骨粗しょう症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。自覚症状がないまま進行するため、気づいたときには骨折していたというケースも少なくありません。神保町整形外科では、骨密度検査から治療・リハビリまで一貫してサポートしています。
骨粗しょう症診療の特徴
全身型DXA装置による精密な骨密度検査
骨密度・骨代謝マーカー・X線の3本立てで診断
検査から診断結果の説明まで初診当日に対応
PT(理学療法士)17名・OT(作業療法士)4名、合計21名体制の転倒予防プログラムを併用
神保町整形外科 院長/医学博士 日本整形外科学会専門医/脊椎脊髄病医/運動器リハビリテーション医/再生医療認定医
板倉 剛
「年のせいだから」と、痛みを諦めていませんか。痛み止めはあくまで時間を稼ぐ手段。その方の生活や目標に合わせた根本的な治療を地道に続ければ、痛みは軽くできると考えています。当院は治療・リハビリの選択肢が豊富で、幅広い症状に対応可能です。他院で変化を感じられなかった方こそ、身近なかかりつけ医としてお手伝いします。
骨粗しょう症とは?

骨の強度が低下し、骨折しやすくなる状態を「骨粗しょう症」といいます。
骨がもろくなると、つまずいて手をついた、くしゃみをした、といったわずかな衝撃でも骨折してしまうことがあります。がんや心筋梗塞のように直接命にかかわる病気ではありませんが、骨折がきっかけで介護が必要になる方も多く、決して軽視できません。
とくに注意が必要なのは、骨粗しょう症が「痛みなどの自覚症状をほとんど伴わない」点です。骨密度が大きく低下していても気づかずに日常生活を送っているケースは珍しくありません。定期的な骨密度検査を受けながら、早めに状態を把握することが大切です。
骨密度が低下する仕組み
骨は常に「つくる(骨形成)」と「こわす(骨吸収)」を繰り返しながら新陳代謝しています。
健康な状態ではこの2つがバランスを保っていますが、加齢や女性ホルモンの減少などによってバランスが崩れると、骨吸収のペースが骨形成を上回るようになります。その結果、骨の内部がスポンジ状にもろくなり、骨粗しょう症へと進行していきます。
骨粗しょう症により折れやすい部位
骨粗しょう症によって骨折しやすい部位は主に4か所です。背骨(脊椎椎体)・脚の付け根(大腿骨近位部)・手首(橈骨)・腕の付け根(上腕骨)に集中しています。
なかでも背骨は、体の重みで椎体がつぶれる「圧迫骨折」が起こりやすい部位です。背中や腰の曲がりが進む原因にもなります。ただし痛みを感じないまま圧迫骨折が進行していることも多く、単なる腰痛として見過ごされてしまうケースも少なくありません。
1か所骨折すると周辺の骨にも余分な負担がかかり、連鎖的な骨折につながるリスクがあります。早期発見・早期治療が重要です。
「気づかない骨折」の危険性(脊椎圧迫骨折)
脊椎圧迫骨折は、転倒や重い荷物を持った際など、比較的軽い衝撃で起こります。骨折していても強い痛みを感じないことがあり、「少し腰が痛いだけ」と放置してしまうケースが多くみられます。気づかないまま日常生活を続けると、骨折が複数か所に広がるリスクがあります。腰や背中の違和感が続く場合は、早めにX線検査や骨密度検査を受けることをお勧めします。
「閉経後の女性」に骨粗しょう症が多い理由
日本国内の骨粗しょう症患者数は約1,280万人とされており、そのうち女性が約980万人を占めています。50歳以上の女性に限ると、3人に1人が骨粗しょう症になると言われています。年代別では50代で約9人に1人、60代で約3人に1人、70代では約2人に1人という割合です。
これほど女性に多い理由は、閉経(50歳前後)にあります。閉経によって、骨形成をサポートする女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減少します。骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨量が短期間で大きく落ちるため、更年期以降の女性は特に注意が必要です。
進行度別の症状と危険度

骨粗しょう症は進行度によって、現れるサインや必要な対応が異なります。各段階の特徴を把握しておきましょう。
| 進行度 | 主な症状・サイン | 骨密度の目安 | 推奨される対応 |
|---|---|---|---|
| 初期 | 自覚症状なし | ― | 50歳を過ぎたら骨密度検査を受診。閉経後2〜3年以降は特に要注意 |
| 軽度 | 背中が丸くなった気がする/身長が少し縮んだ/日常動作で腰・背中が時々痛い | 80%未満(危険水域) | 半年に1回の骨密度検査。食事・運動習慣の見直しを早期に開始 |
| 重度 | 背中が大きく丸くなる/身長が大幅に縮む/痛みで立っていられない/軽い転倒で骨折 | 70%未満 | 薬物療法と並行してリハビリを実施。痛みで動かさない悪循環を防ぐことが最優先 |
骨密度が80%を下回っても、この段階で治療を開始すれば骨粗しょう症への進行は食い止められます。重度になると骨を増やす薬物治療も選択肢に入りますが、早めの対処がそのまま治療の幅を広げます。
こんな方は早めの検査をお勧めします
以下に当てはまる方は、自覚症状がなくても骨密度が低下している可能性があります。気になる項目があれば、早めに検査を受けましょう。
早めの検査をお勧めする方
- 閉経後・更年期以降の女性
- 腰や背中の痛みが長引いている
- ご家族に骨粗しょう症と診断された方がいる
- 過去に骨折の経験がある
以下では、それぞれのリスクについて詳しく解説します。
閉経後・更年期以降の女性
閉経後の女性は、骨を守るエストロゲンの分泌が急減するため、骨量が短期間で大幅に低下します。50代・60代・70代と年齢が上がるほど骨粗しょう症の有病率は高くなり、更年期はその入り口となる時期です。症状がなくても、閉経を機に一度は骨密度検査を受けることをお勧めします。
腰や背中の痛みが長引いている方
長引く腰痛や背中の重だるさは、脊椎圧迫骨折が原因である可能性があります。圧迫骨折は転倒や重い荷物の持ち上げなど、日常的な動作でも起こります。「ただの腰痛」と判断して放置すると、骨折が連鎖するリスクも高まります。痛みが2週間以上続く場合は、整形外科での画像検査を受けましょう。
家族に骨粗しょう症の方がいる方
骨粗しょう症の発症には遺伝的な要因が関わっているとされています。親や兄弟姉妹に骨粗しょう症と診断された方がいる場合、同様のリスクを持っている可能性があります。家族歴がある方は、比較的若い年齢から定期的な骨密度チェックを始めるとよいでしょう。
過去に骨折経験がある方
過去に一度骨折を経験した方は、次の骨折リスクが統計的に高くなることが知られています。骨折した部位の周辺骨への負担増加に加え、骨密度の低下が背景にある場合も多いためです。骨折後は治療と並行して骨密度を確認し、二次骨折の予防につなげることが重要です。
当院の検査・診断
当院では、骨粗しょう症の診断・治療に必要な検査を3つのアプローチで実施しています。骨密度検査で骨の量を数値として把握し、骨代謝マーカー(血液検査)で骨の代謝バランスを確認。さらにX線検査で骨折・変形の有無を画像として評価します。この3つを組み合わせることで、現在の骨の状態を多角的に把握し、適切な治療方針を立てることができます。
骨密度検査(DXA法)

当院では全身型の骨密度測定装置(DXA法)を導入しています。DXA法は2種類のX線を用いて骨密度を精密に計測する方法で、大腿骨や腰椎など骨折リスクが高い部位を直接測定できます。検査は数分で終了し、身体への負担も最小限です。治療中の方は4か月に1回を目安に定期検査を実施し、骨密度の変化を継続的に追跡します。
X線検査

骨粗しょう症と類似した症状を示す他の疾患との鑑別を行うため、胸椎・腰椎のX線撮影を実施します。圧迫骨折の有無や椎体の変形、骨の形状の変化などを画像で確認します。自覚症状がない段階でも、X線で初めて骨折が発見されるケースもあります。骨密度検査と組み合わせることで、より正確な診断が可能です。
骨代謝マーカーの検査
骨形成と骨吸収のバランスが崩れると、骨はもろくなります。骨代謝マーカーは、このバランスを血液検査で評価する指標です。骨吸収マーカーや骨形成マーカーの数値を確認することで、骨が現在どのような代謝状態にあるかを把握できます。数値に異常がみられる場合は骨折リスクが高まっているサインであり、治療の必要性や薬剤の効果判定にも活用します。
当院の骨粗しょう症の治療方針

当院の骨粗しょう症治療は、「薬物療法」「運動療法・リハビリ」「食事・生活習慣の指導」の3つを組み合わせて進めます。
骨粗しょう症の治療目標は、骨折を防ぐことです。薬で骨密度を高めながら、運動で筋力とバランス感覚を鍛え、転倒そのものを防ぐアプローチを並行して行います。食事面では、骨の材料となる栄養素の摂り方についてもアドバイスしています。
それぞれの状態や生活背景に合わせて治療内容を調整しますので、「どこから始めればよいかわからない」という方もお気軽にご相談ください。
薬物療法(内服薬・注射薬)
骨粗しょう症の薬物療法では、患者さんの状態や骨密度の程度に応じて以下の薬剤を使用します。
Point
- 活性型ビタミンD₃製剤は、腸管からのカルシウム吸収を促進し、骨形成をサポートします。
- SERM(選択的エストロゲン受容体作動薬)は、エストロゲンに似た作用で骨の破壊を抑え、骨量の維持・増加をはかります。閉経後女性に多く用いられます。
- ビスフォスフォネート製剤・抗RANKL抗体は、骨吸収を強力に抑制することで骨密度を高めます。骨粗しょう症の薬物療法の中でも、エビデンスが豊富な治療薬です。
- 副甲状腺ホルモン薬・抗スクレロスチン抗体は、骨を作る骨芽細胞の働きを活性化し、新たな骨の形成を促します。重度の骨粗しょう症にも対応できる治療薬です。
運動療法・リハビリ
骨を強くするためには、薬だけでなく運動による適度な身体への負荷も欠かせません。骨は力学的な刺激に反応して強くなる性質を持っており、ウォーキングのような荷重運動が特に効果的とされています。また筋力トレーニングによって体を支える力やバランス感覚が向上すると、転倒そのものを防ぎやすくなります。
当院のリハビリスタッフが個々の体力や生活状況に合わせた運動プログラムを提案しますので、「どんな運動をすればよいかわからない」という方も安心してご相談ください。
食事・生活習慣指導(カルシウム・ビタミンD)
骨の健康には、日々の食事から必要な栄養素を意識的に摂ることが基本となります。特に重要な4つの栄養素と、含まれる食品の例をご紹介します。
骨のために摂りたい4つの栄養素
- カルシウム:乳製品(牛乳・ヨーグルト)、小魚、豆腐・納豆などの大豆製品、小松菜などの緑黄色野菜
- たんぱく質:肉・魚・卵・豆腐・納豆など。骨の土台となるコラーゲンの材料
- ビタミンD:鮭・さんまなどの魚類、きのこ類、日光浴によっても体内で生成される
- ビタミンK:納豆・ほうれん草・ブロッコリーなど。骨へのカルシウム沈着を助ける
食事だけで十分な量を摂ることが難しい場合は、サプリメントの活用も含めてご相談ください。
当院の骨粗しょう症診療の特徴
神保町整形外科では、骨粗しょう症の診断から治療・リハビリ・アフターフォローまでを院内で完結できる体制を整えています。
骨密度測定(DXA法)・X線検査・血液検査をすべて院内で実施できるため、初診当日に検査と診断結果のご説明まで行うことが可能です。また、整形外科専門医とリハビリスタッフが連携し、骨を守りながら転倒リスクを下げるトータルなサポートを提供しています。「骨折してからでは遅い」と感じている方こそ、まず現在の骨の状態を確認しに来ていただけると幸いです。
専門医による継続的な骨密度管理
骨粗しょう症の治療は、検査・投薬・経過観察を長期にわたって継続することが大切です。
当院では整形外科専門医が骨密度の変化を定期的に追跡し、必要に応じて薬剤の種類や投与量を調整します。一時的な改善で治療を中断してしまうと、骨密度が再び低下するリスクがあります。骨折ゼロを長期的な目標として、患者さん一人ひとりの状態に合わせた管理を続けていきます。
リハビリスタッフによる転倒予防プログラム
骨粗しょう症の治療と並行して、転倒そのものを予防することが骨折リスクを下げる上で不可欠です。
当院にはPT(理学療法士)17名・OT(作業療法士)4名、合計21名が在籍しており、個々の筋力・バランス能力の評価をもとにした転倒予防プログラムを提供しています。体幹や下肢の筋力を鍛えることで転倒しにくい体をつくり、骨粗しょう症の薬物療法と組み合わせることで、より確実な骨折予防につなげています。
治療後のアフターフォロー
骨粗しょう症は完治というよりも、長く付き合いながらコントロールしていく病気です。
当院では骨密度の推移に応じて通院頻度を柔軟に調整しています。骨密度が80%を下回った段階では半年に1回の検査と治療を実施。治療の効果で80%を超えた場合は、年1回の定期確認に移行し、状態に応じて休薬を検討します。数値だけでなく生活状況も確認しながら、一人ひとりに合った継続サポートを行います。
よくある質問(FAQ)
骨粗しょう症について、患者さんからよく寄せられる疑問をまとめました。受診前の参考にしてください。
Q 骨密度検査に保険は使えますか?
骨粗しょう症の診断を目的とした骨密度検査は、一定の条件を満たす場合に健康保険が適用されます。適用条件や検査費用の詳細については、受診時に医師へご確認ください。なお、健診目的の場合は自費となることがあります。
Q 薬はずっと飲み続けるのですか?
骨粗しょう症の薬は、骨密度の回復状況によって休薬を検討できます。一般的には骨密度が目標値を上回った段階でいったん休薬し、その後も定期的な経過観察を続けます。自己判断での中断は骨密度の再低下につながるため、必ず医師と相談した上で判断してください。
Q 若いうちからできる予防はありますか?
骨密度は20〜30代にピークを迎え、その後は徐々に低下します。閉経前の若い時期から、カルシウム・ビタミンDの摂取や適度な運動習慣を続けることが、将来の骨粗しょう症予防につながります。「まだ若いから大丈夫」と思わず、早めの生活習慣の見直しが骨の貯金を増やすことになります。
Q すでに骨折してしまいましたが、今から治療しても意味はありますか?
骨折後であっても、治療を始めることに遅すぎることはありません。骨折経験がある方は次の骨折リスクが高まっているため、二次骨折の予防という観点で早期の治療開始が特に重要です。骨密度を高める薬物療法と転倒予防のリハビリを組み合わせて対応します。
骨折する前に、知っておきたいこと。
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全身型DXA装置による精密な骨密度検査
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骨密度・骨代謝マーカー・X線の3本立てで診断
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検査から診断結果の説明まで初診当日に対応
骨粗しょう症は、骨折してから初めて気づくことが少なくありません。しかし適切なタイミングで検査と治療を始めれば、骨折は十分に防げます。
神保町整形外科では、院内のDXA装置による骨密度検査・専門医の診断・リハビリスタッフによる転倒予防サポートまでを一貫して提供しています。「なんとなく腰が気になる」「更年期を機に骨が心配になった」そんな段階からでもご相談いただけます。まずはお気軽にご予約ください。
神保町整形外科 院長/医学博士 日本整形外科学会専門医/脊椎脊髄病医/運動器リハビリテーション医/再生医療認定医
板倉 剛
平成18年3月東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局 慶應大学病院、静岡赤十字病院、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、台東区立台東病院、 竹川病院、石川島記念病院、古河総合病院勤務を経て平成29年4月神保町整形外科を開院 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程で脊髄再生に関する基礎研究に従事