が一の際に、医療機関と連携できる体制が整っているかは重要なポイントです。 当院のように、複数の基幹病院と連携している施設であれば、状態が悪化した場合や精密検査が必要な際に、迅速に対応できます。地域医療のネットワークを活かした安全性の高いリハビリが受けられます。

料金体系の透明性

料金が明確に提示されているか、追加費用の有無、キャンセル料の設定などを事前に確認しましょう。 当院では、20分3,500円、40分7,000円、60分10,000円(すべて税込)と明確な料金設定をしており、患者さまのご予算や目的に合わせて選んでいただけます。料金体系が不明瞭な施設は避けた方が無難です。

体験プログラムの有無

初回体験やカウンセリングを実施している施設を選ぶことをおすすめします。 実際に施設の雰囲気を確認し、担当者との相性を見極めることができます。多くの施設では、初回体験を無料または特別価格で提供しているため、複数の施設を比較検討することも可能です。

神保町整形外科の自費リハビリの特徴

当院では、患者さまの「もう一度できるようになりたい」という想いに寄り添い、質の高いリハビリテーションを提供しています。

手術後のケアとリハビリを一貫サポート

他院で外傷の手術を受けられた方も、術後のケアとリハビリをセットで受けていただけます。 術後2週間ほどは、傷のケア、抜糸、固定除去、初期リハビリなどが必要となりますが、当院ではこれらを一貫して実施できる体制を整えています。患者さまの手術内容や経過に合わせた最適なプログラムをご提案します。

超音波を用いた的確なアプローチ

当院では、超音波を用いた評価を行っています。 超音波は、安全に身体の中の筋肉や神経、血管を画像化できる装置です。理学療法士の手の感覚と解剖の知識、そして超音波で得られた視覚情報を合わせることで、より的確に患部にアプローチし、病態の把握と症状改善を目指しています。

充実した連携体制による安心感

当院は、聖路加国際病院、慶應義塾大学病院、日本大学病院、三井記念病院、北里研究所病院、九段坂病院、三楽病院といった基幹病院と連携しています。 状態が悪化した場合や精密検査が必要な際には、迅速に紹介が可能です。地域医療のネットワークを活かし、患者さまの安全と治療の継続性を大切にしています。

まとめ|あなたに合ったリハビリを選ぶために

自費リハビリと保険リハビリには、それぞれメリットとデメリットがあります。 保険リハビリは費用負担が少ない一方で、期間や時間に制限があります。自費リハビリは費用が全額自己負担となりますが、期間や内容の自由度が高く、より個別性の高いリハビリを受けることができます。 大切なのは、患者さま一人ひとりの状態や目標、経済状況に合わせて、最適な選択をすることです。保険リハビリで十分な成果が得られる方もいれば、自費リハビリによってさらなる改善を目指せる方もいます。 リハビリの目的は、ただ痛みを治すことだけではありません。その先にある、患者さまが本当に戻りたい生活を実現するためにあります。 当院では、患者さまの想いを大切にしながら、丁寧で質の高いリハビリテーションを提供しています。手術後のケアからスポーツ復帰、高齢の方の機能維持まで、幅広く対応していますので、どんな小さな不安でも構いません。ぜひ一度ご相談ください。 神保町整形外科では、初回カウンセリングを実施しています。あなたの「できるようになりたい」を一緒に叶えていきましょう。

著者情報

神保町整形外科 院長 板倉 剛

経歴

資格

所属学会

投稿者:神保町整形外科

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